十和田観光電鉄のいま

IMGP7508.jpg 久々に十和田観光電鉄に乗りました。

 …自分が部長だった高校2年の鉄研合宿に組み込んだ覚えはありますが、大学生のころに乗ったことは、、あったようななかったような。。。


 十和田観光電鉄に乗るのも久しぶりなら、三沢駅で降りるのも久しぶりで、いつのまにかJR駅だけ橋上駅になっていてたまげました。


 似たような例だと、長野県の上田駅は、JR線(現:しなの鉄道線)が橋上化されたのちに上田電鉄も同じ駅舎に入居して上田電鉄の線路も高架になりましたが、こちらはJR線が来年冬に「青い森鉄道」になっても十和田観光電鉄が新駅舎へ乗り入れるような余地はないようにも見えます。。


 十和田観光電鉄の現況は、Wikipediaでその関連項目を見てもあまり要領を得ませんでしたが、実際に乗ってみると明日廃止されてもほとんど困る人がいないようにも見受けられましたが、どうなんでしょうか。


 電車は元東急7700系…って今でも池上線や東急多摩川線で現役の電車、と性能面では申し分なさそうです。

 駅は、いつの間に直したのかすべての駅でホームが新しくなっており、屋根と壁がついた待合スペースが完備されているほか、電車との段差もほとんどありません。

 が、線路が悪いのかどうか電車は40〜50km/hくらいでのんびり走っており、大半の区間で併走する道路のクルマにじゃんじゃん追い抜かれています。


 平日の昼間ということを差し引いても、乗客が行きも帰りも10人足らずっていうのはどうなんでしょう。……いくら電車がエコとは言っても、大きな電車を両手で数えられる人を乗せるのに動かすエネルギーを考えると微妙なところです。。。


 なんといっても象徴的なのは、終点の十和田市駅(上の写真)です。

 以前は「とうてつダイエー」とバスターミナルが入る3階建てのショッピングセンターに電車の駅が間借りしている感じでしたが、2007年3月にスーパーその他テナントが閉店して「廃墟に電車の駅が間借りしている」様相です。

#いうなれば、五反田駅の東急ストアが閉店して池上線の駅だけ営業しているような雰囲気


 もっと賑わっていたように思うバスターミナル跡(?)も草ぼうぼうで、放置していていいのかな……と思っていたら時折バスがやってくるので、いちおうバス停としては機能しているようです。

IMGP7503.jpg 十和田市駅が「とうてつダイエー」併設駅に移る前の旧十和田市駅跡は、駅移転後も車庫や十和田観光電鉄の本社として使用されていましたが、2005年に取り壊されて今はブックオフやケーズデンキが建っています。

#現在の車止の先が踏切で、写真のブックオフがある辺りへ線路が伸びていた


 ダイエー時代の駐車場はそのままあるので、良くも悪くも「パークアンドライド駅」になっていますが、、、今も営業している旅行センターで東北新幹線のキップを買うと十和田観光電鉄の運賃が半額になる、という施策もやってはいるものの、片道570円が半額になっても、、、、三沢か八戸へクルマで直接行っちゃうんじゃないでしょうか。。。


IMGP7521.jpg 旧型電車は車庫がある七百駅に留置されていて、車内は物置として使われているようですが、全般検査はきちんと受けており廃車ではない様子なので、機会があったら走るのかもしれません。
author by よんなん
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車掌さんは運転士

DSC00593.jpg 青森のホテルも朝7時から無料サービスの朝食がありましたが、7:10発の電車に乗るのに早々にチェックアウトしました。

 青森駅から乗った電車を野辺地で降りて、大湊線に乗りました。


 沿線は、風力発電所はあるわ、高い木は生えていないわで、北海道でいえば道北……それも稚内の近くへ来たかのような荒涼とした雰囲気があって好きです。

#高い木がないのは北海道並みに寒いからというより、風が強いからでしょうけれど


 さて、キハ100のワンマン運行かと思いきや、私が乗った列車はキハ40の2両編成。

 八戸運輸区(盛ハヘ)のキハ40にはワンマン設備がないので車掌が乗っているんですけど、キップを売りに車内巡回に来た車掌さんの左胸には車掌さんの赤い名札がありません。


 失礼ながらよく見てみると、運転士用の黒い名札です。


 ん? 運転士が車掌業務??

 規定上OKだとは聞いたことがありますが、実例は見たことがなかったので、大湊から折り返して野辺地に戻るまで延々と考えていました。

 見間違いか? 

 それとも、7月にしては涼しい日で上着を着ていたので、もしかすると車掌が上着を持って来ていなくて運転士さんから借りたんだろうか? (わざわざ名札を付け替えたりしないでそのまま着ていた)


 帰宅後に調べると、基本的にキハ100でワンマン運行をしている大湊線営業所にはそもそも車掌が配置されておらず、団体が乗るなどで(定員の大きい)キハ40で走るときは運転士が休日出勤するなどして車掌業務をやるのだそうです。

 確かに、この日は大湊から陸奥横浜まで小学生の遠足とおぼしき団体が乗っていました。

(そんなことまでWikipediaに書いてあったので驚きました)


 この運転士さんによる車掌業務は臨時の仕事ということになり、珍しい光景を見ることができたことになります。

 ……一人の社員が運転から営業から保守点検まで何でもこなす第三セクター会社をお手本に、JR各社のローカル線で「営業所」「鉄道部」という運営形態が一時期増えました。

 が、結果として運転士さんが掃除やメンテナンスまでこなす勤務形態は(大人の事情で)受け入れられなかった、とか、ローカル線ごとに営業所をわざわざ作らなくても近隣の職場でまとめて担当したほうが効率的、などの事情もあったようで再び職種別の職場による運営に戻している例が多いようです。


 そんななかで大湊線は、当初の目的に近い形で運営されている数少ない路線のようです。

 ……って、来年の冬には東北本線が「青い森鉄道」になるので、JR線としては他の路線と一切つながっていない路線になり、大湊線が自前で何でもやらなくてはいけなくなる特殊な事情もあるのでしょうけれど。
author by よんなん
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