ついに理系が国家元首

 理系出身者が総理大臣になるのは、日本の歴史で初めてのことなのだそうですね。

 ……まぁ、こんど政権与党の幹事長になった前の代表がゴタゴタで辞めなければ、仮に政権交代があっても理系宰相の誕生はなかったわけですが。


 大学で機械工学を6年間専攻するなかで技術者は向いてないと観念して半分文系のような職種で今の勤務先に入社した私は、なんで理系に進んだんだっけ? というようなことを忘れていた気がします。


 端的には、高校の進路指導で家業を継ぐ資格を取れる理系学部への進学をやたら言われたのに対し、家へ帰れば父親はその必要はないと反対する狭間で、結論を先送りして高校2年生からのコース分けではとりあえず理系にしておいた、というのも確かですが。
(↑自分の進路なのに面倒な判断は先送りするような奴)

#父親の態度には、親の反対を押し切るくらいの意思がないと通用しない職種で、単に世襲だなんてとんでもないという意味もあった模様。


 とはいえ、高校生のころ宮脇俊三さんのエッセイで

「戦後日本の発展は、官僚や政治家の手柄ではない、技術者の奮闘がよくそれをなしとげたのだ」

というようなくだりを読んで、まったくその通りだと思ったのでしたっけ。


 ちょうどそのころ、東工大出身で市民活動家だった厚生大臣が活躍していたこともあって、いずれ文系職種に就くにしても、大学は理系へ進もうと決めたんじゃないですか。


 私の勝手な決め付けですが、文系組織でも理系がトップに就いたほうがうまくいっているケースって多いんじゃないかと思うんです。

 中国の国家体制は肯定する気になりませんが、中国の国家主席は先代の江沢民氏も現在の胡錦濤氏も、理系出身なんですよ。
(それどころか、あの国の指導者層はほとんど理系)

 ……中国という国は、社会主義体制でなおかつ指導者も文系だったら今頃は北朝鮮のような明日にも破綻しそうな国になっていたんじゃないか、、、と言ったら言い過ぎでしょうか?


 国鉄改革で誕生したJRでも、JR九州初代社長の石井幸孝氏は国鉄の機械畑出身ですし、JR東日本も会長に三井造船から技術者出身の山下勇氏を迎え、副社長には国鉄生え抜きでやはり機械畑出身の山之内秀一郎氏が就いて、とりあえず22年間は潰れずに鉄道事業が存続できた道筋を作ったわけです。

 山下勇氏が残した「顧客主義 技術主義 現場主義」という言葉がありますけど、後半の2つはまさしく理系の理念のような言葉ですよね。。


 こんどの内閣は、総理大臣と副総理兼国家戦略担当相が2人とも理系出身、ということで、そういう面でちょっぴり期待してみたいなぁ、と思ったり思わなかったり。


 そんなわけで、自分も少しは初心を思い出してみたりするきっかけになった出来事でした。
author by よんなん
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