夢の予定表

 このところ、渡邉美樹さんの手帳とか、佐々木かをりさんの手帳とか、夢や目標に日付をつけて手帳に書くという類の話をよく耳にします。

 つい最近まで、うさんくさい話としか思っていませんでした。

 10年も先の予定を日付入りで書いて、しかもそれが実現しているなんて、どこぞの共産主義社会の計画経済じゃあるまいし、と。

 そりゃ、何千人だか何万人に一人くらい、それで成功する人はいるのでしょうけれど。



 さて、勤務先の会社で入社2年目社員を対象にした研修を受けてきました。

 そこで配られたのは、新入社員研修で書かされた「私のアクションプラン」。

 去年の7月だったかに、3か月後、1年後、2年後、5年後の自分の目標と、実行する時期を「具体的」に書きなさいと言われて素直に書いていた記憶があります。


 やれ夢の手帳だの何だのを知らなかった去年の私は、「具体的な日付」とともに目標を書く、ということに恐れおののき、あくまで達成が可能そうな目標を書きました。


 3か月後の目標のところには

・職場にかかってきた電話を一番に取る
・毎朝5時に起きる


 などと、たわいもないことばかりが書いてあります。

 ですが、これって、いつも私が「そのうちやろうと思っていつまでもやらない」でいる類の話です。


 あれから1年経って改めて思い返してみると、日付まで書いて周囲に宣言してしまったからには放ったらかしにもできず、あらかた達成してきたように思います。

 なかには、想定外のケースや、日付どおりにならなかったものもありましたが。(配属先の職場で、自分の電話どころか自分の机がなかった、とか)
 それでも、「いつまでもやらない」という事態には陥らずに済んでいます。


 ……そういう意味での「夢手帳」なら、ありだなぁ、と思いました。

 よく考えてみれば、たとえば「社長になる」と10年後の予定を立てたところである日突如社長になれるわけがなく、それまでの道のりというのは「そのうちやろうと思っていつまでもやらない」ことがらの積み重ねなんじゃないか、と。
(やれ資格を取るだの、語学を勉強するだの…)


 まさか、10年間、軌道修正もせずに目標を達成しつづける、などということはありえず、今回のように、1年おきくらいに思い出したかのように見直したりすれば、それなりの意味はあるんだろうなぁ、と思ったのでした。
author by よんなん
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