消費税課税事業者のデメリットは廃業に値するのか

 個人事業主ではないサラリーマンの戯言とお聞き流し下さい。

 勤務先で庶務を担当するまで仕入消費税と売上消費税すら知らなかったレベルですが、世で消費税課税事業者になると負担増でやっていけなくなるだのふりまいている人たちには思うところがあります。


 これまで消費税免税事業者が受け取ってきた報酬は、受け取る側と支払う側でそもそも認識が違っていた、という点は確かにあると思います。

 たとえば110,000円の報酬をやり取りした場合、受け取る側はそもそも消費税を取っていないつもりでも、支払う側は消費税込みで支払って帳簿には「外注費100,000円、仕入消費税10,000円」と書くわけです。

 そして消費税は最終消費者が負担するので、成果物を150,000円(税込165,000円)で売ったら、制作の過程で支払った消費税は差し引いて5,000円を納税するしくみです。


 市中の消費者が目にする機会があるものでは、ブックオフで買取をしてもらったときのレシートです。あれにはちゃっかり消費税が含まれています。

 ブックオフで買取金額11円の場合、ブックオフはを持ち込んだ人に11円のうち1円を消費税として支払ったことにしていますが、11円を受け取った人はそんなこと考えてなくて全額を自分のフトコロに入れてしまうのと同じです。


 税当局にしてみれば、こんなけしからんしくみはないわけで、今後、課税事業者に支払った消費税しか仕入消費税を認めない、とするのは当然のことのように思います。
(実は古物商の仕入消費税は今後も認められます……)


 今後は、報酬を支払う側に立てば、免税事業者には「外注費110,000円」、課税事業者には引き続き「外注費100,000円、仕入消費税10,000円」となり、免税事業者に対しては実質的な値上がりです。

 じゃぁ、個人事業主が課税事業者になったとして、これまで110,000円をすべてフトコロに入れていたのが1万円を納税しなければいけなくなるかといえばそんなことはなくて、課税事業者となった個人事業主にも仕入消費税が認められるわけです。

 「トーゴーサン」とか「クロヨン」と言われるように、収入をすべて税当局に把握されるサラリーマンと違い、個人事業主はあれやこれやを経費に計上して所得を圧縮しているのが実情なのですから、当然、納税する消費税も、経費として支払った消費税を差し引いたものになります。


 免税事業者が課税事業者に転換して増える負担があるとすれば、税そのものというよりは、会計ソフト入力の手間なのではないかと推察します。

 ……税負担が多少増えるのは確かでしょうけれど、仕入消費税を差し引いた税負担の金額で、やれ廃業に追い込まれるとか、食うや食わずの暮らしになるとか、本当にそれほどのことなのだろうか、とは思います。


 インボイス反対の声を上げて大騒ぎしている人たちは、何が目的で大騒ぎをしているのか、実は無知な個人事業主が活動家にたきつけられているだけなのではないか、というのが私の感想です。
author by よんなん
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