「かしま号」に乗る

 JR鹿島線は特急「あやめ号」があったのも今は昔、現在は普通列車が2時間に1本しか走らないローカル線になっています。

 対して盛況なのは高速バス「かしま号」で、運転間隔は10〜20分おき、定期券まで発売されています。

 一度乗ってみようじゃないか、と娘を連れて東京駅13:40発の鹿島神宮駅行きに乗りました。

 窓際に座りたいなと10分後の13:50発を考えましたが途中の鹿島セントラルホテル止まりなので、そのまま13:40発に乗ることにしてバスのステップを上がると運転手さんから「お子さんは膝ですか?」と聞かれます。……高速バスは定員制なので席に座らせると答えると子供運賃を取られるのかと考えて「膝(の上)です」と答え、運賃箱にSuicaをタッチするとその場で1,950円が差し引かれました。乗るときに一度タッチして降りるときに再度タッチして運賃を引かれると思っていましたが、東京駅を出たらどこで降りても運賃が同じならそれでよいのでしょう。

 窓際は一通り埋まっていて、娘の手を引いて通路をウロウロしていたら、親切な方が席を代わってくれました。

 発車まで娘をひざの上に乗せていましたが発車の時点で満席にはならず、周囲には通路側の席に荷物を置いている人もいるので、娘を窓側席に座らせて自分は通路側に座りました。乗客数は30人くらいでしょうか。

 発車後のアナウンスで京葉道路が渋滞していること、首都高湾岸線も渋滞していて迂回せず京葉道路を進むこと、大幅な遅れが見込まれることが伝えられます。そういえば東京駅のバスターミナルでも、成田空港での航空便への乗り継ぎは保証しない、時間を気にする人は鉄道を、というようなアナウンスが流れていましたっけ。

 首都高はまぁまぁ流れていましたが京葉道路はひどい渋滞で、娘はさっそく退屈してしまったようです。ようやく渋滞を抜け出たのは花輪ICを過ぎたところで、東京駅を出発して1時間が経っていました。

 宮野木から東関東道に入ったあたりで自分も寝てしまい、起きたらちょうど茨城県に入るところで水郷潮来に到着。広い駐車場を併設したパークアンドライド型のバスターミナルで、ここで10人ほど降りました。

 水郷潮来を出発したのが15:40ごろで、鹿島線の電車なら潮来駅から鹿島神宮駅まで10分ほどなので、16時ごろには着くんだろうかと思っていたら、次の鹿島セントラルホテルを出たのが15:50。

 そこで「Yahoo!路線情報」を開いて途中停留所の時刻を見たら、ちょうど40分遅れているようです。

 次の鹿島製鉄所は降車がなく通過しましたが通過したのはそこだけで、しかも降車のたびにトランクの開け閉めがあって遅れは増し、15:40着予定だった鹿島神宮駅のロータリーに入るころに、乗るつもりだった16:22発の大洗鹿島線が高架線を走って行ってしまうのが見えました。orz

 車内は鹿島セントラルホテルでさらに10人ほどが降りて、通過した鹿島製鉄所を除いてそれぞれ1組ずつ降車してゆき、終点の鹿島神宮駅で降りたのはおじさん1人と私達2人だけでした。……1本あとが鹿島セントラルホテル止まりで鹿島神宮駅まで行かないのも納得です。

 Gooogleマップのタイムラインを見ると、水郷潮来から神栖市を迂回して鹿島神宮駅へ向かっていて、鉄道のイメージと裏腹に潮来から鹿島神宮へなかなか着かなかったのも道理です。

 前に時刻表を見て、鹿島神宮7:40発の鹿島線に乗れば、佐原で成田線、佐倉で特急「しおさい8号」にそれぞれ1分で接続して東京駅へ9:30着、と高速バスより10分速い1時間50分で到達できることを見つけ、鉄道の利便性も悪くはないんだなぁ……と考えたこともありましたが、過半の需要が水郷潮来バスターミナル(潮来駅から徒歩約50分)や鹿島セントラルホテル(=神栖市の中心地)にあるのでは、そもそも話になりません。

 もし比較しようとするなら鹿島神宮駅〜東京駅ではなく、JRの潮来7:52発→(乗り継ぎ)→東京9:30(運賃+特急料金=3,000円)と、かしま号の水郷潮来7:55発→東京駅9:35(運賃1,950円)で、今回経験したような渋滞さえなければ所要時間は2分しか変わりません。

 潮来市も、鹿島線の駅ではなく水郷潮来バスターミナルにパークアンドライド用の市営駐車場を整備している時点で、鉄道と高速バスのどちらに重きを置いているのかは一目瞭然です。

 50年以上前に、鹿島線をどうして小見川駅から分岐して神栖駅を通るように作らなかったのだろうなぁ……と思います。

 現在神栖駅から越谷や東京貨物ターミナルへ向かう貨物列車は、わざわざ北へ向かって鹿島サッカースタジアム駅で鹿島線に乗り入れているのですから、そのまま南へ向かって小見川から成田線に入ればいいのにと素人の私は地図を見て考えてしまうのですが、鹿島線の工事誌でもひも解いてみないと分からない話です。
author by よんなん
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「田舎者」とは

 数年前、埼玉県内の第三セクターで、出資者のひとつである大企業出身の男性社長が酒の席で女性社員を「田舎者」と揶揄するなどして更迭されたニュースがありました。

 しかし大都会埼玉の人間をつかまえて「田舎者」呼ばわりとはどういう感覚なのか、理系人間の自分にはさっぱり分かりませんでした。


 さて、現在、横山光輝の『三国志』を読んでいます。

Screenshot_20240306.jpg その第12話(第3巻)で、都から視察に来た役人の「もてなし方」を劉備玄徳が役人の付き人に尋ねるくだりで

「私は田舎者ゆえ都の役人のもてなし方を知りませぬ」

と教えを乞うセリフがありました。

 この場面で「もてなす」とは賄賂をおくることだと教えられるのですが、なるほど冒頭に挙げた大企業からやってきた社長は、部下に向かって「子会社の女性社員は酒の席で親会社からやってきた男性社長を『もてなす』ものだと知らないのか」という意味で「田舎者」呼ばわりしたのだろうかとようやく分かりました。

 どういう「もてなし」を望んでいたのか知る由もありませんが、想像するに職場の懇親会でそんなことを言われるほど気分の悪い話はないです。
author by よんなん
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