「いちかわエフエム」継承のあり方の私案(1)

 3月になり、破産手続中の市川エフエム放送から事業を継承する意思を管財人の先生あてに表明する一つの区切りが過ぎました。

 私は残念ながら仕事を辞めて取り組む決心はできず、志を同じくする方も見つけられず、意思表明は見送ることにしました。

♯この件をかなり思い悩んだからかどうか、先週末に白髪が数本見つかりました、、、まだ30代なのに、なかなかショックでしたよ…!

 心ある方に引き継いでいただき、ふたたび83.0MHzで、市民のボランティアスタッフ=放送エリアに住む人と等身大のパーソナリティが話す身近な話題を聴けたらどんなにいいかと思います。


 もし名乗り出る事業体がなければその時点で事業継承の可能性はなくなり、破産管財人の先生によってすみやかな清算処理が始まるでしょうから、そう遠くないうちに屋外にある送信アンテナが撤去されてそれで分かると思います。

 もし何らかの事業体が引き継ぎに手を挙げて免許の継承に取り組まれるなら、早ければ夏ごろ、遅くても年内には83.0MHzから再び何かが聴こえ始めるのではないか……と楽しみにしたいです。


 それで、上で「志を同じくする人」と書きましたが、どんな継承のあり方を考えていたか、書こうと思います。

 手を挙げなかった以上、もはや私の妄想です。


 基本的なスタンスとして、元の放送局と同じくボランティアスタッフ中心のワンマンパーソナリティによる番組を主に編成します。
(それは、元あった放送局と同じような番組、できれば元の番組の続きを聴きたいからです! ……文句あるか!)

 事業として継続するには、運営に必要な経費は収入でまかなわなければいけません。

 ……元の会社は赤字経営続きだったという新聞報道でしたから、スポンサー料だけではまかなえなかったということでしょう。(新聞によれば市川市の広報番組の放送料は年およそ200万円とのことでした)

 さらに開局時の資本金7,000万円から破たん時点で1億3,000万円に増資されていましたが、総務省のWebサイトの情報から増資分はほぼ社長個人による拠出だったことが分かります。
(放送局はその事業内容から、1割以上出資する個人や法人の名前が監督官庁によって公開されています)

 そうして家一軒買えるくらいの私財を投じて赤字をつぐない、ボランティアスタッフに番組をやらせてくれた方はもういないわけです。


 後継の事業体では、さらなるスポンサー獲得に営業を強化する一方で、ボランティアスタッフから一定の拠出をつのることも考えなければならないでしょう。

 私自身、学生時代の4年あまりにわたって放送の現場に立つ経験が得られたのは、実は身を削り続けて赤字を埋めていた経営陣がいたからだったわけです。

 同じようなお大尽がどこかから現れてくれるのを期待するか、自分たちでお金を出し合うか……まずは後者を考えなければいけないだろうと思うのです。

 じゃぁボランティアスタッフがそれぞれスポンサーになって番組枠を買って放送をするのか、というと難しいですが、特に社会人パーソナリティの方々を中心に負担をお願いすることは考えてもよいのではないかと思います。

 さらに広く、「いちかわエフエム応援団」みたいな組織を作ってリスナーから会費をつのり、応援メッセージをCMという形で流すことができればいいと思います。


 さてそうしたときに、お金を出しやすくするしくみがあるとよいです。……手っ取り早いところでは「お金を出すと税金対策になる」というのが分かりやすいでしょう。

 事業を営んでいる方はスポンサーになればCM料金は損金にできるでしょうが、一個人がたとえば応援団の会費を払ったからといって税金の控除を受けることは難しいです。

 そこで、運営主体をNPO法人として、5年後には「認定NPO法人」となることを目指します。(一般財団法人でスタート→公益財団法人へ移行でもよいです)

 認定NPO法人に寄付をした額は寄付金控除を受けることができます。……少額の寄付はもちろん、もしも「お大尽」のような方が現れたとすれば、放送局にお金を出すこと=税金対策になります。


 もともとコミュニティ放送局という事業はそう簡単に黒字が出るようなものではなく、元の会社の経営陣がそうしたように赤字を償いながら事業を継続することも想定しなければなりません。

 そういう事業を営むなら、株式会社よりはNPO法人が合っているのではないかと思います。……現実に、NPO法人が運営しているコミュニティ放送局もかなりあります。


 破産処理というなかでの事業譲渡ですから、NPO法人を設立する審査を受けている時間があるのかどうか、という問題もあります。

 その点は、いったん株式会社で引き継ぎ、並行してNPO法人の設立を準備して新会社からNPO法人にさらに引き継ぐことも考えてよいのではないでしょうか。

(続く……かも?)
author by よんなん
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