「田舎者」とは

 数年前、埼玉県内の第三セクターで、出資者のひとつである大企業出身の男性社長が酒の席で女性社員を「田舎者」と揶揄するなどして更迭されたニュースがありました。

 しかし大都会埼玉の人間をつかまえて「田舎者」呼ばわりとはどういう感覚なのか、理系人間の自分にはさっぱり分かりませんでした。


 さて、現在、横山光輝の『三国志』を読んでいます。

Screenshot_20240306.jpg その第12話(第3巻)で、都から視察に来た役人の「もてなし方」を劉備玄徳が役人の付き人に尋ねるくだりで

「私は田舎者ゆえ都の役人のもてなし方を知りませぬ」

と教えを乞うセリフがありました。

 この場面で「もてなす」とは賄賂をおくることだと教えられるのですが、なるほど冒頭に挙げた大企業からやってきた社長は、部下に向かって「子会社の女性社員は酒の席で親会社からやってきた男性社長を『もてなす』ものだと知らないのか」という意味で「田舎者」呼ばわりしたのだろうかとようやく分かりました。

 どういう「もてなし」を望んでいたのか知る由もありませんが、想像するに職場の懇親会でそんなことを言われるほど気分の悪い話はないです。
author by よんなん
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