(ハル)

 書評のカテゴリに入れたものの、この作品は映画です。(amazon.co.jp

 知る人ぞ知る、深津絵里さんと内野聖陽さんがパソコン通信で知り合う二人を演じるお話です。

 この映画はずいぶん前にテレビで放映されたとき一度見ていました。
 確か、大学受験の準備中だったか、大学に入ってすぐだったか、その頃だったと思います。

 当時の私にとって新鮮だったのは、ヒロインの(ほし)が、盛岡に住んでいながら最新の映画の話題にもついていっていること、それなりに充実した一人暮らしをしていること、職を転々としながら生活をしているところと、新幹線通勤でした。


 2か月くらい前にGyaOでやっていたのでまた見たんですけど、あれは一回止めてそこからあとでまた見る、なんていうことができないので、別なことをしながらチラチラ見ただけでした。
 先週、近所のTSUTAYAが毎週火曜に200円で借りられるのを思い出し、借りてきたのです。(とはいえ、結局は全編を通しで見ました)

 サラリーマンになったいま、あらためて見てみると、やはり、職を転々とするあたりに新鮮味を感じます。それを含めた、(ほし)と(ハル)の一人暮らしでのライフスタイルに関心が行きます。

 それと、話の重要な部分に東北新幹線が出てくるのも、個人的にいいなと思います。
 遠距離恋愛のお話なんだから乗り物が重要な役割を果たすのは当たり前ですけど。


 「いろんな職業を経験したい」という(ほし)は、デパートの販売員に始まって、パン屋、コンパニオン、図書館の職員……と、めまぐるしく仕事の環境を変えます。
 (ハル)も最終的に転職しますし、(ほし)の妹(ローズ)も婚約者を見つけて勤めていた歯医者を辞めてしまいます。

 よく、「趣味が仕事になって、いいですねぇ」と言われ、実際に仕事が楽しい私ですけれども、終身雇用が前提(=一度辞めたら戻れない)の会社なうえ、社内の組織も(実は採用も)激しくタテ割りなので、他の部門の仕事に携わることはまずなさそうです。

 好きなことが仕事になって、住む場所も安く世話してくれて、いまのところいいことづくめではあっても、自分の人生をまるごと生涯賃金2〜3億円で会社の一部門(←これ重要)に売ってそれでおしまいか、という気にならなくもないです。

 なにせ、仕事そのものに加えて、高崎では会社を通じた人との付き合いしかありません。
 給料が出ないという意味での「自分の時間」はあっても、この映画に登場する人物のような「自分の時間」を過ごすことがないので、余計にそう思うわけです。

 そういえば、高崎で勤務先以外の人とつながりを持ちたい、とは、以前も書いた気がします。

 まぁ、逆に、短期間に職を転々として、最後に残るものは? というと、将来の生活に対する不安でしかないのも目に見えているのですが。


 あと、(ほし)も(ハル)も住まいがすっきり整頓してあるのは、うらやましいです。

 とにかく今の私の部屋の散らかりようといったら、テレビドラマの「電車男」に出てきた阪神タイガース男並みですから。


 田舎暮らしといえば、(ほし)が通勤に使う新幹線の駅までの足にしているクルマは、コンパクトカーじゃなくてカローラみたいなセダンなんですね。

 1995年当時はコンパクトカーなんてあまり一般的ではなかったのでしょうか。
 セダンを一人で使う、というのもありなのかなぁ、と、コロナは一人で使うには大きすぎると日頃思っている私にちょっと違う考え方をさせてくれそうです。


 「恋愛は、もう一人の自分を選ぶこと」という、なかなか興味深いセリフなんかもあったのですけれど、そういうのは、へー面白いな、と思うだけでおしまいです。
author by よんなん
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