「田舎者」とは

 数年前、埼玉県内の第三セクターで、出資者のひとつである大企業出身の男性社長が酒の席で女性社員を「田舎者」と揶揄するなどして更迭されたニュースがありました。

 しかし大都会埼玉の人間をつかまえて「田舎者」呼ばわりとはどういう感覚なのか、理系人間の自分にはさっぱり分かりませんでした。


 さて、現在、横山光輝の『三国志』を読んでいます。

Screenshot_20240306.jpg その第12話(第3巻)で、都から視察に来た役人の「もてなし方」を劉備玄徳が役人の付き人に尋ねるくだりで

「私は田舎者ゆえ都の役人のもてなし方を知りませぬ」

と教えを乞うセリフがありました。

 この場面で「もてなす」とは賄賂をおくることだと教えられるのですが、なるほど冒頭に挙げた大企業からやってきた社長は、部下に向かって「子会社の女性社員は酒の席で親会社からやってきた男性社長を『もてなす』ものだと知らないのか」という意味で「田舎者」呼ばわりしたのだろうかとようやく分かりました。

 どういう「もてなし」を望んでいたのか知る由もありませんが、想像するに職場の懇親会でそんなことを言われるほど気分の悪い話はないです。
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休みの1日は平日の勤務時間2日分の自由時間

 Twitterの代替サービス(?)「タイッツー」を1日で作り上げたというプログラマー(?)の方のインタビュー記事を読みました。

ゆるふわ系SNSタイッツー「本当は作るべきじゃないかも」生みの親の葛藤
(レバテックLAB)

 平日は仕事をして、その傍らで(いわゆる趣味として)個人開発をされているそうなのですが、
時間が足りないと感じたことはあまりないです。特に就職したてのころは、寝る時間以外は大体なにかしらつくっていたからです。

1日8時間寝るとしても、起きている時間が土曜日16時間、日曜日16時間の計32時間ありますから。これは単純計算で平日の勤務時間4日分に相当します。何をどうつくろうかというのは平日も常に考えているので、手を動かす時間が4日分もあれば、1つのプロダクトがつくれてしまいます。

 私も週休2日の仕事ですが、週末の2日休みはどちらか1日はゴロゴロして休養に専念しないと体が持たないです。

 とはいえ、もう1日の休みを「平日の勤務時間2日分の自由時間」と考えたことはなかったです。

 なんやかやいって、スーパーで買い物やら、1週間分のおかず作りやら、洗濯やら、なかなか起きている16時間をフルに使えないものですが、少しでも週末の自由時間をぐうたら終わらせずに有効に活用できるよう心がけたいと思いました。
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私は発泡酒の500ml缶を買いたい

 ビール券をもらう機会があり、近所の生協で消化しています。

 ふだんビール類はイオンPBの発泡酒500ml缶を買って飲んでいて、生協でも発泡酒の500ml缶を探します。

 しかし、並んでいる500ml缶はビール、糖質オフの発泡酒、あるいは「新ジャンル(第3のビール)」ばかり。ノーマルの「麒麟淡麗生」は350ml缶しか取り扱いがありません。

 新幹線で旅行に行くとき、東京駅の売店でビール類を探すも、やはり並んでいるのはビールか第3のビールばかりで、発泡酒の品ぞろえがありません。

 2023年の酒税改正で第3のビールは税率が上がって店頭価格は発泡酒と同じ水準になりました。

DSC_0540.JPG 素人が考えるには、焼酎の発泡酒割りのごとき第3のビールは、発泡酒と店頭価格が変わらないとなれば市場から姿を消すはずです。
(しかも生協の店頭では第3のビールのほうが値段が高い=写真)

 実際に、イオンPBは酒税改正に先立って第3のビールから発泡酒にリニューアルしました。

 それが、イオンのような数少ない事例を除くと、スーパーや駅売店の店頭に並んでいるのは引き続き第3のビールで、発泡酒は仮に棚にあったとしても糖質オフのものしか並んでいません。

 おそらくはメーカーに引き続き第3のビールを作る何らかのメリットがあって、小売店にインセンティブをつけて奨励しているのだろうと推察します。

 もしそうなら、消費者の立場ではそんなことはやめてもらいたいなぁと思うばかりですし、それ以外に第3のビールが発泡酒を差し置いて引き続き幅を利かせている理由があるのなら、それを知りたいです。
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鉄道事業会社と自治体の使命の違い

 私が思うに、鉄道事業会社の使命は「そこにある輸送需要を満たす輸送力を安定して供給すること」なのだろうと思っています。

 鉄道に限らず、電気、都市ガス、上下水道などといったライフラインは、最初に整備する時点では生活水準の向上であるとか、生活衛生の改善、あるいは民間資本によるお金儲けといった動機があるやもしれませんが、その後の運営に関していえば「需要を満たす供給を過不足なく安定して行うこと」が事業体の使命となります。

 料金の許認可に際して総括原価方式が認められるのもそうした特性ゆえでありましょう。

 東日本大震災で被災した路線のうち、仙石線が復旧したのは鉄道でなければ満たせない輸送需要があったからで、気仙沼線や大船渡線がBRTとなったのは、バスでも満たせる輸送需要しかなかったからです。

 整備新幹線のように、需給の問題とは別のところで新線を作るようなケースは、特殊法人が建設してJRに「受益の範囲内」のリース料で貸し付けをしますし、それまで機能していた在来線は鉄道では輸送力(供給)が過剰となるので(旅客会社は)手放してよいことになっています。

 さて、2024年3月ダイヤ改正の京葉線の改正内容はどうでしょうか。

 快速電車をデータイムのみとして、朝10時までと夕方16時以降は各駅停車しか運転しない、という改正で、県内の自治体に衝撃を与えました。

 自治体の反応は要約すれば「地域振興に支障が出かねない」というものです。





 一方でJRは、各駅停車に対して通勤快速は7割程度の利用しかなく、混雑の平準化と、通勤快速通過駅の停車回数拡大と、(通勤快速の追い抜きをなくすことで)各駅停車のスピードアップを目的とした、としています。



 通勤快速が通過する駅に輸送需要があり、その駅を通勤快速が定員に余裕を残した状態で通過しているのなら、その電車を停めて輸送需要を満たす、あるいは快速が混雑しているなら供給に余裕のある各駅停車へ誘導する、という理屈です。そこには「需要を満たす供給を安定して行う」という思想しか存在しないのではないでしょうか。
(需要が不均衡なら快速を増やし各駅停車を減らす選択肢もあるでしょうが、各駅停車を快速にして通過させるとその駅から乗れる電車がなくなるので、速達性よりもその課題を重視していると考えられます)

 足元の地域振興、つまり将来の需要を増やす、あるいは現状以上に減らさないことを考える自治体と、現時点の路線全体の需要(あるいは現状を元に予想される将来推計)をまかなう輸送力の供給を考える鉄道会社は、それはそれは考え方がかみ合わないはずです。

 日本には、大正から昭和にかけて都市部の鉄道を整備してきた事業体として国鉄や営団地下鉄、それから自治体による公営のほかに、私鉄という自己資本で線路を敷いて土地を切り開いて大規模な不動産開発を行って収益を上げるガラパゴス並みのビジネスモデルがありました。

 関東では田園都市線を最後にそうした鉄道整備は行われなくなり、平成に入ってからの鉄道新線は国鉄線と同じように鉄道公団〜鉄道・運輸機構が建設して私鉄へリースする仕組みに変わりました。

 令和に入ってからの神奈川東部方面線、いわゆる相鉄・東急新横浜線は、相鉄沿線と都心との行き来が横浜まわりだったものをショートカットする新線です。新横浜駅から東海道新幹線に乗れるようになり、いずみ野線沿線の不動産は多少売れるか分かりませんが、おそらくは相鉄にも東急にも減収要因ばかりで整備する動機がないはずの新線だったのではないでしょうか。

 しかし国の審議会で整備が決まり鉄道・運輸機構が建設してしまうとあっては、運営を他の事業体に持って行かれたらそれ以上の減収となるので引き受けている要素があるやに私は考察しています。

 需要を喚起するのでなくそれを満たす供給しか行わないことは、一歩間違えると「乗せてやる」という思想になりかねません。

 昭和末期に「乗せてやる」から「乗っていただく」への転換を期待された国鉄〜JRですが、それから35年以上を経て民鉄を含めて鉄道業界全体、いや、サービス業そのものが「乗せてやる」「売ってやる」「提供してやる」へ向かいつつあるのでしょうか。

 主題とはやや変わりますが、消費者保護どころか「カスタマーハラスメント」という言葉まで生まれ、2023年にはバスやタクシーの車内に運転者氏名を掲出する義務がなくなりました。

 昭和末期から平成にかけてサービスの評判が悪かった国鉄〜JRや東武や京成が制服に名札を着用するようにした動きとは逆の時代の流れも感じます。
author by よんなん
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家事と社業がトレードオフだとしても

 一代で会社を大きくしたどこかの起業家の言葉にこういうものがあると何かで読みました。

 赤字会社の3つの共通項
1 朝が遅い
2 会社が汚い
3 挨拶ができない

 おそらく、だめな会社の共通項にとどまらず、だめな社員の共通項でもありましょう。

 私の勤務先の始業は9時20分で、おそらく世間では遅い部類の始業時間ではないかと思います。(そのぶん終業も遅くて、さらに残業をする)

 しかも10年ほど前に導入されたフレックスタイム制で9時20分までに出社しなくてもよい(そのぶん遅くまで仕事をしていればよい)とあって、自分が出社するのは10時近くです。

 朝6時前に起きてはいるのですが、洗濯をしたり掃除をしたり食器を洗ったり片付けたりしていると、どうしても家を出るのが9時近くになってしまいます。

 フレックスタイム制ということはもちろん逆に早く出社して早く退社をしてもよいのですが、家事そっちのけで出社して、夜になって帰宅してからゴミ出しをするわけにも掃除機をかけるわけにもいきません。(夜に掃除機などマンション暮らしでは階下の迷惑)

 妻に代わって保育園の送りをするときは家事もそこそこに家は多少早く出るものの、出勤途上の電車を途中下車してバスに乗り、妻の職場の近隣にある保育園で娘を預けて途中下車した駅へ戻ってくるまで1時間かかりますから、やはり出社は10時近くです。

 まれに、どうしても早く出社して片付けなくてはいけない業務があって8時前に出社をしてみると、確かにてきぱきと作業が進むような気がします。これが毎日できる人ならば、確かに仕事の成果もそれなりのものを残せる人がいるのかもしれません。

 日々の出社がそもそも遅いようではおそらくサラリーマンとしてはだめな部類に入るに違いなく、やはり、ライフとワークの両立を図ろうとするならば、仕事で大きな成果を残そうとすることはあきらめなくてはいけないのだろうか、と考えたりします。

 いっぽう、私が「ライフ」と「ワーク」のバランスをそれなりに取ることで、我が家では妻が朝7時過ぎには家を出て仕事に向かうことができていて、私と妻を合わせた世帯年収はすでに家族3人が暮らすには申し分ないものです。

 私は勤務先で入社同期諸君と昇進の度合いを比べたらいわゆる出世街道とやらとは縁の遠いところへ落ち着いたように見えるのかもしれませんが、これでよいと思っています。

 ……それを世間では「仕事をあきらめて家庭に逃げている」と言うんだけどな!
author by よんなん
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週末の12時台にファミレスなど行くものではない

 浦安市文化会館での子供向け催し物を、私の母、妻、娘、私の4人で見に行きました。

 終演が12時半近くだったので4人で昼食を……と市内のジョナサンへ向かいました。

 週末の12時台に外食だなんて混雑しているのは明らかで普段なら絶対に避けますが、きょうみたいなシチュエーションでは致し方ありません。

 同じことを考える人はあまたいるようで、店内には催し物で渡された記念品を持ったグループがあちこちにいます。

 6組待ちではあったものの13:10ごろには席に案内されて注文します。

 娘、私、妻のぶんはほどなく提供されたものの、私の母が頼んだ定食が30分近くたっても出てきません。……注文はタッチパネルなので入力をすれば厨房に飛んでいるはずです。

 母は「催促しようかしら」と言うものの、注文は入っているのだから催促したからといって他の注文をさしおいて先に作ってくれるわけでもなし、と話しているうちに私や妻、娘は食べ終わってしまいました。

 母が通りかかりの店員に声をかけると「はいただいま」と返事があり、ほうらやっぱりそば屋の出前じゃないかと思ったら本当にすぐ出てきました。……もしかして、作ってあったのでは? と思うくらい早かったです。

 揚げ物を触ってみると、作りたてなら指では触れないくらい熱いはずのものが人肌ではありませんか。

 さすがに私も腹を立ててしまい、呼び出しボタンを3回くらい押して(こんどはピンポンと音がするたび「はいただいま」と声はするけど来やしない)店員を呼び、作り直して欲しい旨と、同席者が食べ終わってしまうほど提供が遅かったうえに料理が冷めていることに立腹している旨を伝えました。

 そうしたら5分としないうちに店長が平身低頭で運んできましたよ。

 店長の言葉は消え入るかのようでろくに聞こえず、こんな思いをさせられてお詫びの言葉もなければ同じ代金だなんて、ノベルティの一つでもよこさないものかと思いましたが、店にしてみればただでさえ忙しいのに配膳が滞ったばかりに作り直しまでさせられて、それを店長が収めようと運んできたのでしょうからこれ以上は言わないことにしました。

 やっぱりピーク時間帯に外食などするものではない、という当たり前の教訓に至ったわけですが、次はどうしたものでしょう。
author by よんなん
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テーマパークの食事

 家族で東京ディズニーランドへ行ったら、テレビ局のインタビューを受けました。

DSC_0142 (2).JPG 私たちは食事中で、ちょうど食べていたもの(これ)が新メニューだったらしく感想を聞かれました。

 ディレクターさんは「どうです? ボリュームがあって、つけ合わせのお野菜も色どりがあって……」と誘導してくださるのですが、いやいやいやいや、エビフライや野菜ミックスは見るからにそこいらで売っていそうな冷凍食品ではありませんか。

「サイゼリヤで食べたほうがおいしいです。しかもエビフライが載ったオムライスに1,980円を出すならロイヤルホストへ行けますよ」

だなんて、まさか言えるはずもなく、しどろもどろの情けないインタビューになってしまいました。(後日の放映を見たら、当たり前ですが不採用でした)

 ちなみに、ロイヤルホストの「ロイヤルオムライス with 天然海老フライ&紅ずわい蟹のクリームコロッケ」が2,013円です。+33円でカニクリームコロッケがついてくる代わりにケーキと飲み物はないのですが、まぁ似たような価格帯です。

 しかし、テーマパークの食事にそもそも期待はしないものの、それでもいったん退園してイクスピアリのサイゼリヤへ行くことをせずに園内で食べるのは、単に空腹を満たす食事なのではなくて「園内の雰囲気で食べる」こともテーマパークを楽しむごちそうだからです。

 そうやって言えば、少しはサマになっていたかもしれないのに、とっさには出てこないんですよねぇ……。
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高速の渋滞は左車線が速かったのは平成まで

 きのう、群馬県へのドライブの帰り、例によって関越道で15kmほどの渋滞を抜けました。

 ずいぶん前にテレビで「高速道路の渋滞は左側の車線が一番速い」とやっているのを見て、そのセオリーに沿って左車線をちんたら走っていました。

 私たち家族の後ろにも高速バスがくっついて、やっぱりプロも左車線が速いことを知っているのだなと思っていたら、その高速バスが中央車線に車線変更して先へ行ってしまうではありませんか。

 旧ツアーバスブランドの高速バスだったので、そんなもんかと構えていたら、こんどは鉄道会社系列の高速バスも中央車線を走って先へ行ってしまいました。

 左車線にいればいつか追いつくだろうと思っていましたが、大泉までこの2台のバスに追いつくことはありませんでした。

 どうやら「渋滞では左車線が一番速い」とは限らないようです。

 そんなことをTwitterでつぶやいたら、リプライでネットニュースの記事を教えてもらいました。

定説「渋滞は追越車線から」に異変!? 高速道路の渋滞は右車線と左車線のどちらが速い?(ベストカーWeb)

 ライター個人の身の回りではそうだという話でしかないことや、文字数(原稿料やページビュー)稼ぎなのか過去の話が延々と書いてあったり、決して良記事とは言えませんが、要は「左車線が速い」ことが浸透して一定数のクルマが左車線に分散するようになり、令和の世では「どの車線にいてもほとんど同じ」になった、ということが書いてありました。


 しかし「どの車線にいても同じ」なのでは、きのう高速バスが2台とも中央車線から私たちを追い抜いて見えなくなってしまった説明がつきません。

 これは私の推測ですが「どの車線にいても同じ」なのではなく

「どの車線が速いかは、言わば『時の運』であって、高速バスのような運転席の視点が高い大型車は、先のほうでどの車線のクルマがより進んでいるかが分かる(見える)ので、その都度一番速い車線を判断して選んでいる」

のではないかと考えます。


 もしそうだとするなら、次に渋滞に遭遇したら「大型車の後ろについていく」のがよいことになります。

 単に大型車といっても、時刻が決まっている路線バスもあれば、遅れてもその日のうちに帰れればよい貸切バスもあるでしょうし、トラックだって怖い荷主が時間を決めて待っているトラックもあれば急がない回送車だってあるでしょう。

 素人には速い車線を選ぶ動機がある大型車を見分けるのが難しいですが、少なくとも高速路線バスを見かけたら、時刻が決まっていて渋滞といえども遅れを最小限にとどめる動機が間違いなくあるので、それについていけばいいと思います。どんなものでしょうか。
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生協が組合員のお店なのは知っているけれど

 ネガティブな話をするときはクッション言葉くらいつけてほしいなぁと思うのです。

 生協で店員さんと接するのはレジくらいのものですが、生協のポイントカードや商品券、サービス券の使い方をめぐって何度も腹を立てています。

 どれも、商品券やサービス券を使うときは生協のポイントを支払いに使うことができない、という意味のことを言われて腹を立てています。

 なんで腹が立つのだろうなぁ、と思いめぐらせると、クッション言葉がないからだと気づきます。


 サービス券とポイントカードを出したらいきなり

「サービス券を使うときはポイントを使えません」

と言われて突き返されるのと、

「すみません、サービス券を使うときはポイントを使えません」

と言われて差し出されるのとでは、言っている意味は同じですが心証はだいぶ違います。


 生協は組合員のお店であって、組合員が「お客さま」ではないのは承知していますが、お店が組合員の期待に沿えないことを言わなくてはいけないときの接遇のテクニック(と言っていいと思う)くらいは教育してレジに立たせてほしいなぁと思います。
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経営(政治)判断と財務のはざまで

 現在、勤務先で老朽設備更新の計画に携わっています。

 社内には本社にも支社にも事業部門と投資財務部門があって、自分がいる支社の事業部門は本社の事業部門を通じて投資財務部門から設備投資予算を取り付ける流れです。

 目下、勤務先の営業収入は振るわず、当然、設備投資できる総額は限られていて、ほかにも設備投資案件が山積みのなか本社の投資財務部門はあれやこれや(事業部門から言わせれば)難癖をつけて予算を渋ろうとします。

 コストダウンが無限にできるはずもなく、それを超えて設備更新の投資額を減らすことは、当然、今後の事業規模が縮小することを意味するので、事業部門は最大限の抵抗を試みます。

 が、そこはビジネスライクな数字の世界であり、事業部門がいくら社会科や道徳の教科書に出てきそうな文言を並べたてたところで投資財務部門の首を縦に振らせることはできません。

 最終的には事業担当と財務担当の役員クラスの出番となり、事業部門の他の投資案件と引き換えに、自分が担当する設備投資案件は予算が認められる流れになりました。


 こうした業務に携わるのは初めてだったので、いろいろ新鮮でした。

 きっと国でも財務省と各省庁で似たようなやり取りがあるんだろうなぁと思いをはせる次第です。

 債務を減らしたい財務省と予算が欲しい省庁間であれやこれややり取りがあるところへ、大臣クラスの政治決着で予算がついたりはがされたりなど、きっと珍しくもないのでありましょう。


 会社全体、あるいは国全体のことを考えれば、本来、成長分野へ予算を振り向けるために売上(税収)に応じた適切な事業規模にすることは、社員、役人が総出で取り組むべきテーマのはずです。

 しかし、勤務先のように大きな組織になると、設備投資縮減を勉強したとしても他の案件に予算を取られるだけで、短期的には予算をゴネ続けた部署がゴネ得して予算縮減を勉強した部署がバカを見たように映るのが実情です。……きっと、国でも同じことが起きているのではないかと思います。

 今回の案件でいえば、我々が投資予算を獲得したのと引き換えに投資が見送られる案件があるわけで、会社全体で見れば何が最適だったのか考えさせられます。

 「経営判断」とは、ときには下々の者が数字をもとに折衝したものをひっくり返すものです。何か一貫して筋の通った経営理念や哲学があってそれに基づくものならよいかもしれませんが、3年おきに人事異動で替わる役員のお気持ち次第とあっては、財布をあずかる部署の人たちはやり切れないだろうなぁと思います。

 そういう高度な判断の現場とは程通い私のような万年係長には永遠に理解できない話なのかもしれませんが。
author by よんなん
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