幻聴ではないけれど

 きのう、近所のスポーツクラブのプールで泳いでいたんです。

 6レーン中5レーンで1人ずつ泳いでおり、空いていた一番奥の“第6のコース”で泳ぎ始めました。

 「上級者用レーン 200m以上連続して泳げる方専用」と書いてあって、自分で上級者と言える自信はないですが、200m=4往復くらいならどうにか続けて泳げます。……というか、1コースに1人しかいないわけですし。
(ただ、クイックターンができないので、連続して泳いでいるようには見えない……はず)


 泳いでいると、50歳代とおぼしき男性客がやってきました。

 全レーンで1人ずつ泳いでいる中でどこに入るのかなぁ、と、思っていたら、私が泳いでいるレーンに入ってきましたよ。


 で……おいこら! なんで水中歩行を始めるんだ!

 歩くんだったら歩行者専用レーンへ行ってくれよ…と“第1のコース”を見やると、、、、あれ? 前あそこには「歩行者専用レーン」って書いてなかったでしたっけ?

 いや、それにしたって、上級者レーンで歩くことないじゃないか! 自分のレベルの泳ぎでもすぐ追いついちゃうよ!


 どうやって言ったら移ってくれるだろうかと考えます。

「ちょっと、ここに『上級者レーン』って書いてあるの見えないんですか!」

と、いま思っていることをそのまま言ってしまっては、言われたほうは心証がよくないでしょう。妙にへそを曲げられてトラブルになるのも嫌です。

 それに、

「君、自分で言うほど泳ぎうまいの? 全然そう見えないんだけど?」

と言われては、返す言葉がありません。


「追いつくんだったら追い越しなさい」

……泳ぎながら曲がって追い越すのってすごくやりにくいですし。。。

「本当にうまい人はそんなこと言わないよ」

ムカー!


「2人しかいないんだから、右側通行やめて片方ずつ好きに使ったらいいじゃないか」

……「右側通行」って書いてあるのに!?

「書いてあるから、って、最近の若いのはそのくらいの機転も利かないのかねぇ」

コ…コノヤロー!


 いや、あの、実際に言われたわけじゃなくて、別のレーンで歩いてほしいとお願いしたらどうなるかなぁ、というシミュレーション(というか、妄想)ですから。


 とはいっても、相変わらず悠々と歩いているおじさんは、本当にそう言いそうな気がして……上の言葉がどんどんエスカレートして頭の中を駆け回ります。

「言うほど泳ぎうまくないじゃないか」
「君こそ連続200m泳いでないじゃないか」
「上級者レーンで泳ぐ資格なんかないよ」
「どんな自信があって、そんなにうぬぼれているのかねぇ」
「なんだ、君は△△先生(←私の父親)のところの息子さんじゃないか。そうかそうか、先生の家は、そういう身勝手なことを他人に言いなさいと教えているのか」




……

………


むかつくむかつくむかつくー! (大庭詠美っぽく)


 いやいやいや、そういうふうに言われそうだなー、というだけなんですよ?

 おじさんはただ上級者レーンをのうのうと歩いているだけなのに、こちらが勝手に妄想して、勝手に言い返されることを予想して、それで勝手にむかついているわけで、どうしようもありません。。。


 心を病んでいる人は幻聴で自分を追い込んでしまうのだそうですが、そういう本を読むと、「幻聴」って本当の声と区別がつかないらしいので、、、頭の中で妄想しているだけの自分は、まだそういう域まで達していないんでしょう……きっと。

 でも、いまのうちに、そういう病院を探しておいたほうがいいんじゃないですかね? (えー)
author by よんなん
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