市川エフエム放送の終焉

 6月13日(火)、破産手続中だった市川エフエム放送の放送エリアを、近隣の既存放送局であるエフエム浦安が継承することが、エフエム浦安により発表されました。

 まず、破産管財人の先生が、そもそも局舎内のがらくた同然の設備を中古品として売却して微々たる額を配当して破産処理を終結しても何の落ち度もないところ、放送局の事業譲渡という前例のない処理方法に取り組まれ、見事に成果を出されたことに、賞賛と感謝の意を表したいと思います。

 おそらくこれにより、市川エフエム放送株式会社が持つ資産の換価は終わることになると思われ、そう遠くないうちに計算報告のための債権者集会が開かれて破産手続は終結することになるでしょう。


 エフエム浦安は、もともと出力5Wでしか免許がおりておらず、放送エリアは浦安市全域すらカバーできていたかどうかという放送局でしたから、市川エフエム放送の放送エリア(浦安市内でもほぼ聴こえる)を継承できれば「業務拡大」ができるメリットがあります。

 また、現に放送をしている既存の放送局ですから、2月の説明会で破産管財人の先生が言われていた「リスナーなし、スポンサーなし、スタッフなしの状態からの再スタート」という課題をすでにクリアしている唯一の事業体だったことも間違いありません。

 ほかに名乗りを上げた事業体が仮にあったとしても、管財人の先生としては安心して電波法関係の手続きを進められる継承候補だったでしょうし、おそらくは譲受のために提示した金額もエフエム浦安にとってのメリットに相応するものだったのではないでしょうか。(推測)


 破産処理の過程での放送局事業の譲渡……でしたから、放送局の免許ごとの譲渡と思われましたが、コールサインはエフエム浦安のもの(JOZZ3AY-FM)が引き続き使われるとのことです。

 市川エフエム放送の放送局免許と、エフエム浦安の免許、どちらを存続させてどちらを廃止するかは、総務省により実態に即した指導があったものと思われます。(推察)

 このように、放送エリアは市川エフエム放送のものが継承されることになりましたが、中身としては現在放送をしているエフエム浦安がそのまま引越してくることになります。


 ひとくちに「コミュニティ放送局」といっても放送局それぞれに番組編成の特徴があります。

 放送休止前の市川エフエム放送は市民ボランティアを起用した生放送の自社制作番組を主体とした編成でした。……開局当時の社長の弁を借りれば「聴けば市川がどんな場所か分かる放送局」、確かに市民がパーソナリティですから、どんな人が住んでいるかはよく伝わってくる番組が多かったと思います。
(フィラーの時間も多かったですが)

 一方のエフエム浦安は、現在の番組表を見る限りでは平日昼のワイド番組以外は多くが社外制作番組となっており、放送料金の案内と合わせると、ほとんどが収録済みの番組として(いわゆる「完パケ」で)スポンサー料金とともに持ち込まれる番組のようです。

 週末にエフエム浦安のサイマル放送(インターネット同時放送)を聞いてみると雰囲気は元のいちかわエフエムとだいぶ違い、放送エリア(浦安市)内へ向けた放送というよりはインターネット放送をすることを主眼にした番組が過半のように感じました。(個人の感想です)


 「業務拡大」とともに、インターネット経由ではなく放送そのもので聴こえるエリアが大きく広がることで、スポンサー(←重要)や番組編成に変化があるかどうか、実際の放送開始を楽しみにしたいと思います。
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「ワークライフバランス」って要は家にいる時間

 今年のGWは水曜日から日曜日までの5連休になり、家にいる時間がそれなりに確保できて、少しは散らかった部屋を片付けたりできました。

 人を通せるには程遠いですが、床が見えるようになりましたよ。

 このところ月2〜3回程度の更新になっているこのブログも、5連休の間に2つも記事を書いたり。……1か月分の投稿を5日でですよ!


 日勤職で片道2時間、往復4時間かかる職場へ通勤をし始めて3年半が経ち、それなりに仕事も任されるようになって残業をすることも増え、日々、朝6時半に家を出て帰宅は21時前後という生活です。

 週2回は定時退社をするのですが、昨年に首をけがしてしまって(当時の記事)整骨院に寄って帰るので、やはり帰宅は21時前後です。

 (世の中にはもっと過酷に働いている人もいるのでしょうけれども)日々6〜7時間程度は寝るようにしていると、あとは入浴やら食事の準備をしに帰るだけの我が家になり果てている現状です。土曜日も昼まで寝ていることが増えました。

 月間の残業時間は多くても25時間を下回る程度なので、いま世の中で言われている80時間とか100時間に比べれば圧倒的に短いです。

 ……しかし、片道1時間で通える職場と比べて、毎日2時間余計に通勤時間を要しているので、出勤日が月20日なら合計40時間は家にいる時間が短い計算で、月間65時間の残業をしている人レベルになります。
(少なくとも、勤務先の36協定で月65時間の残業は労働組合との事前協議が必要なレベル)

 もちろん、行き帰りの通勤時間は電車内でマンガを読もうが居眠りしようがツイッターを見ていようが自由なので、労働時間として緊張感を持たなければいけない時間ではありません。

 この長い通勤時間を活かして勉強をして取った資格もあります。


 そうなのですが、この部屋の散らかりようや、すっかりオブジェと化してしまったピアノ(始めたころの記事)やらを見ると、ワークライフバランスっていうけれど、労働時間の長短というよりは家にいる時間なんだろうな……と思ったりするわけです。

 じゃぁ転勤が多い会社に勤めていて持ち家なんかにするのが間違いなんだ、賃貸住宅に住んで転勤のつど職場に近い場所へ引越せばいいんじゃないか、という考えもあるわけですが、勤務先は異動の通知が10日前なのと、35歳を過ぎて独身だと寮に入るのにも制限があり、実質的に転勤まで1回の週末で物件を探して契約する、、、というのはなかなか難しいところだと考えています。
(やり遂げている先輩方もいらっしゃいますが)
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「いちかわエフエム」のその後

 5月になり、市川エフエム放送が事業を停止して自己破産を申し立ててから6か月目に入りました。

 官報で公告されていた債権者集会の日(3月13日)もとっくに過ぎましたが、4月30日現在、本八幡駅近くのビル屋上にある送信アンテナはそのままで、放送局設備(や放送局免許)も含めた会社の清算処理には入っていない模様(推察)です。

 ということは、2月に説明会があったあとどこかしらの事業体と破産管財人の先生とで放送局事業の譲渡へ向けて取り組まれているに違いない、と期待をしています。

 インターネット上の匿名掲示板には4月17日に

自殺労災騒動で潰れた市川FMの事業譲渡。
入札落札したのがFM浦安。
FM浦安は移転。浦安は停波。
7月からの名称不明。病院みたいに市川浦安FMになるかな?

と、その事業体は隣接エリアの既存放送局だというような情報が書き込まれていましたが、真偽のほどは分からず論評は差し控えます。


 さて、現時点で確認をしている、昨年11月までのスタッフの方々によるインターネット上での情報発信についてまとめたいと思います。

 まずは元Web担当さん。

 ブログの新規記事はありませんが、indexページの文言はときどき変化があって、現在にわたってメンテナンスされ続けている様子です。Twitter(@ichikawafm_web)は12月から鍵つきアカウントになっていましたが、5月に入って元のアカウント名では存在を確認できなくなっています。

 そのほか、12月からさっそくインターネット上での情報発信を始められた方々の中では、日曜夜の「Nightでないと!」(Youtubeでの番組配信)や金曜夜の「きままなお部屋」(ブログ)が、更新を毎週継続中です。

 4月に入り、金曜昼の番組を担当されていた3人のパーソナリティのみなさんが「チームふらいでー」として不定期の番組配信を始められました。……毎週更新だとか毎月決まった日に更新というわけではないようで、まだ4月4日更新の第1回のみの配信ですが、次回を楽しみにしています。


 ところで個人的な話題ですが、自分はGWがカレンダー通りということもあり、部屋の掃除をしています。

 BGMは過去に録音してあった「いちかわエフエム」の番組を流しています……何年か前の番組でも、主に日常の話題を話している番組は4月末〜5月はじめに流れていたものならそんなに話題に違和感なく聴けて楽しいです。(新年度から1か月たったとかGWの過ごし方とかそんな話題)

 時事ネタが豊富な番組は、当時はそんなこともあったんだなぁという話題ばっかりですが。

 現時点では過半の番組は11月末でそれっきり、というのがとても寂しいです。
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「いちかわエフエム」継承のあり方の私案(2) というかハードルの話

 きょうは官報に告示されていた「市川エフエム放送株式会社」の債権者集会の日でした。

 私は債権者ではないので出席する資格もありませんでしたが、破産管財人の先生から破産財団の換価の見通し(≒放送局事業の譲渡のめどの有無)について、どのようなお話があったのかとても気になるところです。


 継承のあり方は前の記事に書いたようなことをなんとなく考えていました。

 元のスタッフで会社なりNPO法人なりを作り、放送局の収益で必要な経費をまかなえないぶんは、主に社会人のスタッフに協力をお願いするほかに、「応援団」を組織してリスナーからも寄付を募ることが主眼です。
(もちろん、スポンサー収入で経費をまかなえれば言うことありませんが)


 ただ、最大のネックは「誰が中心になってやるのか」です。


 新事業体で放送局の免許を引き継ぐには、単に元の会社と事業の売買契約を結べばよいのではなくて、総務省の審査があります。

 そろえなければならない書類もありますし、スポンサー候補との交渉も必要になるでしょう。

 ……総務省に顔を出すにも、まず想定されるスポンサー=放送エリア内の自治体などへ足を運ぶにも、平日の昼間に時間がなければいけません。

 仮に平日に休みが取れる人でも、会社勤めの方は勤務先の副業禁止規定との兼ね合いも出てくるかもしれません。


 私自身は、勤務先の副業禁止規定以前の話として月〜金勤務のサラリーマンですから、仮に副業云々をクリアしたとしても、官公庁との打ち合わせがあるたびに休暇をとるか、あるいは会社を辞めるかしかありません。

 立ち上げ時点のお金ならいくらか集まるだろうとは思いましたが、平日に自由な時間がある人がいるだろうか……というところで、私は見つけることができず断念しました。


 学生時代の知り合いには、いったん勤め先を辞めて他人の起業を手伝って新会社が軌道に乗ったら元の会社に再就職をした、という方が何人かいるのですが、残念ながら私のいまの勤務先はいったん辞めたら再就職の道はほぼない(いったん辞めた人を再度採用した話を聞いたことがないうえに、中途採用の募集要項を見てもいまの私の業務ジャンルは募集がない)ので、その点もある意味でネックでした。

 退路を断って本気で放送局の再建に臨むにはよいのでしょうが、今後の生活を考えると二の足を踏まざるを得なかったのも正直なところです。
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「いちかわエフエム」継承のあり方の私案(1)

 3月になり、破産手続中の市川エフエム放送から事業を継承する意思を管財人の先生あてに表明する一つの区切りが過ぎました。

 私は残念ながら仕事を辞めて取り組む決心はできず、志を同じくする方も見つけられず、意思表明は見送ることにしました。

♯この件をかなり思い悩んだからかどうか、先週末に白髪が数本見つかりました、、、まだ30代なのに、なかなかショックでしたよ…!

 心ある方に引き継いでいただき、ふたたび83.0MHzで、市民のボランティアスタッフ=放送エリアに住む人と等身大のパーソナリティが話す身近な話題を聴けたらどんなにいいかと思います。


 もし名乗り出る事業体がなければその時点で事業継承の可能性はなくなり、破産管財人の先生によってすみやかな清算処理が始まるでしょうから、そう遠くないうちに屋外にある送信アンテナが撤去されてそれで分かると思います。

 もし何らかの事業体が引き継ぎに手を挙げて免許の継承に取り組まれるなら、早ければ夏ごろ、遅くても年内には83.0MHzから再び何かが聴こえ始めるのではないか……と楽しみにしたいです。


 それで、上で「志を同じくする人」と書きましたが、どんな継承のあり方を考えていたか、書こうと思います。

 手を挙げなかった以上、もはや私の妄想です。


 基本的なスタンスとして、元の放送局と同じくボランティアスタッフ中心のワンマンパーソナリティによる番組を主に編成します。
(それは、元あった放送局と同じような番組、できれば元の番組の続きを聴きたいからです! ……文句あるか!)

 事業として継続するには、運営に必要な経費は収入でまかなわなければいけません。

 ……元の会社は赤字経営続きだったという新聞報道でしたから、スポンサー料だけではまかなえなかったということでしょう。(新聞によれば市川市の広報番組の放送料は年およそ200万円とのことでした)

 さらに開局時の資本金7,000万円から破たん時点で1億3,000万円に増資されていましたが、総務省のWebサイトの情報から増資分はほぼ社長個人による拠出だったことが分かります。
(放送局はその事業内容から、1割以上出資する個人や法人の名前が監督官庁によって公開されています)

 そうして家一軒買えるくらいの私財を投じて赤字をつぐない、ボランティアスタッフに番組をやらせてくれた方はもういないわけです。


 後継の事業体では、さらなるスポンサー獲得に営業を強化する一方で、ボランティアスタッフから一定の拠出をつのることも考えなければならないでしょう。

 私自身、学生時代の4年あまりにわたって放送の現場に立つ経験が得られたのは、実は身を削り続けて赤字を埋めていた経営陣がいたからだったわけです。

 同じようなお大尽がどこかから現れてくれるのを期待するか、自分たちでお金を出し合うか……まずは後者を考えなければいけないだろうと思うのです。

 じゃぁボランティアスタッフがそれぞれスポンサーになって番組枠を買って放送をするのか、というと難しいですが、特に社会人パーソナリティの方々を中心に負担をお願いすることは考えてもよいのではないかと思います。

 さらに広く、「いちかわエフエム応援団」みたいな組織を作ってリスナーから会費をつのり、応援メッセージをCMという形で流すことができればいいと思います。


 さてそうしたときに、お金を出しやすくするしくみがあるとよいです。……手っ取り早いところでは「お金を出すと税金対策になる」というのが分かりやすいでしょう。

 事業を営んでいる方はスポンサーになればCM料金は損金にできるでしょうが、一個人がたとえば応援団の会費を払ったからといって税金の控除を受けることは難しいです。

 そこで、運営主体をNPO法人として、5年後には「認定NPO法人」となることを目指します。(一般財団法人でスタート→公益財団法人へ移行でもよいです)

 認定NPO法人に寄付をした額は寄付金控除を受けることができます。……少額の寄付はもちろん、もしも「お大尽」のような方が現れたとすれば、放送局にお金を出すこと=税金対策になります。


 もともとコミュニティ放送局という事業はそう簡単に黒字が出るようなものではなく、元の会社の経営陣がそうしたように赤字を償いながら事業を継続することも想定しなければなりません。

 そういう事業を営むなら、株式会社よりはNPO法人が合っているのではないかと思います。……現実に、NPO法人が運営しているコミュニティ放送局もかなりあります。


 破産処理というなかでの事業譲渡ですから、NPO法人を設立する審査を受けている時間があるのかどうか、という問題もあります。

 その点は、いったん株式会社で引き継ぎ、並行してNPO法人の設立を準備して新会社からNPO法人にさらに引き継ぐことも考えてよいのではないでしょうか。

(続く……かも?)
author by よんなん
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「いちかわエフエム」のゆくえ

 きのう(2017年2月20日)、破産手続中の市川エフエム放送の事業譲渡に関する説明会が市川市内で開催されました。

 このようなブログを書いていることもあってか、破産管財人をおつとめの弁護士の先生よりご案内をいただくことができ、休暇を取って出席をしてきました。


 説明会では、おおむね今月いっぱいないし今年度中くらいをめどにに継承へ具体的な名乗りをあげる事業体があれば、その事業体とともに今年いっぱいくらいは事業継承について可能性を探るようなお話がありました。

 管財人の先生は、元の会社が「放送局」という公益性の高い事業を営んでいた事実に加え、放送休止後もリスナーから放送局に届いていたメッセージに込められた想いを、十分に受け止めていらっしゃる様子で、今回説明会を開いたように事業譲渡という形で元の会社が持つ資産を最大限に換価(現金化)できたらとお考えのようです。


 もちろんそれ以前の話として、裁判所から選任された、元の経営陣からは独立した破産管財人として、元の会社が持つ資産を可能な限り多くの額に換価して債権者に公平に配分しなければならないという、最優先の使命があります。

 そうした破産手続独特のスピード感が求められる中での事業譲渡ということで、直近のデッドラインは今月〜今年度いっぱいくらいがめどということのようです。 


 説明会に顔を出した限りでは、

「よし、わが社で引き受けた!」とか
「運営主体を作るから賛同者集まれ!」

という雰囲気の出席者は(私を含めて)見受けられず、求められるスピード感に対しては非常に厳しいものがあるという印象を持たざるを得ませんでした。


 新しい事業体を立ち上げる動きがあるなら最初の資金なりノウハウなり協力できるかもしれない、という方はいらっしゃるようでしたので、最大の課題はやはり「誰が中心となって本気で(自分の生活もかけて)放送局をやるのか」なのでしょう。

 私自身も、いまの勤めを辞めて運営主体になれるかというと、非常に難しいのが現実です。


 再スタート時点の協力ならできるという方はそれなりに揃っているように見えますので、まずこの先(仮に再開するとして)放送局が軌道に乗るまでを手弁当で、さらにその先は放送局の収益から得られる報酬で生活するあて(貯蓄なりそのほかのお仕事なり)があるという中心人物さえ一人現れれば一気に話が進むようにも思います。
(放送エリアに住んでさえいれば、市川市民であるか否かはこの際関係ないと思います)

 残された時間は、まず今月いっぱい=およそ1週間でしょうか。
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市川エフエム放送の自己破産申請に対する私見(5)

 1月に入り、いちかわエフエムの公式サイトがつながらなくなりました。

 ふと思い立って、1月11日の夕方にFAX受付番号などへ電話をかけてみると、「お客さまがおかけになった電話番号は、現在使われておりません」というアナウンスが流れました。

 電話は解約され、Webサーバーやメールサーバーも撤去されたのでしょうか。


 パーソナリティの方のブログによると、局舎内に置いたままだった私物も12月末に返還されたようです。

 私物の返還とともに12月以降に届いた番組あてのメールもスタッフのもとへ届けられたそうで、おそらくサーバーを撤去する際に残っていたメールを出力したのではないかと推察しています。(あくまで推察)

 きっと、破産管財人による放送局内の整理が着々と進んでいるということなのでしょう。


 電話は解約でなく休止だとしても、再開するときには電話番号が変わってしまいます。

 放送局内の設備も片付けが進んでいるとなると、この先、破産手続が終わるまでに放送局を譲受する事業者が現れても、再び放送局の設備を整えるところから再開しなければならないことになりそうです。


 外から見てわかるいちかわエフエムの施設のひとつに、本八幡駅近くのビルの屋上に設置された送信アンテナがあります。これは総武線の電車から見えます。

 あまり気に留めていない施設でしたが、放送休止以来、明るいうちに総武線で本八幡駅を通るたびに、撤去されていないか確認するようになりました。

 幸い(?)、2017年1月28日時点で撤去されている様子はなく、リスナーとしては放送局の再開に期待をつないでいます。


 さて、運営会社としての市川エフエム放送が自己破産を申立てるに至った直接的な出来事と思われるのが、損害賠償請求の裁判と放送料金の差押えです。

 こんなブログを書いているからか、私のもとへ裁判に関して断片的な情報がちらほら寄せられました。

 私自身は裁判の記録を直接見たことがないので、その情報をもとに言及することは差し控えます。


 私が直接触れたものといえば、いちかわエフエムの番組です。

 過半のパーソナリティの方は、11月末で放送を休止するとも知らずに番組を制作して出演されていたと思いますが、11月最終週の番組で(私が気づいたなかでは)唯一、普段と違う番組がありました。

 その番組は毎週の締めくくりの言葉が「また来週も聴いてください、おやすみなさい」だったのですが、11月最終週だけ、ひとこと「おやすみなさい」と終わっていて「また来週も聴いてください」とは言わなかったのです。

 たまたま「また来週も聴いてください」と言い忘れただけかもしれませんが、もしかすると、11月末で放送を休止して自己破産することを知る立場の方だった(あるいは決定する立場の方だった)のではないかと思っています。


 その番組の放送休止前の最終回となった11月末の放送では、11月25日に死去したフィデル・カストロの話題に触れ、アメリカ国内でキューバからの移民が鳴り物を持って路上へ繰り出しカストロの死を大喜びしていることに関して

「日本では、どんなひどい奴でも、亡くなったときに喜ぶっていうのは……やっぱり亡くなられた方は尊敬をしなきゃいけない、っていうのはある」

とコメントをされていたのが、いまとなってはとても印象的です。


 一連の件について、会社をたたむ結果となった時点でどう考えていたのか、(日本という場所での一般論を述べたに過ぎないにせよ)少し表れているのではないかなぁ……と、私はその番組を振り返ってそう受け止めました。
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市川エフエム放送の自己破産申請に対する私見(4)

 前回の記事まで、FM放送局の再開があるとすれば破産手続が終了して法人が放送局免許とともに消滅するするまでに放送局事業を買い取ることだと述べました。

 そのほかにどういう形があるでしょうか。


 考えられるのは、インターネット放送局に移行することです。

 FM局をやめてインターネット放送局に移行した例には、神戸市のコミュニティ放送局だった「エフエムわいわい」の例があります。(FM放送は2016年3月に終了)

 もっとも、エムエムわいわいは運営法人がそのままです。


 今回のいちかわエフエムの場合は、FM放送をしていた組織がそのまま移行するという形は(会社がこれから消滅することもあって)難しそうです。

 市民スタッフの皆様の思いは熱いと思われ、12月中にTwitterやブログで情報発信を始められたパーソナリティの方や、個人的に番組を制作してYouTube配信の形で番組を継続しておいでの方もいらっしゃいます。


 ただ、過去に、いちかわエフエムでの番組を(何らかの事情があったのか)終了してWeb上の掲示板やブログに情報発信・交流の場を移したパーソナリティーの方の例はありましたが、FM放送からWeb上に場を移して以後現在にわたって継続できているかというと、Webページは残っていますがラジオ関係の更新は止まっている様子です。

 ブログなどのメディアは、放送とは違って「放送に穴をあける」という(経験者なら)身の毛もよだつ恐ろしい事態がないので、よほどのモチベーションがないとすっぽかしやすい特性は(現実問題として)あるように思います。

 なかには、突然の放送休止により番組でお別れのあいさつを放送できなかったので最終回のようなものが届けられればそれでいい……とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

 フェードアウトせずに続けられるかどうか、その点は心配しています。


 唯一、日曜21時から1時間の番組を担当されていた方が放送休止の週から個人的にYoutubeで毎週日曜21時から1時間の番組配信を始められたのは、ご本人が番組制作・インターネット配信に必要な設備とノウハウをお持ちだということもあり、継続には期待をしています。


 ただ、インターネット放送で目的を達せられるなら、市川市とその周辺地域にコミュニティFM局というインフラはそもそも必要なのか(必要だったのか)……という議論も不可避な気がしますが、日本のラジオ局全体を見渡すと(大手民放もNHKもコミュニティ放送局も)ラジオ放送のかたわらインターネット配信「も」行う事業者が過半になりつつあるなか、それはひとまず置いておくことにします。
author by よんなん
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市川エフエム放送の自己破産申請に対する私見(3)

 12月1日に突然放送が流れなくなって翌日に「お知らせ」が掲載されたわけですが、読売新聞千葉面にはいちかわエフエムの番組表が毎日掲載されていました。

 12月1日付朝刊の紙面はどうだったのか気になって、古新聞の山から引っ張り出してみました。

 すると、11月30日付には番組表が掲載されているのに、12月1日付には載っていません。……少なくとも、読売新聞の朝刊締切時刻の時点で、放送がないことは読売新聞に伝わっていたことになります。

 12月3日の読売新聞千葉面「市川エフエムが自己破産申請」の記事には、11月30日付で放送休止届を監督官庁へ提出したとあります。

 (まだ放送が続いていた)11月30日に提出したのか、それとも11月30日付で放送を休止すると書いた書類を12月に入ってから提出したのか、記事だけでは読み取れませんが、12月1日付朝刊に番組表が載らなかったことから推察するに、突然のようでいてあらかじめ決まっていて関係する人には知らせてあった放送休止だったように思われます。

 ……まぁそりゃぁ、自己破産の申請をしようというのにある日突然思い付きでやるわけがなくて、関係者(特に債権者)には知られないようにしつつ、かつ段取りは着々と踏んであったということなのでしょう。


 そのほか、元Web担当の方のTwitterブログには

当アカウント担当者の退職に伴い、いったん鍵をかけました

ブログについて、当アカウント担当者の退職に伴い、従来公開していた記事はいったん非公開に設定しました。

>いったん鍵をかけました
>いったん鍵をかけました
>いったん鍵をかけました

>いったん非公開に設定しました
>いったん非公開に設定しました
>いったん非公開に設定しました

とあり、「いったん」=しばらくの間、一時、の意味(goo辞書)だとすれば、再開があるかのようにも読めます。

 もっとも、放送局が再開するのか、単に時間がたってほとぼりがさめたらアーカイブ的に再度公開して元社員の方の個人的なツイートやブログの更新をされるつもりなだけなのか、そこは分かりませんが、気になります。


 さて、法人としての市川エフエム放送が解散へ向かうなか、放送局が続く道があるとするなら放送局事業の譲渡となりますが、事業譲渡となれば従業員の雇用も引き継ぐことが考えられます。

 Web担当の方はいったん(?)退職されたようですし、(さっそく次の仕事を見つけられているなら別として)路頭に迷わせないようにするには失業保険の給付が切れる前に放送局が再開しなければならないでしょう。


 そんなふうに考えていたなか、12月15日付の官報に市川エフエム放送の破産手続開始が告示されていました。

 それによると「財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日」(いわゆる債権者集会)は平成29年3月13日とのことです。

 破産管財人の方が現在の市川エフエム放送が持つ換価できる資産を調査して債権者に配当の見通しを報告して、破産手続きの廃止に関する意見を聴取する日が3か月後というわけです。

 そこで債権者がほかに財産があるはずだ! と主張して破産管財人の方が引き続き調査するのでない限りは、おそらくその日からそれほどの日を置かずに破産手続きは終了して市川エフエム放送は名実ともに消滅することになるのでしょう。


 新規に後継法人を立ち上げるか既存の法人で引き受けるところを探して事業を買い取るならば、その間にということになりそうです。

 事業譲受にどれだけの対価が必要なのか……破産管財人や裁判所次第ということになりそうですが、たとえば入札ということになれば、どういう応札があるかによるものの、もしかすると新規に放送局を立ち上げ直すのに比べれば安価に事業譲渡を受けることも可能なのではないか……そんな気もしています。
author by よんなん
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市川エフエム放送の自己破産申請に対する私見(2)

(続きです)

 法人としての市川エフエム放送が赤字経営続きだったところへ、さらに数千万円規模の損害賠償請求を受けて立ち行かなくなったようだ、ということはなんとなく分かりました。

 毎週楽しみに聴いていたリスナーとして気になるのは、「放送局が今後どうなるのか」です。


 市川エフエム放送という株式会社は自己破産を申請したので、これが認められて破産の手続きが進めばこの法人は消滅へ向かうことになります。

 それでいて、12月3日付の読売新聞千葉面「市川エフエムが自己破産申請」の記事によれば、

同社は総務省関東総合通信局に11月30日付で放送休止届を提出し、今月1日以降、番組の放送を取りやめている。廃止するかどうかは未定という。

>廃止するかどうかは未定
>廃止するかどうかは未定
>廃止するかどうかは未定

とあります。

 放送局(無線局)免許を持った法人が消滅へ向かうのに、放送局を廃止するかは未定、ということは、事業を承継する法人(または個人……ですが個人の可能性は限りなく低い)が現れることに含みを持たせていることが考えられます。

 コミュニティ放送の事業者が途中から変わった事例には、エフエムわいわいが「株式会社エフエムわいわい」から「NPO法人エフエムわいわい」(株式会社とNPO法人は同名でも別法人)に移行した例、エフエムせたがやの運営主体「株式会社エフエム世田谷」が「株式会社世田谷サービス公社」に吸収された例があり、当初の事業者が消滅することがすなわち放送局の廃止を直接は意味しないことになります。


 破産の手続きを進めて債権者に配当を支払うには、市川エフエム放送が換金できる資産はすべて売却して現金化することになりますが、換金できる資産といっても、スタジオで使われなくなったミキサーやマイク、アンテナ、オフィス家具や何か……中古品として売却するにしても「がらくたの類」しかないのではないでしょうか。(推測)

 放送局事業を譲渡できるならば、債権者へいくらかそれなりに配当を支払えるに違いないです。


 放送局事業の譲渡に目途がついているのか、そうでないのかは不明ですが、もし目途がついているなら突然の放送休止を経ずにスムーズに譲渡されているのではないかと推察します。


 そうすると、放送局の存続を目指すなら、既存の法人で引き受けてくれるところを探すか、新しく立ち上げなければいけないことになります。

 新しく立ち上げるなら出資者を募ることになりますが、現在の市川エフエム放送には、市川市をはじめ、市内の都市ガス会社、信用金庫、大学、食品メーカー、青年会議所、新聞販売店、ケーブルテレビ会社など、市内の名だたる主要な企業や法人などが出資していました。

 現在の出資者にしてみれば、現在の法人が破産して出資した資本金すら返ってくるめどもないのに、同じ(黒字運営は難しい)ビジネスをやるのでまた出資してくださいと言われても即座にOKとはおそらく言わないでしょう。

 では、市内の主要企業を抜きにして放送局事業の譲受に必要な金額の出資は集まるでしょうか……。


 ここで思うのは、(鉄道が趣味なので引き合いに出しますが)北海道でいま言われている「マイレール意識」のような、「マイ放送局意識」なんじゃないのかなぁということです。

 自治体や市内主要企業などの誰かがお金を出してくれるというのではなく、聴いたり参加して楽しんでいる自分たちでお金を出すこと「も」必要なのではないかと思うのです。


 リスナーや市民スタッフの中には、可処分所得がそれなりにある人もいるかもしれません。

 開局当時は学生だったスタッフには、社会人になるとともに聴く側にまわったものの現在はそれなりの企業に勤めたり事業に成功して可処分所得が比較的ある人も、なかにはいるでしょう。たぶん。

 5万円を200人から集めれば1,000万円にはなります。


 確かに一つだけ言えることは、破産手続きが終了して現在の市川エフエム放送が放送局の免許とともに消滅する前に放送局事業を承継する法人を立ち上げるか、既存の法人で引き受けるところを見つけなければ、放送局の存続はほぼないということです。
(いったん放送局が廃止されて再度ゼロから放送局を始めるには、法人を立ち上げるほかに放送局の免許を新しく受ける労力が必要になります)


 仮にそうするとして、具体的に誰が中心になって動くのか……ということでしょうが、どうでしょう。

 少なくとも私は会社勤めですっかり忙殺されている身で、法人立ち上げなどに奔走することはできそうにありません。

#出身大学のサークルOBOG会の仕事も全然できてなくてごめんなさい……。

(続くかも)
author by よんなん
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