年末年始のドラマ3つ

 年末年始に放送された特番ドラマを3つ録画して見たので感想など。

志村けんとドリフの大爆笑物語(12/27放送 フジテレビ)

 志村けんがドリフの付き人になるところから、全員集合が終了するあたりまでの再現ドラマ。

 いかりや役の遠藤憲一と、加藤茶役の勝地涼の雰囲気がいかりやと加藤そのままで、役者ってすごいなぁと思うばかり。

 仲本工事役の松本岳はちょっとイケメン過ぎでしょうか。

 ドリフ大爆笑のOPやEDも再現していて、コントの再現も含めて、1回しか放送しないのにセットも含めてよく作ったなぁという印象。

 再現コントのあたりは何度も再生して見て笑いました。


笑点をつくった男 立川談志(1/2放送 BS日テレ)

 笑点の前身「金曜夜席」の企画から、笑点になって談志が降板して、落語立川流を立ち上げるあたりまでの話。

 談志のキャラが苦手な上司に重なって、あんまり楽しんで見られなかったです。残念。

 談志の妻役の篠田麻里子がかわいかった。以上。


潜水艦カッペリーニ号の冒険(1/3放送 フジテレビ)

 電車内の広告に出ていて気になったので録画して見ました。新聞にも紹介記事が載っていて、実話をもとにした話なんだとか。史実と違うところはWikipediaに載ってました。Wikipediaすごい。

 イタリア人捕虜と帝国海軍さんとその妹のお話。

 戦後76年経ったからしょうがないんでしょうけれど、戦中の物資が足りない雰囲気はあまり感じられなかったです。登場人物がみんなふくよかです。

 有村架純の裸シーン(といっても肩から上しか映ってないけど)があるとは、時代は変わりました。
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『医者が教える食事術』を読んだ

 ずいぶん前に通勤途上のエキナカ書店で見かけて(楽天ブックス)、そのうち読もうと思ってそのままだったのですが、近所の古本屋で見つけて思い出し、購入。350円(税抜)でした。

 中身は「ソースは自分が今まで読んできた論文(キリッ」と、根拠をあまり示していないので話半分くらいに読んだほうがよさそう……でしたが、内容の8〜9割くらいは身近な医者(父親、妻)の食生活に思いあたるところもあり、まったくのトンデモ本というほどでもなさそうです。

 特に強調されているのは「血糖値を上げない」ことで、私自身、父方にも母方にも糖尿病の親戚がいて、自分自身の人間ドックでも毎回HbA1cの値が基準値上限すれすれの身には、大きく参考になる点もありました。

 これまで血糖値を上げないためには「ベジタブルファースト」「低GIの食品を食べる」くらいしか知識がなかったのですが、ジュースがNGとか、ヨーグルトは食事の最初に食べるとか、新たな知見でした。

 もうかれこれ20年くらい、朝起きたらコーヒーとオレンジジュースを飲んで排便を促すのを習慣にしていたので、いきなり毎朝のオレンジジュースをゼロにするのは難しいですが、これまで毎朝180〜200cc飲んでいたものを、150ccにして、120ccにして徐々に減らし、いまは100〜110ccにしています。

 朝食時に飲んでいた野菜ジュースも、「野菜汁100%」のものを選んでいましたが、それでも成分表示を見ると糖質が高かったので、とりあえずトマトジュースに変えました。

 そうしたら、「朝食を済ませて家を出て電車に乗っただけなのにヘトヘト」ということが減った気がします。


 仕事中も、どうしても昼食から退勤までの間に甘いものをいくつか口にしていたのですが、血糖値の急上昇と急降下を招いて却ってよくない、とのことでミックスナッツを買ってくることにしましたよ。

 確かに、これまでは昼食後に社内の売店で買った甘いお菓子を15時過ぎに一つ二つつまんだだけではちっとも満足できずに、結局退勤までに一袋開けてしまうこともしばしばでした。


 今年の人間ドックは読み終えて数週間後だったので、今回コレステロール値が下がったのはさっそく効果が出たのか関係ないのかよく分かりませんでしたが、来年のHbA1cの値は少し楽しみにしたいと思います。
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『ずんずん式★壮絶メンタルトレーニング』を読んだ

 通勤途上の乗換駅にあるエキナカ書店で見かけて買いました。(楽天ブックス

 なんでこんな本を手に取るのかというと、うつ病になって1年半会社を休んだ挙句復帰してそろそろ7年が経とうというのに相変わらずうだつが上がらないからですよ決まってるじゃないですか。

 その間、むかつくベテランの先輩にはへこまされ、上司は取り合わないし、だからといって心がふたたび本当にへこむよりマシかもしれないとはいえ職場のロッカーをへこませて扉が閉まらなくなったり、我が家の風呂のふたをひん曲げたりしているようでは、先が知れているわけです。

 勤務先で社外へ出向して、特に欧米へ出向して戻ってきた面々は、業務の分量も精神面でもめっちゃハードだったみたいに言うわけです。

 まさかそんなハードなところに身を置いてやっていけるとは思えませんが、いまの職場にいたって上記のありさまなのに、理不尽のカタマリともいわれる本社で渡り歩いている人たちはどういうメンタルの持ち主なのか、スーパーマンなのか……と思っていたら、表題の本を本屋さんの棚で見かけてパラパラめくったら外資系企業で働くすごい人の話が書いてありそうだったので買ってみました。


 かなりくだけた言葉で書いてありますし、行間も広いですし、プロローグに「この本はたぶん読むのに1時間もかかりません」と書いてはありましたが……


 事例を読み進めれば読み進めるほど、過去の悪しき思い出が連想されてなかなかしんどい本でした。

 3連休に温泉に2泊3日して、真ん中の一番ごろごろぐだぐだする日(=一気に読み進められるはずの日)に読み始めたのですが、少し読んでは本を閉じ、さらに少し読み進めては本を閉じ、読み終えたのは帰りの電車の中、しかも夕飯にビールなんぞ飲んで半分いいかげんな頭で文字だけざーっとなぞってようやくでした。


 そりゃこんだけのことができれば、世界を渡り歩いて行けるだろうよ……


と思う一方、人事が流動的な世界で通用する話なのでは……? という気もしました。

 転職が活発な世界や、社内の人事異動がかなり多い世界での事例が多かったようにも思います。(使えない奴は消える世界)

 自分はついに現職まる5年ですし、その間に異動するのは上司ばかりという世界ではなかなかどうしたものか……仮に自分が使えなくて消える側にいるにしても、5年以上動いていないわけですから。
(そういう人ばかりが集められた部署なのかもしれないけど)


 とはいえ、真ん中からあとの部分の「リーダーかくあるべし」みたいな内容は、なんかちょっとは役に立つ日が来るといいなぁとのんきに思ったりする程度には、調子が復活してきた気もします。

(二度と浮上できない立場に追いやられているのにいいかげん気づけよ自分)
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『結果を出すリーダーほど動かない』を読んだ

 読む本は増えたのですが、読んだまとめを全然書いていなかったなぁと思って、だいぶ前に読んだ本ですが書きます。(楽天ブックス

 率直な感想は、「なんだよ、マネージャーが積極的に動かないと結果出ないんじゃないか、タイトルの嘘つき」でした。


 書店でタイトルを見たときは、プレーイングマネージャーになってはいけない的な内容の本かなぁと思っていました。

 実際に読んでみると、部下がちゃんと働くようにマネージャーが積極的に働きかけなさい、望ましくない行動をとっていた(サボっていた)らすぐに介入して声をかけなさい、実はマネージャーがするべきことは多いんです、みたいな内容でした。

 なんだ当たり前の話じゃないですか。


 「マネージャーはぶれてはいけない」という意味での「動かない」だったのかもしれません。

 結局さっさとブックオフの宅配買取に持って行ってもらいました。去年の本なのに買取価格は150円でした。
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『暴れん坊少納言』(全7巻)

DSC03631.jpg 帰りの電車で読んでいて、久々に作品に夢中になって降りる駅を乗り過ごしました。

 全部で7冊あるものの一番面白いのは初刊で、二番目に面白いのが「II」、以降、だんだんストーリーがズルズルしていくのが残念でしたが。


 それはともかく「ツンデレ娘+不器用男子」のドタバタものは個人的鉄板です!


 この作品は、休職をし始めた2010〜2011年の冬に、知人がマンガ本を大量に貸してくれた中に入っていたものです。

 時間だけはやたらあった休職期間でしたが、結局ちゃんと読めたのは『鈴木先生』だけで、この本は袋から出しただけで(少し目を通した記憶もあるような気がするけれど)楽しめないまま積んであったのでした。
(まだ袋から出してすらいないのがいっぱいある……申し訳なす)


 で、初刊を読んで電車を乗り過ごすほど夢中になってしまい、さっそく続きを……と思って知人がくれた本の山を見たら全7巻のうち「II」「III」「V」が欠本!
(休職中のどさくさでどこかやってしまっただけかもしれないのですが、すぐには出てこなかった)

 「II」が欠本とはもどかしい……と、探すのはそこそこにしてブックオフオンラインでポチってしまいました。作者の収入にならない入手方法で申し訳ないですが(元はといえば知人に借りた本ですし)1冊105円は「買っちゃったけど後で埋もれてるのが出てきた」となっても惜しくない値段でした。


 さて、古典なんか中学1年の「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」で挫折した理系人間にとって、マンガで枕草子やら紫式部日記のストーリーが読めるとは興味深い話……と思いきや、調べてみるとストーリーのほとんどがオリジナルだったという罠。

 ただ、歴史をもとにした作品で架空のできごとやら人物やら挿入するのはNHKの大河ドラマもやっていることなので、本当に学習のつもりで読みたかったら学研や小学館の学習まんが読んでろって話ですが。


 清少納言や中宮定子、宰相の君から赤染衛門に至るまでキャラ設定は悪くなかったですし、紫式部は初刊第5話の「同人の 元をただせば 十世紀」のタイトル通り(←このタイトルが作品全体のノリを表している気がする)、「II」以降も宮中の清少納言とは絡まず在野の同人作家である(宮中に入るのは清少納言が去ったあと)という設定でよかったんでは、という気がします。


 それと、初刊の最後に「おわり」とある(何より「1巻」という記載が本のどこにもない)ので、1巻完結のはずがそれなりに人気が出て「II」〜「VII」まで続くことになり、作者と編集者で人気も意識しつつ連載作品として続けていかなくてはいけないぬかるみにはまってしまったかのような印象です。
作者のブログによると終了時期は何度も変更があり、7巻で終えることは5巻の刊行時に決まったらしい…)

 と、あんまりいい印象がないかのような書評になってしまいましたが、本当にストーリーが泥沼にはまってる感があるのは最終巻の「VII」で藤原詮子が出てきて以降なので、大半の部分は楽しんで読める作品ではあります。

 ともかく、きちんと歴史や国語を勉強して「正史ではない」と知っておかないと、楽しめない部分が多すぎるってところでしょうか。……マンガを読むにも学校の勉強って必要なんだね。。。
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『まじめな時間 1』

DSC03411.jpg 「表紙買い」でした。(Amazon

 女子高校生が主人公の作品を表紙買いするのは「それ町」以来でしょうか。たぶん。


 この表紙の女の子(主人公)は第1話の冒頭でクルマに撥ねられて死んでしまいます。

 幽霊のお話です。


 ……といっても、おどろおどろしい話ではなく、ノリとしては「それ町」第2巻「それでも町は廻っている(前編)(後編)」の回でやはり主人公がクルマに轢かれて死んでしまっても相変わらずドタバタやっているのに近いです。
(ドタバタしか中身がない作品ではありませんが……)


 主人公が幽霊というフィクションならではの設定ではあるものの、どこにでもいそうな人が、誰もが考えそうなことをやっていて、こういう作品は好きです。


 さて、この作者の作品は初めて読むなと思ってましたが、調べたら『秒速5センチメートル』のコミカライズ版を描いた人でした。……読んでたよ。。。

 『秒速〜』(あれは新海誠のアニメが原作ですが)に引き続いて基本的にかわいい子を描く作風ではあるものの、こちらでは脇役の絵柄がたまーに山本直樹っぽくなります。……気のせいかな、、、


 「清家雪子」という名前でgoogle先生に聞いても過去の代表的な作品は『秒速〜』くらいしかない(あれは原作がすでにあった作品)みたいなのに、いきなりこんな作品が描けるものなのか、今まで何やってた人なんだろう(それこそ山本直樹のアシスタント?)、と気になりました。

 帯で谷口ジローが「さすが四季賞」と紹介しているのでそちらから調べたら、2000年に「アフタヌーン四季賞」を受賞したときには「銀峰瑞穂」という名前で描いていたそうです。

 過去の作品を掘り起こして読んでみようという気は今のところないものの、ただのコミカライズ担当(失礼)から少し気になる作家さんになりました。


 あ、この作品は1巻完結ではありません。連載は今年始まったばかりみたいで、続きが出たら買います。たぶん。
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「33歳、まだ処女」

DSC03388.jpg 『きょうは会社休みます。』という作品が気になりました。

 6月25日(2012年)付の読売新聞夕刊の書評欄によれば、もてないヒロインを主人公にした“喪女マンガ”が注目を集めているのだとか。

 で、記事で何冊か紹介されていた中で、この作品の主人公は33歳の「ヴィンテージ・ガール」……男か女かの別はさておき、なにやら親近感がわきそうな設定ではありませぬか。

 しかも、本屋で手に取ってみると、帯にはなんと表題の文字。……まじっすか! ますます境遇がががが(謎)


 実際に読み始めてみると、いきなり第一話で「コノウラギリモノメー!」と心の中で(←電車の中だったので)何度も叫びたくなるストーリーではありましたが。

 いや、まだ1巻だし、主人公も酔ってて覚えてないという設定だし、さすが集英社だけあってズバリそのシーンは描かれていないので、どうにでもひっくり返せるよね? よね? と一方的な期待はしているものの、、、2巻以降どうなりますやら。


 しっかし、第1話の終盤でいきなり職場の飲み会帰りに21歳のバイト君にお持ち帰りされるなんて、興ざめだわー。

 第1話の前半はよかったんだけどな……。。。


 あ、でも2巻は買います。(8月に出るらしい)
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『34歳無職さん』

DSC03003.jpg 書店で見かけて思わず買ってしまいました。(Amazon

 自分が今年34歳になるのと、今年1月まで病気休職で「(いい歳して)仕事もしないでゴロゴロ」していたのとで、タイトルに何となく親近感がわきました。

 主人公は勤め先の会社がなくなって、再就職先もなくはなかったけど1年間何もせずにいようと決めて無職の生活にはいります。

 読んで真っ先に気になったのは「収入」でしたが、自分が傷病手当金を手にしていたように、彼女は失業手当で暮らしているようです。


 さて、自分の休職生活との大きな違いは2つあって

・精神を病んでない
・本当に何もしてない(ように描かれている)

ということです。


 主人公が精神を病むことなく仕事のない日々を送っているのは、実はちょっぴりうらやましかったりします。

 自分の休職生活はいろいろネタに事欠かない日々でしたが、振り返ってみるとやっぱりどこかおかしかったように思います。(おかしいのは元からという指摘は却下)

 せっかくの1年半くらいの休みだったのにな。


 2番目は、ほんとにこれといった事件もできごとも起こらず(掃除機が壊れるとか、元同僚と飲みに行く程度)、淡々とした日常が描かれています。

 自分は休職中、何もしないでいるために休んでいたのに、1年半のあいだに2回ほど旅行らしい国内旅行をしてみたり、市議会選挙の運動員をやってみたり、鉄道模型づくりに精を出してみたり、部屋を直してみたり、何をやっておったのかと思うのと対照的です。
(もちろん自分も、数えれば何もしないでいた日のほうが多い……と思うんですけども…たぶん)

 あるいは、実は主人公にもいろいろできごとが起こっているのだけども、あえて何気ない場面を選んで描いているのかもしれません。

 たとえば、主人公は失業手当をもらっているなら職業安定所で求職活動(のフリ)をしているはずなのに、職安へ行く、という無職ならではの大事件が作中に出てこない、など。


 ところで、あとがきで作者(♂)が軽くふれているのですが、どうもモデルは作者自身らしく、モデルが男性でも主人公を女性にして作品って成り立つんだー、と作品の作り方、読ませ方として興味深かったです。……え、フィクションでは別にめずらしいことじゃないですかそうですか。

 とにかく、たぶん、主人公が男だったらリアルすぎて深刻すぎて買わなかったと思います。
(↑主人公に親近感ありなどと書いといてこういうこと言う人)


 それと、主人公すごいなーと思うのは、寝間着で過ごさず昼は服を着替えている(しかも部屋着っぽくない)ことと、フトンを頻繁に干していることです。

 ……家にこもる暮らしをしていると、着るものからだんだんだらしなくなっていくと思うんだよな。


 その辺はやっぱり、作者の脳内で補正がかかってリアル過ぎないように描いてあるのかもしれません。

 「淡々とした日々」が描いてあるようでいて、やっぱり実は全然淡々となんかしてないのかな。
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『地下鉄は誰のものか』

 東京都の猪瀬直樹副知事が、都営地下鉄を東京メトロと運営を一元化すべきであると書かれた本であります。(amazon.co.jp

 副知事が「地下鉄九段下駅の壁」とやらをマスメディアのカメラマンを引き連れて見せびらかしたりしていて何やらそういう主張を持っているらしいとは知っていたので、買って読んでみました。

 タカハシ視点で要約すると

(1)山手線内で営業を許された鉄道は地下鉄だけであり鉄道事業のみで儲かるに決まってる
(2)東京メトロは民営化された途端に遊休地で「ホテル」や「デパート」に「ワンルームマンション」「ゴルフ練習場」を始めた、投資をするなら「公共機関」として「まちづくり」に貢献せよ
(3)東京メトロはJR東日本よりも給料がずば抜けて高くてけしからん
(4)東京メトロの社宅は家賃が安すぎてけしからん
(5)東京メトロは「お客様」のほうを向いていなくてけしからんので、株主総会で言ってやった

(6)そもそも都営と営団の「2社体制」だったのは、地下鉄の整備を急ぐためであり、その目的は果たされた
(7)都営地下鉄の長期負債は確かに多いが都営線の収益だけで着々と返済できている。早期にネットワークが完成した営団地下鉄〜東京メトロと同じ道をたどっているのであり、東京メトロの収益性を害しない。

(8)「九段下駅の壁」は2社体制のせいで、一元化すれば解消される
(9)一元化すれば初乗り運賃を2度取られずに済む

 まぁ、大いに賛同できるのは、(5)とせいぜい(3)くらいですかねぇ。(ぇ

 あとは、「副知事のおっしゃりたいことは分かりました」という程度です。

 (8)(9)に至っては、ウソつくな、悪質な煽動だ、とすら思いました。



 以下、ずらずらと書き連ねます。

 そもそも会社にも行けないでいる社会人として失格の自分(そもそも都民ですらない)に、副都知事様につまらんツッコミをする資格があるのか甚だ疑わしいところではあるんですが。

 とはいえ、鉄道マニアとして自己満足的に(←重要)書きます。



 まず第一に、副知事様ともあろうお方が何を小さいことを言っているのか、と思うわけです。

 東京メトロは鉄道事業だけで儲かるくせに駅のバリアフリー化すら差し置いてワンルームマンションなんか建てている場合か、売り払って東京の地下鉄運営に徹するべきだ、さもなくば「公共機関として」ホテルやデパートではなく保育所や高齢者・ファミリー向け住宅を造るべきである、と「書くだけ」「騒ぐだけ」だなんて、あなた本当に首都の副知事ですか。

 ただの「評論家」、さもなくば野党勢力と言ってることやってることが同じですよ。

 そもそも東京都は東京メトロの大株主(46.6%)で、メトロが稼いだ収益から毎年40億円ほどの配当を受け取っている(50ページ)のです。先の不動産投資の話だって、東京都は副社長や常務を送り込んでいる立場じゃないですか。

 民営化した以上、公務員とは違いますから「稼いだ分は自分にも返ってくる」とばかりに、そりゃぁメトロ社員諸君は知恵を絞りますって。……事実、営団地下鉄時代は長いこと「資材置場」として放ったらかしだった土地が利益を生み出し、それが、東京都への「40億円ほど」の配当金の一部にもなっているのでしょう?


 「バリアフリーよりも不動産ビジネス」などと題して、相変わらずの「非権力側の作家」を気取ってなんかいないで、まずは大出資者である東京都の副知事という責任ある立場としてまともな取締役を送り込み、株主総会では「株主にももっと還元せよ」と主張をして、それをもって都民に還元したらどうなのか、そのほうがよほど現実的だと思うんですけれども。

 地下鉄ビジネスと私鉄ビジネスの違いを説明するのに延々と歴史に触れてますけど、なんのために誰がどうやって早川徳次から地下鉄を取り上げたのか、一番分かってるんじゃないんですか。


 とはいえ、現在の東京メトロをまるごと擁護する気にもなりません。

 東京圏の人口は2015年まで増加が見込まれてますが、それ以後はすでに日本の人口が減り始めているように減少することが予想されているわけで、せっかく株式会社化されて営団時代より経営の自主性・自律性・自由度が増したというのに何をしているのか、資産運用といったって所詮は東京の中で満足してるだけじゃねぇかと、私なんかは思うわけです。

 香港の地下鉄会社、「香港鉄路有限公司」を見てごらんなさいよ。

 香港内の交通事業を独占するに飽き足らず、海外の地下鉄運営までやり出してます。

 これからは、インフラを輸出するだけでなく、完成後の運営も受注する時代です。

 逆に、東京都さんがもう地下鉄を自前でやりたくないと言うなら都営地下鉄の運営を(有料で)請け負います、と都庁へ営業しに行くくらいの気概が欲しいですね。

 メトロにやる気がないならウチの会社でやっちゃいません?>各位


 二番目に、「副知事は最終的に何を目指しているのか」が分からないんです。

二つの地下鉄は同じように税金を投入してつくられたにもかかわらず、住む場所によって運賃が大きく違うのは不公平である。(20ページ)

 「住む場所によって運賃が違うのは不公平」、その解決には「一元化」しかない、それを言い始めたら、すべての鉄道をすべて一元化して一律運賃にしないと満足できない話になります。

 それでいて、足元の東京都交通局の中で都営地下鉄と、都電、日暮里・舎人ライナー、都バスの運賃が別なのには(なぜか)触れていません。

 日暮里・舎人ライナーは初乗りこそ都営地下鉄より10円安い160円ですが、運賃の上がり方は都営地下鉄以上に激しくて終点まで10キロ足らずで320円取るじゃないですか。

 都電は全線160円均一ですが、同じ都営の地下鉄やバスを乗り継いでも初乗り運賃をもう一度取っているでしょう。


 都バスは出発地から目的地まで直通する系統がなければ、乗り換えをさせられる挙句にもう一度200円取られる仕組みです。


 それこそ「不公平」と言うんじゃないんですか。副知事。

 本当は、何がしたいんですか?


 (何が目的か分からないが)都営地下鉄と東京メトロを(とりあえず)くっつければ「利用者のため」、それさえできれば万々歳、としか読めないから、「近視眼的」だと言うんです。


 副知事は道路公団を民営化させた人でもありますけど、道路公団は(はるか遠い将来に)債務を償還したら解散して高速道路が無料になるはずだったんです。……民間会社になった以上、将来会社を消滅させるような経営を、誰がするもんですか。

 “無駄な高速道路”とやらは「新直轄方式」でつくられることになり、結局何が目的だったか分からずじまいのまま、少なくとも「黒字路線」なんか二度と無料にならない仕組みをこの人はつくりました。

 こんどは都営地下鉄と東京メトロを、東京都交通局ですらやっていないことを掲げて「一元化」「一元化」と書き立てて、「東京の公共交通機関」をどうしたいのでしょうか。


 あとは各論になりますが、錦の御旗のように掲げている

東京メトロと都営地下鉄を一元化すると、どちらかの運賃体系に合わせなければならない。(180ページ)

は大ウソです。

 東京都交通局の中ですら、運賃体系が一つになっていないことは触れました。

 ほかにも、千葉県にある「京成千原線」。……これはもともと「千葉急行電鉄」という独立した鉄道会社だったのが立ち行かなくなって京成電鉄に「一元化」されたものです。

 ところが、猪瀬副知事が言うような「運賃共通化」は「一元化」では実現せず、千葉中央駅を境にもう一度初乗り運賃を取られる仕組みになっています。


 逆に、JR旅客6社はそれぞれ独立した(特に上場3社は資本関係すらない)会社であるにもかかわらず、初乗り運賃は1回払えばよいのです。
(運賃そのものは「電車特定区間」「幹線」「地方交通線」の3本立て+北海道・四国・九州の割増運賃で、全国一律運賃ではない)

 経営を一元化したからといって運賃を共通にするいわれはありませんし、逆に、経営が別でも運賃を共通にして運用している例もあるわけです。


 また、散々メディアに見せびらかした「九段下駅の壁」は「経営一元化」「二重改札の解消」をしなければ取り払えないのでしょうか?

 現在、JR新潟駅で行われている在来線の高架化工事が完成すると、新幹線と在来線が同一ホームで乗り換えられるようになります。(参照

 新幹線と在来線の間には壁と改札を置く(はずな)ので、「仕切り壁に阻まれているため、階段を昇り降りしてさらに改札を二つ通り抜けてから乗り換えなければならない」(24ページ)とは「うそ・大げさ・まぎらわしい」にもほどがあります。

 経営一元化などと大騒ぎをしないでも、何か所か壁をブチ抜いて「乗り換え改札口」を置けば実現する話です。……そんな程度の話ですから、わざわざ「遠回り」するように造ってあるのには別の理由もあるのだとは思いますが。


 それよりなにより、九段下駅で「壁」を隔てて実は同じホームだというのは、都営新宿線の「新宿方面」と半蔵門線の「押上方面」のホームです。

 路線図を見れば一目瞭然ですが、新宿線で本八幡方面からやってきて、半蔵門線の押上方面へ乗り換えるのは来た方向へ戻るようなもので、果たしてどれだけ需要があるのか聞いてみたいものです。

#仮に同じ東京メトロ線だとすれば、そもそも九段下〜神保町が折り返し乗車となって、認められない乗り継ぎになる

 半蔵門線→新宿線への乗り換えを想定しても、市ヶ谷・新宿三丁目・新宿へは手前の永田町や渋谷で有楽町線や丸ノ内線、副都心線に乗り換えれば行くことができるので、九段下駅で乗り換えるのは「遠回り」となります。

 恩恵を受けるのは半蔵門線に渋谷方面から乗ってきて、新宿線の曙橋駅へ行く人くらいでしょう。これだって、逆のルートはどのみち階段の昇り降りを伴うのです。……「大山鳴動してネズミ一匹」とはこのことを言わずに何を指して言うのでしょうか。


 副知事が何を目指したいのかが分からないので、なぜ「都営地下鉄と東京メトロ」で経営統合させたいのかが分からない主張であり、一冊であります。


 別に、“山手線内での営業を許された鉄道”という尺度なら一元化する相手はメトロじゃなくても「都営地下鉄とJR東日本」だっていいはずですし、三社一元化を目指したっていいかもしれません。

 また、路線としての実態を鑑みれば「都営新宿線と京王電鉄」「都営三田線と東急電鉄」「都営浅草線と京成電鉄・京急電鉄」「都営大江戸線と東京メトロ」だっていいと思うんですよね。


 首都をつかさどる地方政府のナンバー2として、どんな展望を思い描いているのか、それを一切明かさずにやたら東京地下鉄株式会社をスケープゴートにして「九段下の壁」だの何だのと騒ぐだけなのは、この人が道路公団を民営化させて「実は永久に無料にならない」仕組みをつくったのと同じように悪質です。


 社宅の家賃に至っては

メトロの社宅に41平方メートル2DKで家賃10300円というものがあった。梅崎社長は世間相場をご存じないようだ。

「恐縮ですが、一万円というケースというのは他社にもありまして、非常に古い施設ですね。ですからメトロだけということではないと思います」(タカハシ注:梅崎社長)

いいえ。メトロだけです。(73ページ)

いいえ、「社宅」や「公務員宿舎」としての世間相場をご存じないのはむしろ副知事でしょう。

誰のための地下鉄か。職員のための地下鉄か。(60ページ)

 いや、いろいろな方面から漏れ聞く限りでは、メトロの社員はかなり歯を食いしばって働いているようですから、がんばった分の賃金と福利厚生はあっていいと思いますよ。
author by よんなん
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「最後の忠臣蔵」「相棒II」

IMGP1858.jpg 新聞屋さんがくれた楽天地シネマの券で映画を2本見てきました。

 高崎の新聞屋さんはついぞ映画の券なんか1枚もくれなかったんですけど、新居でとり始めた新聞屋さんはこれで2回目です。(嬉)

#1回目は見に行けないまま期限が過ぎてしまった……ごめんなさい新聞屋さんorz

 1本目は「最後の忠臣蔵」。

 客の入りは写真のごとし。……って、平日の朝1回目(9:40〜)ですからね。

 四十七士のうち寺坂吉右衛門は切腹を逃れて生き延びた、とは、自分も小学生の頃から知っていて(←ひけらかし)、映画でも冒頭から登場するその寺坂(佐藤浩市)が主人公かと思いきや、実はなんとまさかの脇役!!

 役所広司と桜庭ななみが主役みたいなもんで、これで最後ハッピーエンドだったら「釣りバカ日誌」並みに面白くないな……と思ったら、良くも悪くも期待を裏切ってくれる結末でした。

 製作総指揮はアメリカ人のようで、テレビ東京で昼の2時からやっている洋画枠にはバッドエンドも珍しくないのを考えると、さもありなんといったところでしょうか。

 それはそうとこの作品、実は6年前にNHKが「金曜時代劇」で一度ドラマ化しており、DVDになっているそうなので、TSUTAYAで探してみましょうかね。


 2本目の「相棒II」は、平日昼だというのにかなり人が集まりました。

 おばちゃん方に人気とは耳にしていましたが、この集客力はすごいなぁ。……って、水曜日はレディースデーだから戸籍上女性なら(失礼)1000円なんですね。


 そうした客層の期待に応えてのことか、及川光博のシャワーシーンがありますよ。


 自分はそういうのには興味がなく、映画版ゲストで警視庁副総監役の國村隼を見ては「交渉人真下正義」では地下鉄総合指令室の「指令長」役だったのを思い出して、こういうの当たり役なのかなー、と思いきや、ぜんぜん違う役どころでした。(見てのお楽しみ)

 テレビ朝日の刑事物というと「西部警察」みたいな痛快なのが思い浮かぶ自分としては、あんまりこういう「警察官僚」のドロドロしたのって見たくないんですけど、実際のところどうなんでしょうねぇ。

 キャリアとかノンキャリアとか。

 西部警察にも、木暮課長(石原裕次郎)や沖田刑事(三浦友和)といった、キャリア組は出てはきますけど。


 ところで杉下右京(水谷豊)の口グセ「はいー?」は、面々の反感を買わないのかな。

 自分も学生時代、「は?」が口グセで、教育実習先の中学校で生徒から指摘されて以来、気をつけるようにしています。。。


 話は映画に戻って、最後はやっぱりまさかのどんでん返しがあります。

 「おかしいなぁ……」「殺されるなら君(=杉下)にだと思っていたのに
(↑ネタバレなので見たい人はドラッグして反転させて見てください)

 このセリフ、小野田公顕……というか岸部一徳らしいですねぇ。


 それはそうと全然関係ないんですが、冒頭に流れた別の映画の予告編に出てきた田畑智子がセーラー服姿……って、30歳で高校生役ですかッ!

 菊地凛子もびっくりだよ!
author by よんなん
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