船の科学館がリニューアルのため今月いっぱいで休館するそうで、それに伴って「羊蹄丸」の展示をやめるのだそうです。
海の記念日(ハッピーマンデーの祝日「海の日」ではなく7月20日)から9月30日まで入場料200円だというので、週末は混むだろうから平日に時間が取れるうちに、と行ってきました。
……ニュースでは「青函連絡船」羊蹄丸、と紹介されていたものの、実際に船内に入ってみると、まず受付に写真のような非常に残念な掲示が。
青函連絡船が終航した昭和63年といえばバブル景気の頃で、「フローティングパビリオン羊蹄丸」などという美名(?)を与えられて、内部は連絡船の面影を残すことなく大改造されちゃってました。
家に帰って調べたら、Wikipediaにも青函連絡船の「
羊蹄丸」とは別に、「
フローティングパビリオン羊蹄丸」という項目が立てられているのも納得なほど、まったく別のものになっています。
2枚目の写真なんて見てくださいよ。こんな船室、どう見てもバブルのときに作っちゃいました、みたいな部屋です。
残念ながら、「青函連絡船の遺産」というより「バブルの遺産」というほうが的を射ている気がします。
8月には「引き取り手がなければ解体処分」というニュース(
asahi.com)に、えー、国内には3隻しか残ってないのに、と思ったものですが、こんなバブルの遺産に年3000万円の維持費がかかるのだったら解体やむなし、に一票です。
が、8月末までに35件の「仮申込」があった(
船の科学館公式←PDF)のだとか。
船の科学館側で審査して無償譲渡先を決めるみたいですが、こんな船に年3000万円(+おそらく再改装費)もかけてどんな第3の人生を歩ませるのやら。
もし就航当時の内装に復元します! だったらよいですが……そんなスポンサーはいないだろうなぁ。
ビジョンシアターで、みちのく銀行企画・NHKサービスセンター制作の2時間ビデオ「青函連絡船 〜栄光の軌跡〜」を見た以外は、特にこれといったものはありませんでした。
車両甲板にはDE10とスハフ44が置いてありましたが、客車の航送は確かにあった(ただし旅客は列車を降りて船室に乗る)ものの、機関車を載せた実績……ってあったのかな。。
(桟橋の可動橋が機関車の重みに耐えられないので「控車」を間にはさんで機関車は地上で入換をしていた)
まぁ、車両甲板一帯は昭和30年代の青森駅を再現したコーナーになっているので、車両甲板というより青森駅のシーンなのかもしれず、むしろこの2車両が風雨に晒されない環境で保存されていることのほうを喜んだほうがいいのかもしれません。