大学時代の知人で4年前に船橋市議会議員に初当選した、
日色健人君が2期目の出馬、とのことで手伝うことにしました。
告示日のきょう、立候補の届出を済ませてきた日色君の事務所に9時半ごろ出向くと、「出陣式の司会やって」ということで、久しぶりに人前でマイクを握りましたよ。
前回は選挙のために借りた事務所でしたが、日色議員は去年の4月に常設の事務所を国道14号線脇に構え、今回はそこがそのまま選挙事務所になりました。
写真は、街頭演説ののぼり。(正式には「街頭演説用標旗」)
選挙管理委員会から渡されるもので、拡声器を使うときは掲げる必要があります。
よその陣営では、名前を布にアイロンで貼り付けられる用紙にパソコンで打ち出して、なかには顔写真入りのものまで作ったりするところもありましたが、日色陣営は前回同様に筆で墨書きです。
もちろん、街頭演説のときにはこの“公式のぼり”のほかに、もうちょっと目立つ私製の幟も持って行きます。
さて、案外知られていないのが、選挙カーにまつわるルール。
まず、選挙カーのレンタル費用、ドライバーの人件費は公費で負担されます。……カネがなくても最低限の選挙活動はできるしくみです。
今回はレンタカー+支援者のドライバーという体制でしたが、前任地の群馬県高崎市ではタクシーを1台借り上げて選挙カーにしている候補者を見たことがあります。ドライバーのあてがなければ、そうしてタクシーごとチャーターしても代金は公費で負担してくれるわけですね。
ここからがびっくりですが、まず、選挙カーには候補者が乗っている必要はありません。
そして、走行中は「連呼行為」しかしてはいけないのです。
Ω ΩΩ<な、なんだってー!!!
誰しもが選挙カーに対して、候補者の名前ばかり連呼されてうるさい、と苦々しく思ったことがあると思いますが、連呼「しか」してはいけないという公職選挙法の決まりなのです。
ちなみに、政策や主張を述べる「演説」を選挙カーでやるには停車する必要があります。
また、選挙運動員に報酬を支払うと選挙違反ですが、選挙カーから名前などを連呼をする「うぐいす」(男性の場合は「からす」と呼ばれる)には報酬を支払ってよいことになっています。(ただし公費負担ではありません)
これでは、選挙カーが世の中からなくならないわけです。
個人的には、選挙カーなど走らせないほうが有権者の受けがよいのでは……という気もしますが、そこは「支援している現職の選挙カーが来ない」=「あいさつに来ない」と同義に受け取る一定の支持者層もいるようで、選挙カーは選挙カーとして日色陣営は走らせています。
(あいさつといっても戸別訪問は違反なので、結局、路上から拡声器での連呼に落ち着く)
候補者本人は選挙カーなどには乗らず、徒歩で辻々をまわる「モモタロー」です。
「モモタロー」というのは、
メガネドラッグのCMのように、タスキをかけた候補者を先頭に運動員がのぼりを持って後からついて歩くのが似ているので、そう呼ばれます。
実は公職選挙法には
第百四十条 何人も、選挙運動のため、自動車を連ね又は隊伍を組んで往来する等によつて気勢を張る行為をすることができない。
という決まりがあるのですが、数名程度のモモタローで「隊伍を組んで往来」とみなされた例はないようです。(珍走団のようなものを想定した条文と思われる)
モモタローに随伴する自分は、街頭演説で選挙運動に従事する人用の腕章を着用します。
腕章は市選管から一定数を渡されるので、いくらボランティアといえども人数だけにモノを言わせた選挙はやれないことになります。
出陣式のあと、昼食をはさんで午後1時ごろモモタローに出発し、夜8時まで延々と歩きっぱなしでした。
(2011/4/25執筆)