中国版「はやて」に乗ってきた(1) チケット獲得編

IMGP5789.jpg 2008年10月の上海旅行で、CRH2型「和諧号」に乗ってきました。

 中国鉄道部CRH2型は川崎重工が中国へ輸出した高速電車で、JR東日本のE2系1000番台(=新幹線「はやて」用の電車)がベース……というか、ほぼそのままです。

 車両の詳細は、Wikipediaや、こんなページ(「西船junctionどっと混む」さま内)やあんなページ(「駅旅ゆけむり研究室」さま内)が詳しいので、ぜひそちらもご覧になってください。


 中国の鉄道では、日本のグリーン車に当たるのが「軟席」、普通車に当たるのが「硬席」としばしば説明されますが、「和諧号」は全車「軟席」扱いで、グリーン車相当が「1等軟席」、普通車相当が「2等軟席」になっています。

 ……中国の鉄道には背もたれがリクライニングする普通車(硬席)がないらしいので、そういうことになっているんでしょうか?


 さて、乗るのにもっとも安価なチケット入手方法は「現地の鉄道駅で窓口に並んで購入する」方法です。
 運賃・料金は、今回乗った上海〜南京(所要約2時間)だと1等軟席が112元、2等軟席が93元だったので、日本円で1500円〜2000円程度です。(1人民元=17円として)

 ただ、中国の鉄道には、JR東日本の「JR-EAST Shinkansen Reservation」ような海外からネットで列車を予約できるサービスがないので、現地到着後に買いに行って満席では目も当てられません。

IMGP5726.jpg 左の写真は上海駅の「和諧号」切符売り場です。コンコースじゃありません。キップ売り場です。

 日本の「みどりの窓口」では考えられない人の数でした。……日本でたとえるなら、東京ドームでプロ野球の試合が終わった直後の水道橋駅や後楽園駅みたいな様相、、、ですかね?

 現地に親しい友人知人がいて、この行列に並んでキップを買ってくれるよう頼めるよ、という環境にある方は、お礼をぜひお忘れなく…。


 なお、発売開始は日本(JR線だと1ヶ月前から)とは違って、4日前〜1週間前から、と比較的直前なので、長期滞在する旅行なら現地に着いてから買いに行くこともできると思います。


 そんなツテなどない人には、日本国内だとHISなどが中国の鉄道チケット手配を手がけており(HISのサイト)、時刻表もHISのWebサイトに掲載されています。


 今回はHISに手配をお願いしました。
 ただし、料金がべらぼーに高いです。(笑)

 HISの料金表を見ると、上海〜南京の軟席は6400円。……片道ですよ!

 しかも今回はHISで航空券の手配をしなかった(IACEの安いパックだった)ので、1区間につき+1050円の手数料が発生して合計7450円でした。

 2000円弱のチケットが7450円に化けるなんて素敵な商売ですね。(笑)

 …とはいえ、新幹線で2時間移動する距離といえば、日本で言えば東京〜名古屋・新潟・仙台あたりなわけで、JRでこの距離を往復して14900円…と考えればそんなに高くないのかな、、と考えることにしました。

 どのように発券しているのか分かりませんが、もし、HISの上海駐在事務所に端末がなくて社員が駅へ買いに行って列に並んでいるのなら、人件費等々でトントンかもしれませんし。

#チケットの受け取りは日本国内ではなく、現地でHIS上海駐在事務所へ出向くか、追加料金で空港か滞在するホテルへ持ってきてもらいます。

 申し込みはHISの各支店や電話・インターネットでも受け付けているようですが、今回は新宿本社9階の「鉄道の旅専門デスク」を訪れたら、丁寧に応対していただけました。 (そりゃぁ、原価2000円のキップを3倍以上の値段で買ってくれるんですから)

 現在、HISのページには「軟席の中には1等と2等がありますが、お選びいただくことはできません」と書いてあるものの、私が利用した2008年10月時点はこんな記述もなく、行きは2等、帰りは1等で乗り比べをしたい、という希望を聞いていただくことができました。
(もちろん、どちらも「軟席」なので、HISで支払う値段は1等も2等も同じ7450円でした)


 乗る列車を選ぶのに、「抜粋されたものではなく、ちゃんとした時刻表が見たい!」という場合は、中国国鉄のWebサイトで検索できるとかどうとか……外国語サイトを見るのに苦労しない語学力をお持ちの方はそういう方法もあるでしょう。
(列車番号が「D」で始まる列車が「和諧号」なので、それを探しましょう)

081204.jpg なお、冊子になった市販の時刻表は現地の駅売店で上海周辺のもの(写真)が4元(=70円弱)で入手できました。

 この上海版はA5大およそ100ページ(中綴じ)で、表紙にも「はやて」型電車の写真が載っているのは嬉しいものの……表紙の8割方が広告(化粧品?)というのがすごいです。

 国内だと神田神保町にある東方書店など中国書専門店へ行くと中国全土の(およそ300ページ)が700円程度で入手できるようです。(東方書店のページ) 


 ちなみに、列車を選ぶにあたってこれが最重要なんですが、CRH「和諧号」は日本から輸入(or中国メーカーによるライセンス生産)された「CRH2」だけではなく、世界各国から輸入したり技術提携した「CRH1」(カナダ)「CRH3」(ドイツ)「CRH5」(フランス)があります。

 車両の運用は当日決まるという情報もあり、出発前にいろいろ調べたら「CRH2とは違うのが来た」という旅行記もありました。
(再度google検索しても見つからないんですが…)

 念のため、HISでもお尋ねしてみましたが……やはり「当日までどれが来るか分からない」そうです。

 というわけで、当日、「はやて」型ではないのが来たら、あきらめましょう……。。。


 なお、1等軟席の場所は各形式で違うので、1等軟席のチケットが手元にあれば、指定された号車でどの形式が来るか推測できることになります……ってことは、運用はちゃんと事前に決まってるんじゃないか!
author by よんなん
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