「MaaS」とは何なのか自分なりに考えてみた記録

 きのう、休暇を取って「鉄道技術展」に行ってみました。

 目当ては展示よりも初日の「MaaS」に関する基調講演(事前参加予約制)で、事前予約では満席でしたが当日の空席待ち整理券の5番目を手に入れて入場できました。……実際には空席もちらほらあり、空席待ちの人は全員入れたのではないかと思います。

 平日の開催なので、予約はしたものの仕事の都合がつかなくて欠席する方が少なくないのかどうか。

 公演に登壇した鉄道事業者の幹部と、国立大学の先生のお話で共通したのは、「『MaaS』という言葉は2014年ごろに出てきたが、その内容はすでにわれわれが手掛けていたものだ」というものでした。


 じゃぁこれまで通り事業者は鉄道と電子マネーをやっていればいいのか、というとそんなことはなくて、目下MaaSの覇権争いの真っただなか、というお話でした。


 個人的に理解したところでは、要はアプリ開発というか、バーチャル交通事業者の出現と競争、ということなのかなというところでしたが、合っているでしょうかどうでしょうか。

 たとえば「OK Google、家から大阪までの電車か飛行機とホテルをお願い」とスマホに話しかけるとGoogle先生が乗換検索とホテル検索をしてくれて予約と決済が完了して、駅へ行けば「地下鉄の切符を買う」とか「JRの新幹線に乗る」ということを意識せずに「Googleで予約してGoogleが手配してGoogleで決済した(あたかもGoogleが提供したかのような)サービス」を利用して出かけて帰ってくる、というような生活スタイルのことを言っているのかなと受け取りました。

 携帯電話でいえば、実際にアンテナを立てて電波を出しているのはドコモとauとソフトバンク(とこれから参入する楽天)だけですが、3社から電波を調達してサービスだけ提供しているMVNOは無数にあります。

 たとえばLINEモバイルの利用者は、自分のスマホが3社のどの通信網を使っているかなんてほとんど意識しないわけです。(3社から選ぶこともできますが)


 同じようなことが交通事業でも起こり始めていて、それは楽天トラベルや各交通事業者のスマホアプリだったり、スマートスピーカーやウェアラブル端末も連携できるシステムだったり、名乗りを上げている事業者があまたある、ということなのでしょう。たぶん。


 MaaS事業者が存在感を示すようになってくると、交通事業者は「お客さまに選ばれる」ことと並んで「MaaS事業者に選ばれる」ことも重要視しなければいけないことになります。

 交通事業者みずからMaaSアプリを開発して競争に勝って自社サービスへ誘導する手法も考えられますが、それと同じくらい“バーチャル交通事業者”のMaaSアプリでサービスを利用できるようにすることが必要になってくるはずです。


 JR東日本がGooglePayやApplePayに(決してグローバルスタンダードとはいえない)FeliCaの交通系ICカードを取り込ませているのは、将来、GoogleやAppleが世界的なバーチャル交通事業者になりかねないことを見据えてなのかなと思ったり思わなかったり。

 2020年には楽天PayにもSuica機能が入ることになっていますし、JR東日本にはビューカードというハウスカードやモバイルSuicaという自社アプリもありながら、それだけにこだわっていたら“楽天経済圏”のユーザーもみすみす逃してしまうということなのでしょうか。(個人的な推測)


 ふとそんなふうに「MaaS」をいまのところ理解しています。
author by よんなん
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