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それでも「こんな新幹線」が欲しいのか

IMGP1245.jpg 青森から八戸行き普通電車に乗り継ぎました。

 青森駅を10:13に発車する電車の乗客をざっと数えたら40人弱。……大型路線バス1台で全員着席できる人数ですね。

 これを、来月4日からは「青い森鉄道」が引き継いで維持しなければなりません。

 過去、旧国鉄が「独立採算の企業体」としての意思とは関係なく「国策」で次々と作られた赤字線を押し付けられて破綻していった歴史がありました。

 これを踏まえ、「国策」としての「整備新幹線」を“ゴーイングコンサーン”であるJRが引き受ける際は、「上下分離方式」に似たような形でJRが「受益の範囲を限度とした貸付料」を国((独)鉄道・運輸機構)に支払い、平行在来線は経営分離できることになっています。

 そのうえで整備新幹線の建設費は、国が3分の2、地方自治体(都道府県)が3分の1を負担します。

 ……なので、地元自治体がOKしなければ整備新幹線は作られない仕組みです。


 で、この「整備新幹線」、JRが支払うのは「貸付料」……つまり、線路設備は国の財産です。

 日々のメンテナンスはJRがやりますが、設備改良は「大家さん」である国の仕事です。

 そして、「整備新幹線」は260km/h規格でしか造っていないのです。
(東北新幹線の盛岡〜八戸、長野新幹線、九州新幹線も同じ)


 何が言いたいかというと、やれJR東日本の試験車両「FASTEC」は360km/h運転を目指しているとか、やれ「はやぶさ」号の最高速度は320km/hだとか、世間の人は新幹線が300km/h以上で走る時代だと思っている(に違いない)一方で、実はそんな速度が出せるのはJR東日本が自前で線路を所有している盛岡までだ、ということです。

 マイホームはいくらでもリフォームし放題ですが、貸家を店子が勝手にリフォームできないのと同じです。


 盛岡〜新青森は「フル規格」と言っても、260km/hを超えて走ったら環境基準以上の騒音が出ちゃったり、先の列車に追突しちゃったりする程度の線路・信号設備なわけです。

#海外へ新幹線を車両だけでなく「システム全体として」売り込むのはこのため

 本当にそんな新幹線が、地元は「青い森鉄道」として路線バス1台で済む程度の乗客を乗せて走る在来線を引き受けてまで欲しかったのか……そりゃぁ、欲しいといって引き受けたから開業するのであって、自分の知ったことではありませんが。



IMGP1276.jpg それはさておき、八戸駅に停まっていた「青い森鉄道」の電車。

 すでに盛岡〜八戸の青森県部分(目時〜八戸)を引き受けて開業しているんですね。

 ……青い森鉄道のキャラ「モーリー」がとってもかわゆす!!
author by よんなん
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