身近な日本基準と欧州基準
2011.01.04 Tuesday | よんなん的戯言
写真は、きのう乗った渋谷の「ハチ公バス」(日野ポンチョII)車内にあった非常口の案内。
写真では分かりづらいですが、赤い箱に書いてある説明書きとイラストは自分が小学生の頃と全く変わらず、絵に描いてある窓は「バス窓」(→Wikipedia)です。
いまどきこんな窓のバスないよ、と思いつつ、そういえば日本のバス車両の規制は十年一日のごとく変わってないんだなぁ、とふと思いました。
日本のバス車両には、
>非常口を設けなければならない
>非常口を設けなければならない
>非常口を設けなければならない
>とびらを備えること
>とびらを備えること
>とびらを備えること
という規制があって、下記に挙げるような「非常の際は窓をハンマーで叩き割って脱出する」というアイデアを日本の自動車メーカーの技術者がひらめいたり、ガラスメーカーの営業マンが提案しても、国土交通省のお役人様に握り潰されてしまう運命にあります。
こちらの写真は、幕張の連接バス(メルセデス・ベンツ・シターロ)車内に備え付けてある脱出用ハンマー。
この連接バスはヨーロッパからの輸入車なので、欧州基準で作られているんですね。
あちらは、非常ドアがなくても窓を叩き割って脱出OK、という基準でバスを作っていて、日本国内での運行にあたっては上記の規制の「適用除外」の認定を受けています。
日本のバス車両規制ができた頃は、「強化ガラス」という、一点に強い力がかかると一気に全体が粉々になって尖らず安全に割れる便利なガラスがなかったんでしょう。きっと。
さて、こんどは、中国鉄道の「CRH2型」の車内。……川崎重工が「輸出」した高速鉄道車両です。
「JR東日本のE2系新幹線電車がベース」と聞いて乗りに行ってみると、ベースどころか隅から隅まで日本の「あさま号」とほとんど同じなんですけど、唯一の大きな違いが、写真で縦長の箱に入っているハンマー。
日本の鉄道車両は、非常時にドアが手動で開けられる構造ならそれでよいわけですが、世界の鉄道は欧州基準=世界標準なのが現状で、中国の高速鉄道でも窓を叩き割れる仕様が要求されたわけですね。
……ただ、時速100kmがせいぜいのバスと違って、200km/h以上で走る高速鉄道の車両は「耳ツン」を防ぐのに気密性が高くなっていて窓も頑丈な2層ガラスになっているはずですから、簡単に叩き割れるとも思えませんが……。。。
日本で、鉄道は乗降ドアが非常口兼用OKでバスは別の非常扉が必要、というのは、鉄道車両は左右にドアがあって、バスは進行方向左側にしかドアがないからでしょう。たぶん。
写真では分かりづらいですが、赤い箱に書いてある説明書きとイラストは自分が小学生の頃と全く変わらず、絵に描いてある窓は「バス窓」(→Wikipedia)です。
いまどきこんな窓のバスないよ、と思いつつ、そういえば日本のバス車両の規制は十年一日のごとく変わってないんだなぁ、とふと思いました。
日本のバス車両には、
道路運送車両の保安基準 第26条
幼児専用車及び乗車定員30人以上の自動車(緊急自動車を除く。)には、非常時に容易に脱出できるものとして、設置位置、大きさ等に関し告示で定める基準に適合する非常口を設けなければならない。ただし、すべての座席が乗降口から直接着席できる自動車にあつては、この限りでない。
>非常口を設けなければならない
>非常口を設けなければならない
>非常口を設けなければならない
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第114条
六 非常口には、常時確実に閉鎖することができ、火災、衝突その他の非常の際に客室の内外からかぎその他の特別な器具を用いないで開放できる外開きのとびらを備えること。
>とびらを備えること
>とびらを備えること
>とびらを備えること
という規制があって、下記に挙げるような「非常の際は窓をハンマーで叩き割って脱出する」というアイデアを日本の自動車メーカーの技術者がひらめいたり、ガラスメーカーの営業マンが提案しても、国土交通省のお役人様に握り潰されてしまう運命にあります。
こちらの写真は、幕張の連接バス(メルセデス・ベンツ・シターロ)車内に備え付けてある脱出用ハンマー。
この連接バスはヨーロッパからの輸入車なので、欧州基準で作られているんですね。
あちらは、非常ドアがなくても窓を叩き割って脱出OK、という基準でバスを作っていて、日本国内での運行にあたっては上記の規制の「適用除外」の認定を受けています。
日本のバス車両規制ができた頃は、「強化ガラス」という、一点に強い力がかかると一気に全体が粉々になって尖らず安全に割れる便利なガラスがなかったんでしょう。きっと。
さて、こんどは、中国鉄道の「CRH2型」の車内。……川崎重工が「輸出」した高速鉄道車両です。
「JR東日本のE2系新幹線電車がベース」と聞いて乗りに行ってみると、ベースどころか隅から隅まで日本の「あさま号」とほとんど同じなんですけど、唯一の大きな違いが、写真で縦長の箱に入っているハンマー。
日本の鉄道車両は、非常時にドアが手動で開けられる構造ならそれでよいわけですが、世界の鉄道は欧州基準=世界標準なのが現状で、中国の高速鉄道でも窓を叩き割れる仕様が要求されたわけですね。
……ただ、時速100kmがせいぜいのバスと違って、200km/h以上で走る高速鉄道の車両は「耳ツン」を防ぐのに気密性が高くなっていて窓も頑丈な2層ガラスになっているはずですから、簡単に叩き割れるとも思えませんが……。。。
日本で、鉄道は乗降ドアが非常口兼用OKでバスは別の非常扉が必要、というのは、鉄道車両は左右にドアがあって、バスは進行方向左側にしかドアがないからでしょう。たぶん。