勲七等 青色桐葉賞

 9月に測量立ち会いをした物件の屋内に、建築会社と足を踏み入れました。

 購入時、不動産屋は鍵を持ってなくて内見ができず(古家つき土地としての売買だったので許容した)、購入後に鍵屋を呼んで解錠してもらったものの扉はびくともせず立ち入れなかったのです。

 庭にある増築部は倒壊しているので、その撤去を建築会社にお願いしたところ、隣地を通らずに搬出するのに扉を開けたといいます。

 現地打合せをすることになり待ち合わせをして、建築士の先生と中に入りました。

 ……購入時はお店か何かだろうと思っていたのですが、どうやら住宅だったようで、廊下代わりの土間と土間に面した部屋が3つでした。
(帰りに市立図書館へ寄って古い住宅地図を閲覧したところ、所蔵している最も古い1977年のものにはご婦人とおぼしき個人名が書いてあり、やはり住宅だったようです)

 水回りは倒壊していた増築部にあったようで、それ解体撤去してしまいましたから、残った建物にはトイレも台所も風呂もありません。

 お店だった建物なら最低限の修繕をしたら内部改装OKにして貸そうかなと思っていましたが、元住宅、しかも水回りは要再建となると費用がかさみそうだなぁ……。


 部屋には布団やら家財やら床に無造作に散らかしてあり、そのなかに仏壇や、兵隊姿の遺影、それに見覚えのある賞状が……叙勲です。

 そんなに立派な方だったのだろうかと文言をよく見ると「勲七等青色桐葉賞」、日付は昭和15年4月29日……あとで調べたら戦没者が受けていた叙勲のようです。

 活用方を考えるにも、ひとまず残置物は処分しましょう、と建築士の先生とお話をしましたが、仏壇や遺影は廃棄する前にお祓いか何かをしてもらうのがよさそうだということになりました。

 仏壇や遺影はお坊さんを呼んでナムナムしてもらって捨てるとして、勲章はどうしたものでしょうか。

 物件売買のときに売主と会うことはなかったのですが、勲章をどうするか、どのお寺を呼ぶべきかくらいは訊いてみましょうか……。

 もし売主が勲章も捨てておいてほしいと言ったら、さてどうしたものか、私とは縁もゆかりもない方ですし、戦争の歴史として教育委員会が受け取ってくれるか、宮内庁へお返しするか、でしょうか。
author by よんなん
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