「おめーはがんばっちゃダメなんだよ」

IMGP9380.jpg 群馬在勤時、同じ群馬で2年上の本社採用の先輩から口酸っぱく言われた言葉です。

 この先輩、口は悪いですけど頭の回転が速くて面倒見もよく、いつも的確なアドバイスをくれる方でした。

 前々職・前々々職では、そりゃぁもうハリキッてやりたい放題やっては問題ばっかり起こしている、本社や支社の担当者から見れば困ったちゃん(に違いない)でした。

 本人はやりたい仕事が毎日できて楽しくって仕方がなかったんですけど。

 そんな場面で表題の言葉を言われれば、なんだよー、やる気があっちゃいけないのかよう、と思いますわな。


 そんな楽しい日々も、そこはサラリーマン。異動通知という紙切れ一枚で終焉を迎え、前職場へ移ることになりました。

 前職場の在籍経験も持つ上司は

「ひで君の次の職場は、いろいろ思うところがあるかもしれないけど、本社採用なら1年のガマンだから、『ふぅん、こういうもんかー』とそのまま受け流しておくのがいいよ」

と送り出してくれました。


 確かに、前職場に移ってみると、前々職では指導する立場で尊敬も多く集めていた方が、昇進試験に受かってしまったばかりに異動させられて「新入り」として怒鳴られながらミス連発で仕事をしているじゃないですか。

 え? 前々職場のボスは、素直なベテラン社員をうまくおだてて昇進試験を受けさせたかどうなんだか知らないけど、受かったらこんな仕打ち?

 自分も、あーあ、もうちょっと前々職やってたかったなぁ、いまの仕事、仕事の名前こそ聞こえはいいけど、実際はアレじゃん、扱う装置も似てるし、と思っていました。

 自然と、がんばらないで仕事をするようになりました。


 すると……どうも自分の評判がいいらしいんです。

 前々職の同期と飲んだときにも

「高橋さん、なんかすごく評判がいいみたいですよ」
「俺なんか○○さん(=前々職の大先輩)に『ようやくアイツにもピッタリの仕事がありましたね』って言ったら○○さんと二人で大笑いしちまったよハッハッハ」

と教えてくれました。


 ……とはいえ、半年も過ぎると徐々に要領を覚え、先輩方も私のキャラの「引き出し」をいくつも見つけて相手してくれ、自分でも「住めば都」と思えるようになってきました。

 また、前職に移って3ヶ月後に装置が新しくなり、こう言ってはなんですが、旧タイプを使って経験を積んできた怒鳴る側の先輩よりも、実際に新機種を扱う新入りのほうが仕事の細かい部分を知っている、というタイミングにも恵まれました。

 それと、職場の皆さんの顔ぶれや性格も少しずつ分かってきて、確かに1人くらいは「怒鳴りキャラ」が必要かも、と理解できるようになりました。

(職場の先輩全員が全員おっかないわけではありません…当たり前ですが)

 仕事そのものの楽しさは前々職・前々々職には及ばないものの、比較的規則正しい勤務で、自分の時間も楽しめるようになりました。

 実は、サラリーマンとして一番充実していたひとときだったのではないでしょうか。


 しかし、前々職の上司の言葉通り、1年で再び紙切れ一枚が出て現職場に来ました。

 ……前職場以上に思うところがいっぱいありましたが、そこは、そのうち「住めば都」になるさ、、、と考えることにして過ごしました。

 それにしてもなんにしても、人事部門は人のことよく見てるよなぁ。冒頭の先輩みたいに親しいわけでもないのに、自然と「がんばれない」職種にまわしてくれるんだもんなぁ。


 でも、待てよ? 去年の本社説明会で、技術継承の観点から本社採用の入社7年目以降は原則として職種を変えないで専門家を育成する、って言ってた気がするぞ?
(そのとき配布された資料をもう一度見たら、確かにそう書いてあった)

 そのうえ前職と違い、半年たっても「住めば都」になる気配がありません。

 もしかして俺、これから定年まで28年間と少し、ずっとこのまま?

 事業フィールドが広くて、いろんなことをやれて楽しそうな会社に入ったと思ったら、、、職種を変更しないだって?

 飲み会でも、「高橋君は、△△さんのラインに乗った」なんて言われます。

 ……△△さんといえば、前々々職時代の上司でもあり、「俺、この会社は何で本社採用をこんなにいっぱい採っている(=仕事が細分化されすぎている)のかなぁって思うときがある」と私につぶやいた方じゃないですか。

 そのときは「自分は、枠が大きくなかったらそもそもこの会社に入れなかった、いっぱい採用していてよかった、って思ってますよ」とノーテンキにお答えしたんですが、いま、まさしく自分がその立場に立ってるじゃんよ!

 あの……私って、機械のカラダを求めて銀河鉄道999に乗ったらアンドロメダへ着く直前に「ネジ」になれって言われた、あのときの鉄郎と同じなんじゃない?

 席が隣の先輩も「高橋君はこの仕事とっても向いてると思うよ」と言ってくれる通り、会社から見ればそうかもしれないけど、、、自分は全然ちっとも楽しくもなんともないんだ……。。。


 また、前職とは違い、がんばらないでいると仕事がたまる一方です。

 休み始めた最後のきっかけは、別の先輩を怒らせてしまって「まだ終わってないあの仕事、明日の朝イチまでな」と残業中に言われたことでした。(実際、締切は翌日だった)


 さて、こうして休み始めても、調子がいい日もあるとはいえ、基本的には何をやっても楽しくない日々です。

 以前も書きましたけど、うつ病薬の副作用らしい性機能障害で性欲も(自分で)満たせなくなりました。

 その辺のエロ動画を見てもなんとも思わないので、先日、精神科・心療内科での診察帰りに立ち寄ったTSUTAYAで借りたのは

「夢の大乱交 極上ハーレム480分スペシャル」 (冒頭の写真)

……あのね、数が多けりゃいいってもんじゃないでしょうが。


 結果はまったくその通りだったんですけど、昨日の飲み会(前項参照)で話したら、全員一同大爆笑でした。


 やっぱり、がんばれないでいると冴えてくるんですかねぇ?
author by よんなん
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