ニニウへ急げ!

IMGP9994.jpg 「『ニニウ』に一度行ってみたいんだ」

中学3年生の春休みに初めて北海道へ行った時、攻玉社中学・高校から北大へ進学された鉄道研究部の先輩がこう言っていました。

 ニニウ?

 ……それから4年が経ち、大学に入ってインターネット環境を手にして、ふとその単語を思い出して入力して引っかかったのがこのサイト

 いたずら描き(失礼)のようなイラストを見て以来、架空の集落だとずっと思い込んでいました。


 が、ニニウは「実在した」集落であることがあとで分かります。

 集落としては無人になったものの、キャンプ場などが整備されたようではあったのですが、道東自動車道の建設工事でそのキャンプ場も閉鎖されてどうとかこうとか……「パソ上の空論」で納得できないのなら、自分で一度見て確かめなくては。

#JR石勝線には建設中は「(仮称)ニニウ駅」だったという「清風山信号場」があります。
(昭和56年の石勝線開通時点で無人地帯だったので駅にならなかった)


IMGP0025.jpg とはいえ、まっすぐニニウを目指してもつまらないので、少々遠回りですが夕張を経由して行くことにしました。

 ……夕張駅前に「バリー屋台」なる屋台村が去年できた、と『るるぶ北海道』に書いてあったので行ってみたら……

 休みだよ!! おまけに改装中なのかユンボが目の前を掘り返してるよ!! ……やっぱり世間は旅行のオフシーズンなんですかね。

 夕張駅はレストランが入居してすっかり見栄えがおしゃれになってました。……これも去年のことらしいです。(朝日新聞の記事

 目の前にある著名電器メーカー系スキー場を誘致するため、元の夕張駅から「新夕張駅」(という駅が違う場所にある)寄りへ線路を剥がす形で移転した現在の夕張駅ですが、スキー場は電器メーカー系列が運営から撤退(というか破綻?)してリゾート再生を得意とする会社が引き受けて(というか居抜き進出)どうにか営業はしています。……が、残念ながら誰が列車で来るんだよこんなとこ、というような場所なのは確かです。


IMGP0041.jpg とりあえず昼食は「ユーパロの湯」の食堂で、店じまいをした市街地の店のレシピを引き継いだというカレーそば(680円)。
(……おいしい、、、はずなんだけど、とんでもない猫舌キラーで、全然味がわからなかったよ。。o....rz)

 温泉施設もユーパロの湯(公営?)とレースイの湯(上記のスキー場系列)が競合するなど、今にして振り返れば「ポスト石炭産業」を手さぐりしていた時期がバブルと重なって、駅が市街地のはずれへ移転したことと合わせてちぐはぐな遺産がゴロゴロしている印象はぬぐえませんでした。


IMGP0064.jpg で、清水沢駅近くにあった「羽柴秀吉後援会事務所」の立て看板。……夕張市長選ばかりは、この人は泡沫候補にならないので、さてどんな処方せんを持ち合わせているのやら。

 ……なんてことをしている間に、時計はすっかり15時半ですよ。


 まぁ、ニニウはここから帯広方面へ向かう途中にあるのさ……と地図を広げると、道道610号線には「日雨量80mm通行止」の文字。

 あの、きょう、雨なんですけど。……場所によっては「時」雨量20mmとかラジオの天気予報で言ってますよ。


IMGP0077.jpg で、国道274号から道道610号線へ入る交差点は、まさにゲートを閉めるところで、係の人に「光るニンジン棒」でダメダメと合図されてしまいます。

 いや、それ以前に「土砂災害のため占冠方面へ通り抜けできません」という看板がありましたから、どちらにせよ行けなかったと思います。

 辺りは暗くなっていましたし、そんな時間帯に無人集落をウロウロしていたら冬眠前のクマに襲われるのが関の山だよ(←マジでこの辺りは熊が出るから!!)、とあきらめて国道をそのまま東進するとカーナビの画面上に「ニニウ」の文字が。

IMGP0080.jpg ちょうどナビの文字と重なるあたりへやってくると「占冠村仁仁宇」の看板です。

 んー、ニニウと仁仁宇って同じなの? 違うの? とは思えども、とにかく辺りは暗いうえに雨が降っているのでさっさとクルマへ戻って先へ進みます。

 なにより、道路以外には何もない場所です。



IMGP0081.jpg で、さらにクルマを進めると、今度は道道610号線の占冠側入口近くになり、

「↑ニニウ方面」

という看板が出現です。

 やっぱりニニウ≠仁仁宇だった!!


 とはいえ、さきほどの夕張側入口以前に舗装すらされていなくて、まるで獣道のような道道610号線は、

「おしらせ 異常気象時等に通行止になる場合があります」
「全面通行止 警告立入禁止 土砂災害の為、穂別方面へは通行・立入出来ません。危険ですので、ご協力をお願いします。 富良野警察署 北海道旭川建設管理部」

という、お願いだか何なんだかよく分からない看板とともに、物々しい柵で封鎖されており、とにかく早い時間に来ようが晴れていようがダメだったということが分かっただけでも収穫でした。


IMGP0084.jpg 占冠の道の駅に、道東自動車道について説明するコーナーがありました。

 すでに、建設区間の両端、千歳東〜夕張、占冠以東全区間が無料通行になっているのですが、夕張〜占冠は来年秋開通予定とのことで、……当然ここも無料区間になるんですよね?

 JRの整備新幹線とは違って営業努力が1円たりとも通行料金収入に結びつかないことが分かっている区間で、民間会社のNEXCO東日本が着々と建設を進めているのも妙な話です。

 名阪国道みたいに、実質的な高速道路を一般国道ということにしてしまうのが手っ取り早いんじゃないかとは思うのですが、どうなんでしょう。


 で、その模型の中に「ニニウキャンプ場」という文字を見つけました。

 冒頭の写真は、支笏湖から千歳市へ向かう道道にて。……センターラインどころか中央分離帯がある片側一車線の都道府県道があるんですよ北海道って。
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札幌近郊ドライブ

IMGP9916.jpg 小樽に着きました。

 自動車を含む旅客はサッサと降りてしまいましたが、その後、続々と貨物トラックが降りてきて、このフェリーのメインは貨物輸送だというのがよく分かります。

 ……いつでしたっけ、「タモリ倶楽部」で回転寿司の流し撮りをやってましたけど、この写真、割りとうまく決まってません?

 それはそうと学生時代に、当時まだ官僚で経産省から国交省へ出向していた泉田裕彦氏(←現・新潟県知事!)の元へ「モーダルシフトの学識経験者」として教授から送り込まれた(=自慢)とき、「RORO船」という単語を聞いて何のことやらさっぱりだったんですが(←どこが「学識経験者」だ!)、要はこのフェリーみたいにトラックごと直接乗れちゃう貨物船のことを言うんですね。

 泉田氏とともにヒアリングをした荷主はどこも、トラック→鉄道、トラック→船舶の最大のネックに、「駅や港で積むのに1時間、降ろすのに1時間、合計2時間所要が伸びる」というのを挙げてましたっけ。
(あと、荷捌きが間に合わないと船や列車は決まった時間で置いて出て行ってしまう点)

 クレーンでコンテナをエッチラオッチラやらずにトラックごと直接乗せちゃうぶん、RORO船やフェリーは有利なんですね。


 「大人の社会科見学」を終えたあとは、とりあえず支笏湖を目指すことにします。


IMGP9950.jpg 途中、沿道にあったJRの駅に立ち寄ったりして、自動販売機に「KitacaとSuicaがご利用いただけます」というステッカーを見て、いつのステッカー? と一瞬思いました。

 ……が、首都圏のJR駅で「SuicaとPASMOとKitacaとTOICAとICOCAとSUGOCAとnimocaとはやかけんがご利用いただけます」(←合ってますよね?)というのがむしろ全国的にはガラパゴス現象なのでして、Suicaエリア以外ではこれが普通なんですよね。

IMGP9977.jpg 朝食は札幌市内の「半田屋」にて。

 サバ味噌煮(120円)、菜の花もやし(90円)、めし中(170円)、豚汁(120円)、エビフライ(60円)で合計560円。

 前にも書きましたけど「生れたときから どんぶりめし」のポスターの写真の子が実は女の子だったというのには衝撃です。自分はてっきり男の子だと思ってたんですが、創業時の重役の「娘」だとかどうとか……。


IMGP9989.jpg さて、目的の支笏湖ですが、雄大なのはよかったんですけどあいにくの雨と霧で、駐車場料金400円もばかばかしく、さっさと次を目指すことにしました。

 で、途中で見かけたのが「スキー場入口」バス停。

 ……といっても、辺りは原生(?)林で、スキー場はおろか、「入口」が示す通りの分かれ道すら見当たりません。

 なにやらそれっぽい廃道らしきものならありましたけど、、、

 次の「分岐点」バス停は、T字路のそばにあってまだ分かります。

 さらにその次「第一発電所」って、発電所はあるんだろうけど(カーナビにも「第一発電所」は出ていた)誰も通勤には使わないんだろうなぁ……と思って付近を通過したときに目に入った看板を見てびっくりです。

IMGP9992.jpg 思わずUターンしてよく見ると

「千歳発電所 王子製紙株式会社 苫小牧工場」

えー! 水力発電所って、電力会社と鉄道会社しか持ってないもんだと思ってましたよ!!


 じゃぁ、東京電力とJR東日本に続いて、次に不正取水をやるのは製紙会sy(殴)
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