上野「紅や」→水上「育風堂精肉店食堂部」→上野「龍門」

IMGP1615.jpg 早大鉄研60周年(=2012年)の記念イベントの打ち合わせで、群馬県みなかみ町へ行きました。

 みなかみ町で旅館を営む先輩と上毛高原駅で待ち合わせ、私と旅行会社勤務のもう一人の先輩は東京8:52発の新幹線で出発です。

 自分は上野から乗ることにして、銀座線の踏切近くにある弁当屋「紅や」で朝食を調達。……自分は「唐揚メンチ」(写真・500円)、先輩には「唐揚」(530円)。新幹線の車内でいただきました。


 上毛高原駅に着いて、旅館業の先輩に案内されて観光協会や町役場へ挨拶にうかがいます。……事前に旅館業の先輩から話は伝えてあり、重ねてご協力をお願いします、我々もみなかみ町の観光振興にお役立てできるコンテンツはありますので何なりと…と旅行会社の先輩が説明して、私は名刺を差し出して(←これが重要)座っているだけです。

 鉄道研究会などというマニア集団のイベント、と切り出すと、まず最初はドン引かれるのですが、話すうちに「思ったよりは」マトモな人たちだと分かってもらうのが今回の目的です。


IMGP1624.jpg 昼食は私の希望で水上駅近くの「育風堂精肉店」食堂部。

 前々職までの頃に仕事でみなかみ町へ来るとここでごはんを食べていました。

 旅館業の先輩(←取引があるらしい)が一緒だったので社長から声をかけられ、色々教えてもらいました。

 食堂部はともかく通りに面した「精肉店」はどうも営業している様子がなく、何で稼いでいるのだろうといつも不思議だったんですが、別の場所に工場があってあちらこちらに納めており、旅館業の先輩の話では生ハムやソーセージは絶品だそうです。(というか、ホームページがあったなんて!)


 で、工場も食堂部も手狭になり、駅から少し離れた国道沿いへ広い土地を確保して移転する、という話を社長から聞いてびっくりです。ありゃ、この(駅に近い)店なくなっちゃうんですか。

 とはいえ、まだ土地を確保しただけで、これから建物を建てる、という段階で移転は来年末ごろから徐々に少しずつ…という話なので、いまの店は当分営業するみたいです。


 ちなみに、道の駅や高速のSAなどで配布している「ググっとぐんまっぷ」という小冊子を持参すると、写真のカツ丼(700円)が500円になるそうですよ。……よく食べに行くという方(がここを見てるかは分かりませんが)はご参考に。

 あと、社長のご子息が中目黒でお店をやっているそうで、ここでも育風堂の生ハムやソーセージをいただくことができる由。

#現在の食堂部は普通の食堂なので、逆にそんな洒落たものは出ません


 そのあとは、日帰り入浴施設の「ふれあい交流館」2階の展示スペースを見学。

 SLが走る日は大勢の人でごった返すそうなんですが、2階のスペースは少々もてあまし気味の様子で、町や観光協会から要請があればこの辺りで協力をすることになるんじゃないかなぁといったところでしょうか。

#展示スペースといえば水上駅待合室を見てくるのを忘れた


 で、一通りの用事が済んだら、先輩の経営する旅館で日帰り入浴をして、上毛高原16:52発の新幹線で帰途につきました。

 ガーラ湯沢の営業が始まって「たにがわ号」が大増発されているのでこの時間帯の新幹線は30分おきに上毛高原に停まります。……今般のダイヤ改正で週末運転化、しかも1日1.5往復に減った在来線の特急「水上号」より断然便利だと思うんですが、みなかみ町や周辺に点在する温泉地・スキー場へのアクセス駅だとは世間にあまり認知されていないようです。

 「○○高原」という施設名や社名は昭和50年代〜バブル期にかけて流行して、鉄道でも特急や新幹線が停まる駅として「石勝高原」「上毛高原」「くりこま高原」という駅ができました。(石勝高原駅はその後「トマム駅」へ改称)

 スキーやテニスにゴルフ、それから温泉、なんでもあります、なんでもできます……とPRしたかったんじゃないでしょうか。たぶん。

 逆に、知らない人には具体的に何がある場所なのか全くイメージできない、例えれば就職活動でのエントリーシートの典型的な失敗作みたいな名前です。


 自分の個人的考えとしては「みなかみ温泉郷駅」、旅行会社の先輩は「月夜野駅」がいいんじゃないか、という見解でした。


IMGP1651.jpg 17:54に上野に着いたら、駅近くの中華料理屋「龍門」へ。

 前々々職の頃、19時から始まる仕事の前に「食事」によく来た店ですが、今日は「おつかれさま会」です。

 誰か前々々職の知ってる人来ないかなー、と思って飲んでましたが誰も来なかったので、今日は別の店へ行っちゃったんでしょう。

 散々食べて飲んで会計は2人で7000円少々でした。
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106急行とJR山田線の謎

IMGP1301.jpg 八戸から八戸線〜三陸鉄道北リアス線経由で宮古へ来ました。

 宮古からは、JR山田線の盛岡行きに乗り継ぎます。

 この山田線の盛岡〜宮古は、写真のとおり「超」がつくほどのローカル線でして……

・閉そく方式は日本でここにしか残っていない非自動の「連査閉そく方式」
 (その筋の人の話では、この装置が壊れたらもう直せる人がいないとかどうとか……)
・「ワンマン化する設備投資すら値しない」らしく、全列車に車掌が乗っている
・盛岡〜宮古を直通する列車が1日4往復しかない

などの特徴があります。


 ただ、この区間に旅客流動がないのかというと全くのウソで、30年以上前から国道106号線を走る「106急行」という路線バスがあって、現在1日に23往復も走っています。


 それぞれ比較してみると、JR山田線は運行本数以外に全く遜色がないんですよ。

        JR     106急行
片道運賃 1890円   1970円
往復運賃 3780円   3640円
所要時間 2時間19分 2時間10分(普通列車の平均と急行バスの比較)
       1時間59分 1時間55分(最速の快速「リアス」とS特急バスの比較)
運行本数 4往復 orz  23往復!

なぁんだ、往復運賃なら106急行が安くてスピードも速いんじゃねぇか、と言う向きもあるでしょうが、片道運賃ならむしろ安いうえ、新幹線に乗り継ぐなどすれば運賃は通し計算で山田線部分の値段はさらに安くなります。


 たとえば宮古から東京を往復すれば……

山田線+東北新幹線 17200円(+新幹線の特急料金)
106急行+東北新幹線 20020円(+新幹線の特急料金)

と、3000円近い差がつきます。通常運賃だけで十分競争力のある価格設定ですよね。


 所要時間だって、5〜10分レベルの差ですから、親の死に目に会えるかどうかを争う事態なら別として、日常的にそんなに困る差とも思えないのです。


 JR東日本は事業戦略のなかで「地方路線に活力を吹き込み、地域と地域交通の活性化に貢献する」と掲げていますが、現状を見る限りは

鉄道として維持することが極めて困難な路線、区間については、ご利用実態を十分検証したうえで、当社グループを事業主体とする鉄道以外の輸送モードの導入も含め、全体としてのサービス水準の維持・向上を目指します

と、必ずしも鉄道にはこだわりません、と宣言された部分に組み込まれちゃったようにしか見えません。

 「鉄道以外の輸送モード」はJR東日本とは資本関係がない岩手県北バスがすでに市場を支配しているとはいえ、ここへJRバス東北が新規参入すること自体は、規制緩和でバス路線の開設が免許制から許可制になった以上は可能と思うんですけど、そんな動きも……聞いたことがないですよね。


 もし、

地域の鉄道・バス事業者と連携した魅力的な広域観光の提供等に取り組みます。

と記しているとおり、「地域のバス事業者」岩手県北バスの機嫌を損ねたくない、というところまで考えて「鉄道の山田線を廃止してJR東日本グループでバス路線に参入する」という選択肢を除いているなら話は別ですけれども、それならなおのこと鉄道で本気を出さなきゃですよねぇ。


 たぶん、東京にあるJR東日本の本社で新宿駅を見下ろしながら机上の経営企画を作って世の中動かしてる気分になっている人たち(がいるのかどうか知りませんけど)は、こんな隠れた需要が眠っている路線があるなんて知らないんじゃないかなぁ。(推測)

 自分が今の勤務先に内定したとき、本社採用事務局の方から配属希望地を聞かれて「(青森県東津軽郡外ヶ浜町の)三厩」(←ちゃんと直轄の事業所がある)と答えたら「それはどこですか?」と言われたのに非常によく似ています。

 旧国鉄が、東京本社で北は稚内から南は枕崎まで面倒を見切れなかったのと同じ、としか言いようがないです。


 JR東日本も2〜3社くらいにもう一度分割したら? と思います。


 かく言う自分も106急行には乗ったことがないので、一度はそっちも乗りに来なくちゃエラそうな口をたたける立場じゃないんですよね。

 もし、実はバス1台でなお余る程度の流動しかない市場だったら、そんな小さなパイを鉄道とバスで奪い合ったところで列車がガラガラなのに変わりはないでしょうから。
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それでも「こんな新幹線」が欲しいのか

IMGP1245.jpg 青森から八戸行き普通電車に乗り継ぎました。

 青森駅を10:13に発車する電車の乗客をざっと数えたら40人弱。……大型路線バス1台で全員着席できる人数ですね。

 これを、来月4日からは「青い森鉄道」が引き継いで維持しなければなりません。

 過去、旧国鉄が「独立採算の企業体」としての意思とは関係なく「国策」で次々と作られた赤字線を押し付けられて破綻していった歴史がありました。

 これを踏まえ、「国策」としての「整備新幹線」を“ゴーイングコンサーン”であるJRが引き受ける際は、「上下分離方式」に似たような形でJRが「受益の範囲を限度とした貸付料」を国((独)鉄道・運輸機構)に支払い、平行在来線は経営分離できることになっています。

 そのうえで整備新幹線の建設費は、国が3分の2、地方自治体(都道府県)が3分の1を負担します。

 ……なので、地元自治体がOKしなければ整備新幹線は作られない仕組みです。


 で、この「整備新幹線」、JRが支払うのは「貸付料」……つまり、線路設備は国の財産です。

 日々のメンテナンスはJRがやりますが、設備改良は「大家さん」である国の仕事です。

 そして、「整備新幹線」は260km/h規格でしか造っていないのです。
(東北新幹線の盛岡〜八戸、長野新幹線、九州新幹線も同じ)


 何が言いたいかというと、やれJR東日本の試験車両「FASTEC」は360km/h運転を目指しているとか、やれ「はやぶさ」号の最高速度は320km/hだとか、世間の人は新幹線が300km/h以上で走る時代だと思っている(に違いない)一方で、実はそんな速度が出せるのはJR東日本が自前で線路を所有している盛岡までだ、ということです。

 マイホームはいくらでもリフォームし放題ですが、貸家を店子が勝手にリフォームできないのと同じです。


 盛岡〜新青森は「フル規格」と言っても、260km/hを超えて走ったら環境基準以上の騒音が出ちゃったり、先の列車に追突しちゃったりする程度の線路・信号設備なわけです。

#海外へ新幹線を車両だけでなく「システム全体として」売り込むのはこのため

 本当にそんな新幹線が、地元は「青い森鉄道」として路線バス1台で済む程度の乗客を乗せて走る在来線を引き受けてまで欲しかったのか……そりゃぁ、欲しいといって引き受けたから開業するのであって、自分の知ったことではありませんが。



IMGP1276.jpg それはさておき、八戸駅に停まっていた「青い森鉄道」の電車。

 すでに盛岡〜八戸の青森県部分(目時〜八戸)を引き受けて開業しているんですね。

 ……青い森鉄道のキャラ「モーリー」がとってもかわゆす!!
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へっぽこ特急「かもしか」号

IMGP1222.jpg って、自分が言ったんじゃなくて、香港在住の鉄道同人作家(♀)が言ってるんですから!

 ……自分も、一度乗ろう乗ろう、と時刻表と何度か格闘したんですけど、どうにもほかの列車が優先になってしまって乗らずじまいでした。


 来月4日のダイヤ改正から新潟〜青森の「いなほ」を秋田で系統分離して、八戸〜弘前の「つがる」、秋田〜青森の「かもしか」と合わせて再編することになっており、存続する列車名は「つがる」に決まったんです。


 乗ったことがない、と言っても、乗ってしまえば車内の様子や車窓は「いなほ」といっしょですからね……。。。(車体の色と、秋田から羽越本線で新潟方面へ直通するかの違いだけ)


 乗ってきた「あけぼの」と入れ違いに発車していくのを見て、自分は東北本線の八戸行き普通電車に乗り継ぎました。
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なぜか人気のある夜行列車「あけぼの」号

IMGP1190.jpg いま毎日運行の夜行列車って、「北斗星」「はまなす」「日本海」「あけぼの」「きたぐに」「サンライズ瀬戸・出雲」だけになっちゃいましたね。

 で、「あけぼの」号(上野〜秋田〜青森)は、なぜか廃止にならない夜行列車の一つです。

 とっくに秋田新幹線で秋田〜東京が直結されていても、来月4日のダイヤ改正で新幹線が新青森まで延びても、「あけぼの」号は廃止になりません。


 どういうわけか、乗車率が高いらしいんですよ。


 きのう未明に北海道から帰ってきたばかりだというのに、ついカッとなって「あけぼの」号のキップを買って乗ってしまいました。

 木曜夜だというのに下段はいっぱいで、上段です。


IMGP1197.jpg 「ゴロンとシート」という、寝台車をそのまま使って寝具なしで提供する代わり、座席料金で利用できる車両があります。……今回利用したのはそれ。

 “横になれる座席車”は、ほかの夜行列車でも「はまなす」の「カーペットカー」があり、こちらは枕と毛布が備え付けてあるうえ、床は電気カーペットなんです。「サンライズ出雲・瀬戸」の「ノビノビ座席」は枕の備え付けはありませんが、毛布はあります。

 強いて言えば「ゴロンとシート」はカーテンで「席」を全部隠せるところと、荷物の収納スペースが広い(特に上段)点が違いますが、寝るための列車で枕も毛布もないのはちょっと見劣りがする……気がします。

 でも乗る人がいるんですよねぇ。不思議です。


 一定の乗車率がある列車は、新幹線ができたからといってJRも廃止しないようです。……でも、客車が寿命を迎えたら、どうするんだろう。。。
author by よんなん
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