ホテルニュー塩原へ行ってみた(1)

 いつぞやの「マツコの知らない世界」で「三大CMホテルの世界」として、ホテルニュー塩原、ハトヤホテル、ホテル三日月が取り上げられていたのを見ました。

 このうちホテルニュー塩原は経営破たん→ファンドに譲渡→さらに大江戸温泉物語に譲渡されて、いわゆる居抜きホテル(と私が勝手に呼んでいる)として比較的手ごろな値段で泊まれるホテルになっていました。

 居抜き温泉旅館といえば、伊東園ホテルが新聞折り込みチラシをよく入れていて、1万円でお釣りが出る値段でお酒も飲み放題な夕食バイキングつきの1泊2食で泊まれるイメージが強いです。


 伊東園は平日も休前日も同じ値段ですが、大江戸温泉物語は需要に合わせて値段を設定しているようで、週末よりは平日が比較的お得のようです。


 そこで、有給休暇の消化もかねて春分の日の3連休の翌日に休暇を取り、連休最終日+平日で出かけてきました。

 ホテルニュー塩原には本館と湯仙峡(ゆ〜せんきょう)、B&H館(新館)があって、本館の和洋室(1室2名)を選びました。

 プランは平日のみ設定がある「2名3名でお得! 室数&お日にち限定!とくとくバイキングプラン」(1人8,400円)を選びます。……低層階の部屋を割り当てられる代わりに「スタンダードグルメバイキングプラン」(1人10,600円)よりお得な設定です。


 首都圏からの有料往復送迎バスもある(松戸発着の場合1人4,320円)のですが、チェックイン15:00〜、チェックアウト〜10:00のところ、バスのホテル着が12:40、ホテル発が13:30ということもあってこれは使わず、那須塩原駅からの無料送迎バス(1日4便)を使うことにします。

DSC08543.JPG で、那須塩原駅からの送迎バスです。マイクロバスというのが少し衝撃ですが、休前日ではないのでそんなものなのかもしれないです。ナンバーが「1126」というのは「いいふろ」の語呂合わせでしょうか。……そういえば大江戸温泉物語の特典つき会員制度は「いいふろ会員」ですね。

 国道400号線を塩原温泉へ向かいますが、とんでもない山道を40分ほど走ります。

 破たん前の岡部グループは伊東と鬼怒川に系列ホテルを持っていましたが、鉄道でアクセスしやすい伊東や鬼怒川はともかく、こんなところ(失礼)に大規模ホテルを作って首都圏でCMをじゃんじゃん流して団体旅行が大挙してやってきていたのかと思うとにわかには信じられないものです。実際のところはどうだったのでしょう。


 チェックインして部屋の鍵を受け取ります。荷物を運んでくれる仲居さんやベルボーイは(当たり前ですが)いません。……意外にも宿泊料の支払いはチェックアウト時だそうで、前払いが過半なビジネスホテルに慣れた身には新鮮です。

DSC08546.JPG 部屋は、眺望がっかりプラン(意訳)の期待に反して渓谷側を割り当てられました。……本館そのものが湯仙峡やB&H館に比べて高い場所に建っていて、低層階でも悪くない眺めです。

 和洋室なのでタタミのほかにベッドがあって、ベッドメイクはすでに済んでいます。……布団の上げ下ろしを省くためのしくみだと思いますが、内装のくたびれ度合いから察するに、大江戸温泉物語がこのような部屋にしたのではなくて岡部グループのころからこういう部屋のようです。

 衝撃だったのは、部屋の座布団が経営破たん前の岡部グループのものだということです!

 まさか破けたり汚れたりしても、また同じものを作りなおすこともないでしょうし、いわゆる居抜き出店で大きくリニューアルするのかと思いきや、お金をかけるところとそうでないところは徹底的にメリハリをつけているようです。

 ほとんど使う人がないであろう、部屋にある小さなお風呂もまるでお化け屋敷です。

 一方でお手洗いは、部屋のものも共用スペースにあるものも、新しそうな温水洗浄便座がついて壁紙も替えられてかなりきれいでした。
(同行者は、部屋のお手洗いに換気扇がなかったと言ってましたが自分は気づきませんでした……)

 あとでショックだったのは、同行者ともども部屋のコンセントにつないでおいたスマホが全然充電できていなかったことです。つなぐと一応充電が始まるので電気は来ているようだったのですが、埋め込みの電気配線はかなり傷んでいるのではないかと思います。
(使わなかった冷蔵庫のコンセントを抜いてそちらから充電すればよかったか…)


DSC08557.jpg 夕食バイキングはまずまずの内容(優良可不可でいえば「良」)でしたが、とちおとめ(いちご)はバイキングで供されるものとは思えないくらいおいしかった! ……期間限定のようでしたが、夕食バイキングで一番おいしかったのはイチゴでした。

 あと、伊東園ホテルのイメージで居抜きホテルの夕食バイキングといえばアルコール飲み放題が当たり前だと思っていたのですが、大江戸温泉物語系列は基本的に別料金だそうで、ホテルニュー塩原の夕食でお酒飲み放題なのは今月いっぱいまでのキャンペーンだったと後で知りました。。

 お酒は(飲み放題だったからか)それ相応のものしか置いてなかったようで、ビールが一番おいしかったですね……。

 残念ながらコーヒーは全然おいしくなかったです。デニーズのホットコーヒーのほうが断然マシだったよ!

 それ以外は、(とびきりおいしいわけではないもの)まぁまぁ悪くないレベルのものが好きなだけ食べられるので、家族とかグループにはよさそうですね。


DSC08596.JPG 朝食バイキングはフレンチトースト食べ放題がうれしかったです。……とちおとめがバイキングに出るのは夕食だけだったようで、それはちょっと残念でした。

 夕食でてんぷらが出るのに麺類はうどんだけ、逆に朝食ではそばがあるのに揚げ物がない、というのも、少々ちぐはぐだった気がします。


 なんだかんだ言いつつ平日料金なら1万円でお釣りが出るのですから、かなり満足度が高い部類だと思います。
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「いちかわエフエム」継承のあり方の私案(2) というかハードルの話

 きょうは官報に告示されていた「市川エフエム放送株式会社」の債権者集会の日でした。

 私は債権者ではないので出席する資格もありませんでしたが、破産管財人の先生から破産財団の換価の見通し(≒放送局事業の譲渡のめどの有無)について、どのようなお話があったのかとても気になるところです。


 継承のあり方は前の記事に書いたようなことをなんとなく考えていました。

 元のスタッフで会社なりNPO法人なりを作り、放送局の収益で必要な経費をまかなえないぶんは、主に社会人のスタッフに協力をお願いするほかに、「応援団」を組織してリスナーからも寄付を募ることが主眼です。
(もちろん、スポンサー収入で経費をまかなえれば言うことありませんが)


 ただ、最大のネックは「誰が中心になってやるのか」です。


 新事業体で放送局の免許を引き継ぐには、単に元の会社と事業の売買契約を結べばよいのではなくて、総務省の審査があります。

 そろえなければならない書類もありますし、スポンサー候補との交渉も必要になるでしょう。

 ……総務省に顔を出すにも、まず想定されるスポンサー=放送エリア内の自治体などへ足を運ぶにも、平日の昼間に時間がなければいけません。

 仮に平日に休みが取れる人でも、会社勤めの方は勤務先の副業禁止規定との兼ね合いも出てくるかもしれません。


 私自身は、勤務先の副業禁止規定以前の話として月〜金勤務のサラリーマンですから、仮に副業云々をクリアしたとしても、官公庁との打ち合わせがあるたびに休暇をとるか、あるいは会社を辞めるかしかありません。

 立ち上げ時点のお金ならいくらか集まるだろうとは思いましたが、平日に自由な時間がある人がいるだろうか……というところで、私は見つけることができず断念しました。


 学生時代の知り合いには、いったん勤め先を辞めて他人の起業を手伝って新会社が軌道に乗ったら元の会社に再就職をした、という方が何人かいるのですが、残念ながら私のいまの勤務先はいったん辞めたら再就職の道はほぼない(いったん辞めた人を再度採用した話を聞いたことがないうえに、中途採用の募集要項を見てもいまの私の業務ジャンルは募集がない)ので、その点もある意味でネックでした。

 退路を断って本気で放送局の再建に臨むにはよいのでしょうが、今後の生活を考えると二の足を踏まざるを得なかったのも正直なところです。
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「いちかわエフエム」継承のあり方の私案(1)

 3月になり、破産手続中の市川エフエム放送から事業を継承する意思を管財人の先生あてに表明する一つの区切りが過ぎました。

 私は残念ながら仕事を辞めて取り組む決心はできず、志を同じくする方も見つけられず、意思表明は見送ることにしました。

♯この件をかなり思い悩んだからかどうか、先週末に白髪が数本見つかりました、、、まだ30代なのに、なかなかショックでしたよ…!

 心ある方に引き継いでいただき、ふたたび83.0MHzで、市民のボランティアスタッフ=放送エリアに住む人と等身大のパーソナリティが話す身近な話題を聴けたらどんなにいいかと思います。


 もし名乗り出る事業体がなければその時点で事業継承の可能性はなくなり、破産管財人の先生によってすみやかな清算処理が始まるでしょうから、そう遠くないうちに屋外にある送信アンテナが撤去されてそれで分かると思います。

 もし何らかの事業体が引き継ぎに手を挙げて免許の継承に取り組まれるなら、早ければ夏ごろ、遅くても年内には83.0MHzから再び何かが聴こえ始めるのではないか……と楽しみにしたいです。


 それで、上で「志を同じくする人」と書きましたが、どんな継承のあり方を考えていたか、書こうと思います。

 手を挙げなかった以上、もはや私の妄想です。


 基本的なスタンスとして、元の放送局と同じくボランティアスタッフ中心のワンマンパーソナリティによる番組を主に編成します。
(それは、元あった放送局と同じような番組、できれば元の番組の続きを聴きたいからです! ……文句あるか!)

 事業として継続するには、運営に必要な経費は収入でまかなわなければいけません。

 ……元の会社は赤字経営続きだったという新聞報道でしたから、スポンサー料だけではまかなえなかったということでしょう。(新聞によれば市川市の広報番組の放送料は年およそ200万円とのことでした)

 さらに開局時の資本金7,000万円から破たん時点で1億3,000万円に増資されていましたが、総務省のWebサイトの情報から増資分はほぼ社長個人による拠出だったことが分かります。
(放送局はその事業内容から、1割以上出資する個人や法人の名前が監督官庁によって公開されています)

 そうして家一軒買えるくらいの私財を投じて赤字をつぐない、ボランティアスタッフに番組をやらせてくれた方はもういないわけです。


 後継の事業体では、さらなるスポンサー獲得に営業を強化する一方で、ボランティアスタッフから一定の拠出をつのることも考えなければならないでしょう。

 私自身、学生時代の4年あまりにわたって放送の現場に立つ経験が得られたのは、実は身を削り続けて赤字を埋めていた経営陣がいたからだったわけです。

 同じようなお大尽がどこかから現れてくれるのを期待するか、自分たちでお金を出し合うか……まずは後者を考えなければいけないだろうと思うのです。

 じゃぁボランティアスタッフがそれぞれスポンサーになって番組枠を買って放送をするのか、というと難しいですが、特に社会人パーソナリティの方々を中心に負担をお願いすることは考えてもよいのではないかと思います。

 さらに広く、「いちかわエフエム応援団」みたいな組織を作ってリスナーから会費をつのり、応援メッセージをCMという形で流すことができればいいと思います。


 さてそうしたときに、お金を出しやすくするしくみがあるとよいです。……手っ取り早いところでは「お金を出すと税金対策になる」というのが分かりやすいでしょう。

 事業を営んでいる方はスポンサーになればCM料金は損金にできるでしょうが、一個人がたとえば応援団の会費を払ったからといって税金の控除を受けることは難しいです。

 そこで、運営主体をNPO法人として、5年後には「認定NPO法人」となることを目指します。(一般財団法人でスタート→公益財団法人へ移行でもよいです)

 認定NPO法人に寄付をした額は寄付金控除を受けることができます。……少額の寄付はもちろん、もしも「お大尽」のような方が現れたとすれば、放送局にお金を出すこと=税金対策になります。


 もともとコミュニティ放送局という事業はそう簡単に黒字が出るようなものではなく、元の会社の経営陣がそうしたように赤字を償いながら事業を継続することも想定しなければなりません。

 そういう事業を営むなら、株式会社よりはNPO法人が合っているのではないかと思います。……現実に、NPO法人が運営しているコミュニティ放送局もかなりあります。


 破産処理というなかでの事業譲渡ですから、NPO法人を設立する審査を受けている時間があるのかどうか、という問題もあります。

 その点は、いったん株式会社で引き継ぎ、並行してNPO法人の設立を準備して新会社からNPO法人にさらに引き継ぐことも考えてよいのではないでしょうか。

(続く……かも?)
author by よんなん
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