マイル消化とワンマン特急(3)

 特急を大分駅で改札を出ずに乗り継ぐと料金が通算されるのですが、大分駅の改札内には駅弁屋やそば屋はおろか、売店ひとつないありさまです。

 有人改札で一言断れば買い物に出してくれそうな気はしましたが、自動販売機で飲み物を調達するにとどめて、今回の主目的のワンマン特急「にちりん15号」に乗ります。

 普通車指定席は満席、グリーン車も残席わずかでしたが、自由席も満員だった「ソニック」とは違い、1号車の半分ずつのグリーン車と普通車指定席が密になっていて、のこり3両の自由席はガラガラです。半室しかない普通車指定席にはどうやら団体ツアー客がいるようで、それで満席だったのでしょうか。

 「九州横断特急」のように、運転取扱上はワンマン運転でも、車内改札や案内に当たる客室乗務員が乗っている特急はありましたが、こちらは正真正銘のワンマン運転。

 気になるのは車内改札です。


 週末+普通車指定席が満席の混み具合もあり、特別に車掌が乗務して車内改札をするのでは……とも思い、指定を取ったグリーン車ではなく自由席にひとまず座ってみましたが、車掌の姿はどこにも見当たりません。

 もっとも指定席が満席なら、無札の客が指定席にしらばっくれて座っていても、そこには必ず指定券を持った人が来るわけで、自由席のガラガラ度合いを考えれば、指定席が満席ならむしろ特別改札は必要がないのかもしれません。

 大分〜延岡間は減便をしているくらい(=おそらく乗客が少ないはず)なので、もしかすると延岡から車掌が乗って改札をするのかも……とも思いましたが、延岡では運転士が交代しただけでした。

 しかし考えてみれば、大分駅と宮崎駅以外の停車駅には自動改札がなく、かつ列車別改札をしているでしょうから、途中の有人駅は特急券なしでは改札口を通れません。指定席やグリーン席の空席に勝手に座ってしまうのを除けば、特急料金のほ脱はある程度防げているのかもしれません。

 (遠隔案内システムを導入して)無人化が検討されている停車駅もあるようですが、そこは乗降客も少ないとみなして割り切るのでしょう。(推測)

 一方、大分駅や宮崎駅は常時改札で自動改札もありますから乗車券だけで通れてしまいます。そこは割引率の高い「2枚きっぷ」や「九州ネットきっぷ」などを用意して、乗車券並みの値段で乗れるようにすることで、バランスをとっている……のでしょうか? あるいは「青春18きっぷ」のシーズンばかりは、どの列車で到着したかなど区別がつかないはずで(特に大分駅)、通年商品ではないので割り切っているのか、そういうときこそ特別改札をしているのかどうか、でしょうか。

 ドアの開閉はJR西日本の3〜4両編成ワンマンや、西武や東武の短編成ワンマンのように、運転士が側開戸のところまでやってきて車掌スイッチを扱うスタイルでした。大分駅発車前に最後部の無人の運転台をのぞき込んでみましたが、運転台にドア開閉スイッチがあるようには見えなかったです。……でも、運転席に着座の姿勢で見える位置にワンマンミラーやITVが設備された駅もあり、そのあたりは少し不思議です。

 延岡を出ても車掌は乗ってこなかったですし、グリーン料金を払ってずっと自由席にいるのももったいなかったので指定された席(進行右手の1人掛けの席)に戻りましたが、そのとたんに左側に海辺が広がったり、リニア実験線跡の太陽光発電所が見えたり景色がよくなったのには参りました……。

 佐土原で普通車指定席の団体ツアー客は降りてゆき、宮崎でグリーン車もほとんど降り、南宮崎でグリーン車は自分一人だけになりました。

 宮崎空港駅に着いて普通車指定席を通ってデッキに向かうと座席の回転がすでに済んでいて、清掃スタッフにデッキで見送られました。……どうやら宮崎以南の区間で走行中に折り返しの整備を始めてしまうようです。

 宮崎空港駅では、博多から南宮崎までの「九州ネットきっぷ」と、ソニックの車内で買い求めた南宮崎・宮崎空港間の乗車券を見せて記念に欲しいと改札係の方に告げたら、きっぷを一通りチェックして「どうぞ」と返してくれました。

 宮崎以北から乗り通したのだから全区間の特急券が要る=南宮崎・宮崎空港間の特急料金も必要なような……と乗り越し精算をしたあとで気がつきましたが、「九州ネットきっぷ」は乗り越し精算といっても別途乗車の扱いですし、そもそも南宮崎・宮崎空港間を別途発売する特急券は設定がないのかもしれません。

 帰りの便の1時間5分前に着きましたが、空港内では小腹がすいたのでとんこつラーメンを食べ、職場へのみやげと妻へのみやげを急いで選んでいたら、あっという間に搭乗の時間でした。

 搭乗率は見た目で5割弱といったところで、早々に全員乗り終えたのか18:40発のところ18:32にドアが閉まりました。……飛行機の出発時刻は動き始めた時刻なので、少々早発気味だったかもしれません。(予約客が全員乗り終えてしまえばそれでよい気がします)

 
 ANAの特典航空券でしたがソラシドエア運航便で、ソラシドエア初体験でした。(スカイネットアジア航空時代も乗ったことがなかった)

 羽田に着いたあとは、上野へ足をのばしていきなり!ステーキの誕生日特典のステーキをいただいて帰途につきました。
(上野のいきなり!ステーキだけメニューが違う)



 22:20ごろに下総中山駅に着いて、(朝は早かったけれど)20時半ごろまで残業して帰宅するのと同じくらいの時間までのあいだに福岡・宮崎へ行って日帰りしてきたのがちょっと信じられなかったです。
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マイル消化とワンマン特急(2)

 羽田8:25の便に乗るのに1時間前には空港に着くのがよいかな、と4時半に起きて身支度をして下総中山駅6:21発の電車で出発です。

 秋葉原・浜松町で乗り継いでモノレールに。

 これから飛行機で出発するというときのモノレールはいつ乗ってもワクワクして楽しいです。まるで子供です。

 羽田空港には7:25に着きましたが、日帰りなのでリュックサックひとつで預ける荷物もなく、保安検査場もすんなり通過してしまい、ちょっと早すぎたようです。

 検査場の先は食事処のかけそばが700円の世界で、朝食を済ませてくるか調達してくるんだったと思いつつ、海老天せいろ1,310円をいただきました。

 NH243便は8:30にドアが閉まり、やや遅れて出発します。……福岡空港の着時刻から、博多駅の初時刻まで54分しかないのですが、地下鉄で5分なのでなんとかなるでしょう。

 羽田は雨模様でしたが雲の上に出てしまえばもちろん晴れ。前夜は5時間しか寝ていないこともあり、目を閉じていたらいつの間にか寝ていました。

 ふと目を覚ますとちょうどCAがドリンクサービスにまわってきていて緑茶をいただき、福岡空港には15分ほど遅れて到着しました。

 機内では遅れを詫びるアナウンスに続いて「羽田行き○○便へお乗り継ぎのお客さま……」と放送が流れました。

 かつかつの乗り継ぎで羽田へ引き返すなんて、どう見てもマイル修行僧です。……話には聞いていましたが、本当にいるんだ、、、


 11:19の特急に乗り遅れたらどうしようと少し心配していましたが、地下鉄に乗り継いで10:57に博多駅に着きました。……指定席券売機で予約済みの「九州ネットきっぷ」を受け取り、駅弁やお茶を買う時間もありました。

 博多から乗った特急「ソニック19号」は自由席は立っている人がいるものの指定席はガラガラで、本当にグリーン車満席・指定席残席わずかだったのかなぁと思っていたら、小倉からどっと乗ってきて満席になりました。

 ……小倉から列車の向きが変わることをすっかり忘れて博多発場面の進行左側の席を取ってしまい、海辺を走る路線の山側になったばかりか、日なたの席になってしまいました。orz

 車内アナウンスを聞いていると、車掌が博多発場面で4人、小倉を出て3人乗務していて、7両の特急に破格の車内改札体制です。「ソニック」は速達タイプの列車を「当面の間運休」(減便)しているので、要員にゆとりがあるのでしょうか。(満席なのだったら復活運転すればよいのに…)

 883系の車内は、木目の床ははげ、座席の樹脂の部分もずいぶん塗装がはげていてずいぶんくたびれていましたが、なんと自分が座った席はリクライニングのボタンが取れていましたよ。

 リクライニング故障? と思いつつボタンの取れた跡の穴に指を押し込んでみると背もたれが倒れました……。

 そんな車両でも揺れは少なくて、スマホのスピードメーターでは130km/hで走っていても、あまり揺れないのが印象的でした。


 博多駅で買った駅弁は、福岡の食べ物がいろいろ入っているという「やまや特駅弁」(1,300円)を選んでみましたが、よく考えたら東京にある「やまや」のランチで食べられるものばかりだったような……。


 小倉で満席になった車内は途中停車駅ではあまり乗り降りがなく、別府でほとんど降りてしまいました。

 満席になるほどの乗り具合だからといって速達タイプを復活運転させたらこちらがガラガラになってしまうに違いなく、逆にガラガラになるからといってこちらを運休させたら特急が通過してしまう駅をかかえる自治体が怒り出しそうです。

 なんだかいろいろと難しそうです。

 大分駅には1分遅れて13:27に着きました。
author by よんなん
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