新聞折込にユーカリが丘の宅地分譲チラシがあって、なんだか見覚えのある「電気バス」の写真が載っていました。
・旧型日野ポンチョの改造
・エンジ色(=早稲田カラー)
案の定、早稲田大学と昭和飛行機(=三井造船系列)のチームで開発した電気バス……どう見ても私が大学院時代にいた研究室の成果品です本当にありがとうございました。(
参照)
自分は電気バスを作るのではなく、どう走らせるかが課題として与えられ、修士論文では
コミュニティバスは
・人口密度が7500人/km2以上で、
・小売業の年間商品販売額が750億円以上
の地域で走らせないと一定の利用者を期待できない
と結論づけて、教授陣が期待していた(であろう)「本庄キャンパス周辺」が見事に枠から外れる内容に、論文発表会は針のムシロだった記憶があります。
#いま読み返すと、本当にひどい日本語で書かれた論文だ……orz
論文の内容もさることながら、院生として学部生の指導もロクにしないでやれ神宮球場だ新生早稲田祭だと遊びまわる、とんでもない不良学生でした。
自分は、今でも出身研究室にはとても怖くて顔を出せないです。……たぶん塩をまかれて追い返されるのが関の山です。
こんな自分によく修士号をくれたなぁ、と、指導教授の懐の深さには頭が上がりません。
それから7年が経ちました。
その間、電気バスそのものは2005年に完成し、本庄、堺、と、実証実験場所が転々としている様子をちらほら目にしていましたが、チラシによればようやく2011年度からユーカリが丘で「本格運行」する運びになったようです。
ユーカリが丘がある佐倉市志津地区の人口は74000人あまり。
同地区の市街化区域は749ヘクタール(=7.49km2)。
人口密度は単純計算でおよそ1万人にのぼり、地区別の数字はないものの佐倉市の小売業年間販売額はおよそ1200億円という、見事な地域です。
自分の修士論文では、各地の「コミュニティバス」の例を集めて「人口の散らばり具合」や「にぎわいの有無」などの視点から統計分析するまでが手一杯で、「じゃぁどこに適切な場所があるのか」まで至りませんでしたが、実証実験場所として、よくユーカリが丘を見つけてくれたと思います。
多くの乗客で賑わうバスになってくれれば、あんな論文でも少しは役に立った……のかな? と思えてちょっぴり嬉しいものです。