「若手にも仕事を任せてもらえる会社ですか」

 就職活動時の説明会では、学生からのこういった質問を何度か耳にした記憶があります。

 で、先週月曜(4/2)の読売新聞が一面トップに

国交省がキャリア速成指南書、入省3―4年で一人前に

という記事を載せていて、ん? と思いました。

政府が掲げる公務員の能力実績主義を見据え、同省は早期育成で若手登用を進めて、優秀な人材が「能力を発揮できない」として民間に流出する傾向に歯止めをかけたい考えだ。

 さすがの中央官庁でも、たとえば財務や警察キャリアが20代で税務署や警察署の署長、なんてのは過去の話だそうで、Wikipediaの「キャリア(国家公務員)」の項目にも

「様々な批判を受け(第一線の職員達からは“現場を知らぬバカ殿”との陰口も聞かれた)、現在では20代で署長になることは無くなった」

とあります。
(「第一線の職員」の「陰口」は、フリーの百科事典ゆえの記述といった気がしますが)


 どうなんでしょうね、私も社員数万人という企業で「本社採用」という立場のサラリーマンを始めて3年経ちましたけど、振り返ってみると入社3〜4年程度で「『能力が発揮できない』となげく優秀な人材」って、実は単なるうぬぼれで、実際にやらせてみれば「現場を知らぬバカ殿」でしかないんじゃないのかね、などと思ってしまうのですよ。

 私の勤務先で本社採用の「育成期間」が同業他社に比べて長いのは、まさに「現場を知らぬバカ殿」批判の反省でもあったはずですし。

 まぁ、入社同期(すでに退職)のブログに「同期はいっせいに閑職に異動させられました」「まるで邪魔者であるかのように異動させられた」とか書いてあると、ああ、国土交通省もきっとこういう「優秀な人材」に手を焼いているのだな、と合点するわけです。

 私は本社採用でも事務系枠ではなくて技術系枠で採用されたので、彼らの言う「閑職」がどんな仕事か身をもって知る立場にはありません。

 が、本当にヒマで「能力」をもてあましているのなら、何か創造的な「暇つぶし」を考えるのも仕事の一つではないのか……なんてのが、まさしく「現場を知らない」から出てくる評論家的な戯言に違いないわけでして。(すみません)

 
 じゃぁお前は毎回定時退社できて、しかもそれが平日の昼間という環境下で何をしてるのか、と言われると……くたびれて帰って寝てることがほとんどですし。(^^;)


 ま、冒頭の記事によれば、今回の国土交通省のそれは「能力実績主義」の一環のようですから、やらせてダメなら能力相応の箇所に配置し直せば済む話です。それはそれで一つのやり方なのかもしれません。

 ただ、仮に「やらせてみる」といったって、そんな責任と影響力のある仕事に半年や1年で結果が出るとも思えませんし、ダメだと分かる頃にはすでに入社(入省)6〜8年で、そこからふり出しに戻るわけですよね。

 自称「優秀な人材」にそれを分からせるには、ちょいと無駄が多い気もします。

 私のような未熟者には、今の勤務先のようなシステムでちょうどよいような……って、会社に丸め込まれ過ぎですか?
author by よんなん
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