玉掛け技能講習初日

IMGP3026.jpg 「玉掛け」という資格があるのを知ったのは、入社後最初に配属された職場。

 職場内に、資格を持っている人リストが貼り出されていてクレーンやら溶接やらフォークリフトに並んで「玉掛け」とあったのです。

 
 ……玉掛け??


 いまだになかなか理解できないのですが、クレーンを運転できても、クレーンに荷を吊るすことはできないのです。

 クレーンに荷を吊るすのには「玉掛け」という資格が要ります。

 「玉掛け」の語源には諸説あるようですが、いろんなものをクレーンに吊るすのに、球状の物をうまく吊るせるようになれば一人前、ということからというのが今日の講義で見たビデオの中での説明でした。


 こないだのフォークリフトみたいに自分で機械を操縦する資格じゃないので、あんまり楽しい講習じゃなさそうなんですけれども、玉掛けを先にとっておくと小型移動式クレーンや床上操作式クレーンの技能講習で免除科目があるしな、と申し込んでみました。


 クレーンの資格にはいろいろある一方、玉掛けは一つ取ってしまえば、1トン以上のクレーン(吊り荷の重さではなくクレーンの能力で決まる)すべてに吊るすことが可能になります。

 職場にあるような小さなクレーンも、大工さんが木材を吊り上げるユニック車のようなクレーンも、はたまた鉄道車両のような大きなものを吊るのも、東京スカイツリーの建設現場で吊るのも何でもOKです。


 なので、冒頭の「クレーンの種類」には、見たこともないようなクレーンが次々と出てきて最初から頭がパンク状態……。

 しかも「質量目測」や「ワイヤの選定」など、メジャー等を一切使わずに、吊り荷の重さに応じた玉掛け器具を選ぶ実技試験があるのだとか。

 そんなこと、自分にできるのか??

 ……勤務先の職場では、基本的には吊るす荷物の重さはあらかじめ分かっているし、ワイヤの太さだってワイヤ置き場に当然書いておくもの、、、

 って、まぁ確かに鉄道の運転士は「いまどきの電車に速度計なんか当然ついているものだ」といっても速度を目測で観測できないと免許もらえません(=速度計が故障しても運転できるという前提)し、プロとはそういうものなのでありましょう。

#速度計のない現役車両は、昨年引退した銚子電鉄のデハ800形が最後だった…はず

 たとえばワイヤ置き場にワイヤの太さを書いてあったって、前回使ったときに戻し間違えていたら、細いワイヤで重量物を吊り上げて破断させてしまう=吊り荷が落下して誰かが下敷きになる、なんてことも当然考えられるわけです。


 質量目測も見た目でいきなり「何kg」と言え、なんて芸当を要求をされるわけではなく、比重は与えられ、電卓も使用可です。……要は寸法だけを目測できればよいのです。

 しかも、目測といっても自分の手などを実際に当てて測ることはできます。

 あらかじめ自分の左手を広げたときの幅はちょうど20cm。これは測りやすいです。

 あとは、体積の求め方さえ間違えなければよい、、、ってこれは小学校の算数です。


 幸い、午後に質量目測の練習をしたときは無事に正解できました。
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フォークリフト運転技能講習2日目

IMGP2765.jpg 月曜日に続く、2日目です。

 大型特殊自動車の運転免許を持っているので、走行に関する教習は免除になり、荷役装置の操作を中心に8:20〜12:30のおよそ4時間教習を受けます。

 午後もう一度おさらいをしてすぐに試験なので、午前中からひたすら試験項目の練習です。

 教習は雨天決行で、火〜木は雨続きだったのが今日になって雨が上がったので教習の環境は格段に向上。1台を3人で代わる代わる乗って練習練習。

 試験の一連の流れを覚えるまでは少し苦労しましたが、覚えてさえしまえば、勤務先と指差喚呼の仕方が違うなど思うところがあってもツベコベ言わずに「決められたことを決まった通りやる」だけですから、判断能力が鈍って会社を休んでいるような自分でも何も考えなくていい作業なら楽なものです。


 教習車はトヨタ車ですが、銘盤をよく見ると「豊田自動織機」。

 へー。トヨタ発祥の豊田自動織機という会社が今も残っていることは知っていたものの何を作っいるのか謎に思ってましたが、こういう製品を作っているのですね。

#実は繊維機械もまだやっているという事実


 試験の簡単な流れは、

・フォークリフトの外周を点検して乗車
  ↓
・エンジン始動
  ↓
・発進(ストップウォッチ計測開始)
  ↓
・車庫入れコースに前から入り、トラックの荷台に見立てた台から荷物を「二段取り」
  ↓
・クランクを曲がり、もう一つの車庫入れコースに入って台に荷物を「二段置き」
  ↓
・ゴールに到達(ストップウォッチ計測終了……制限時間を超過すると減点)
  ↓
・エンジン停止
  ↓
・下車


 荷役装置を操作するときは必ずサイドブレーキを引いてシフトをニュートラルに入れる(左のブレーキペダルでクラッチを切るのは試験ではNGで、サイド→シフトの順序は必ず守る)ことと、前に出るときは「前よし」、バックするときは「後ろよし」の指差喚呼を忘れずに。

 また、大型特殊自動車の教習では、左手でハンドルのノブをつかみ、右手はハンドルに“添える”と教わるのですが、今回は「右手はひざの上」。左手でサイドブレーキやシフトレバーを扱うときだけ、ハンドルが「ブラ」にならないように右手が登場します。

 最大の違和感があったのは、乗車するときと下車するときの「前よし、後ろよし」。……勤務先だと「右よし、左よし(、足元よし)」なんですけど、コベルコ教習所は「自分が向いている方向に対して右か左か」ではなく「車両の前か後ろか」で喚呼するようです。


 残り二人の方は意外に苦戦している様子でしたが、午後の試験は無事に全員合格。

 隣でやっている玉掛けの教習で指導員の喚呼がすごかったので、よーし前々職までみたいに喚呼バリバリやっちゃおうかな〜、なんて思ったりもしたのですが、我々の先生はゆるゆるだったので、ドン引きされない程度に。(ちょっと不完全燃焼)


kobelco.jpg 講習修了証は即交付です。

 労働安全衛生法に基づく資格なのですが、発行者は公的機関ではなく教習所なんですね。これであらゆるフォークリフトを(法律上は)操作できることになりました。

 終身有効です。
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フォークリフト運転技能講習初日

IMGP2757.jpg 連続5日間の勤務はまだまだ無理ですが、2〜3日なら朝決まった時間に決まった場所へ出かけて簡単なタスクをこなす程度のことはできるようになりました。

 去年の12月に自転車で船橋海浜公園へ行ったら途中に神戸製鋼系列のコベルコ教習所があるのを見つけ、フォークリフトと玉掛けくらいは取っておこうと思っていたので、ひとまずフォークリフトを申し込んでみましたよ。

 入社して最初の職場では会社の手間と負担で教習を受けさせてもらえたのですが、本社採用の自分は対象外。「取りたければ自分で」と言われた怨念を晴らすときです。

 フォークリフトは大型特殊免許を取ってから習いに行くと実技教習の大半が免除になって、1日の座学と半日の実技で費用は20000円です。

 大型特殊を持っていない人は、座学1日+実技が3日間で39500円とほぼ2倍の値段ですから、「四輪実効フルビット」の面目躍如です。

 座学は4日間コースの皆さんと共通で、31人中自分含めた3人はあとは金曜日に来るだけ、残り28人の皆さんはその間の3日間に実技教習を済ませます。……3日間の実習は4班に分かれるとのことなのでフォークリフト1台を7人で使う一方、我々は3人に1台をあてがわれる計算で、その面でもお得です。ふっふっふ。


 さて、座学はフォークリフトの基礎知識・取り扱い・点検整備・力学・安全教育・法令。

 大型特殊免許を取ったとき、ブレーキペダルが右左2つあって「どちらを踏んでも同じ」と教わったんですけど、右を踏むとブレーキだけ、左を踏むとブレーキとともにギアがニュートラルに切り替わるとは初めて知りました。

 走行用のエンジンと、フォークなどの荷役装置を動かすエンジンが同じなので、「停止中に荷役装置をスムーズに動かしたい」ときは左側のブレーキを踏んで右足でアクセルをふかせばよい、という仕組みです。ほおお。

 あくまで運転免許証としての大型特殊は「道路を走るため」の資格で、「装置を取り扱う資格」とは別なので、自動車教習所では「右も左も同じ」と教えても差し支えはないわけですね。


 バッテリー式のフォークリフトの整備で、バッテリ液が減ったらキャップをあけて蒸留水を注入する、というのは最初の職場で整備していた機械でも同じことをやっていたので理解が早かったです。

 電動のリーチフォークリフト(→Wikipedia)はフットブレーキではなく、モーターを逆回転させてブレーキをかけるのだそうで、先生が「モーターは逆回転させても壊れない、 電 車 も そ う だ 」と言ってたけど、本当なのかな……。。。


 力学は、小学校の理科で習う動滑車から、大学の材料力学で習う応力・ひずみまでを一気に復習!

 学部生の頃、弾性ひずみとか降伏点とかヤング率とかフックの法則とか応力集中とか言われてもチンプンカンプンでしたが、こうやって「フォークリフトの構造」から入っていくとすんなり理解できちゃいました。

 技術士の勉強、もう一度してみようか……。


 ところで、小学校……というか中学受験で習う動滑車って、動滑車にぶら下げた物を半分の力で持ち上げられる代わりにヒモを引き上げた長さの半分しか物が上がらない=クレーンに使われる原理、という程度にしか理解していませんでした。

 が、動滑車の上下を逆さまにしてヒモの先端にフォークを取り付け、動滑車をシリンダで直接引き上げてやると、シリンダが動いた長さの2倍、フォークは上にスルスルスルッ……とあがっていくんですね! すげえ!

 ……というかですね、動滑車の原理を小学校で習っておきながら、それを20年以上も思いつかないというのは、技術者として発想が貧弱だということですよ、自分。。。


 最後の筆記試験は簡単でしたが、それにしても8:50〜17:00まで昼休み45分で詰め込んだのは非常に疲れました。。。

 復職したら、9:20から18:00までデスクでじっとしてなきゃいかんのですぞ。。
author by よんなん
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