高校理科の復習

 原子力発電所の件、仕事はプロに任せて自分はいま自分がやれることをやればいいよ、と特に関心は持ってませんでした。

 新聞は毎日読んでいますが、圧力容器だの、何ベクレルだの、いろいろ書いてはあるもののどういう意味なのかはよく分かりませんでした。

 ただ、店頭で売られているものは大丈夫なんでしょうし、蛇口から出てくるものもちゃんと飲めるのでしょう。


 ところが、どうも政府と東京電力の言っていることや、その公式発表を垂れ流すだけの新聞は信用ならん、と言い出す人がちらほら出てきたわけです。

 ラジオではフリージャーナリストが「政府が散々風評を垂れ流しておきながら、我々が真実を伝えればデマ呼ばわりする」と言い、mixi上では知人が「政府はこう発表してテレビ・新聞も大したことはないように報じているがだまされてはいけない!」みたいに書くわけです。


 異なる2方面から同じ話を聞くと、ちょっとは影響を受けるわけですね。

 原子炉工学や放射線医学の難しいことは無理でも、高校の理科で習った核分裂の話くらいまではおさらいしておこうか……と、図書館でそれっぽい本を読んでみました。

 原子核=陽子+中性子とか、同じ元素でも中性子の数が違う同位体とか、不安定な同位体はα線(=ヘリウム原子核と同じ)やβ線(=電子+ニュートリノ)といった放射線を出して他の元素に変化(崩壊)する(=核分裂)とか、核分裂の際に熱が発生するとか、そういえば確かに習ったなーと思うことが多々ありました。


 話はちょっと横道ですが、科学者(理学系)の究極の関心は「宇宙は何でできているか、どうやってできたか」でして、元素周期表の空欄=宇宙や地球ができたときは存在したけどすでに崩壊して地球上から消滅したと考えられる物質を「加速器」で人工的に作ってみたり、「スーパーカミオカンデ」で宇宙から降ってくる放射線などを観測しているのですね。

 加速器は、元素に別の元素を高速で当てて核融合させて(ほぼ一瞬で崩壊して消えてしまうような)元素を作って観察するわけです。……合ってますか? >理学系の人


 あほだなー、と思ったのはウランの話。

 ウランにはそもそも安定な同位体がなく、常に放射線を出しながら崩壊し続けているんですが、たとえばウラン238で寿命が64.46億年(半減期44.68億年)と地球の誕生時(45億年くらい前)からの時間よりも長いので、そこらへん…といえば語弊があるでしょうが、鉱山を掘れば「天然ウラン」として出てくるわけです。

 で、ウラン鉱石に0.7%ほど含まれているウラン235という同位体は、一度中性子を人為的に(←重要)外からぶつけると分裂して中性子を放出してその中性子が隣のウラン235に当たり、当たられたウラン235も分裂して中性子を放出して……これを暴走させれば爆弾やチェルノブイリ事故に、中性子の動きを一定の管理下におけば発生熱を有効利用できる原子炉になるわけです。


 それはひとまず置いておいて、ウラン鉱石からウラン235を取り出した残り、これは単なる放射性同位体のかたまりで英語では「Depleted Uranium」(直訳:使い尽くしたウラン)なんですが、なぜかこれが日本語では「劣化ウラン」。またの名を「放射性廃棄物」。


 誰ですかこんな翻訳したの。

 掘れば出てくるものが、さも恐ろしいもののように聞こえるじゃないですか。

 まぁ、このウラン238に中性子を照射するとプルトニウム239になってまた別の使い道が出てきたりするので、一定の管理下に置いておかないとおっかないわけですが。


 さて、ここまでおさらいしてようやく新聞に書いてあることの意味が分かりました。

 「被覆管」はウラン燃料を詰めた管で、外側を覆っている「ジルコニウム合金」は膨大な放射性物質を管の中に閉じ込めて漏らさない役目を持つけれど中性子線は透過するので、核分裂反応的にはないのと一緒。

 「制御棒」は中性子線を通さない材質でできていて、ウラン235が分裂して放出された中性子が次のウラン235の分裂を引き起こすのを止める役割がある。→地震発生と同時に差し込まれて機能は果たしている。


 で、ウラン235の連鎖的な分裂は止まって、チェルノブイリ型の暴走事故が阻止されたのは官房長官が言う通りなわけですが、現在問題になっているのは一度分裂したウラン235から発生した不安定な元素が崩壊しながら収束に向かう過程ですね。

ウラン235に中性子を当てる(←これは止まった)
  ↓
ウラン236(不安定)
  ↓
クリプトン92(不安定)とバリウム141(不安定)と中性子に分裂(一例)
  ↓
クリプトン92は寿命1.84秒でβ崩壊してルビジウム92(不安定)に
  ↓
ルビジウム92は寿命4.49秒でβ崩壊してストロンチウム92(不安定)に
  ↓
ストロンチウム92は半減期2時間40分で崩壊して……
  ↓
………

と、不安定な物質はみるみるうちに崩壊して限りなくゼロへ向かうわけですが、まだ熱を出すんです。

 おお、まさに官房長官が会見で真っ先に説明していたことじゃないですか。

 いや、すごいのはカンペを作った官僚かもしれませんけど。


 で、電源がないので循環するはずの水が滞留してしまい、水は一定以上の熱を吸収すると蒸発するわけで、水が蒸発すると体積は5000倍になりますから圧力容器を内部から破壊してしまう心配が出てくるのですね。

 そりゃぁ、水蒸気を逃がさなきゃいけないわけだ。

 もちろん、一番望ましいのは、水を循環させてパイプ越しに(←重要)大気なり海水なりで冷やしてまた戻すことなんですが。


 で、蒸気を抜いて圧が下がった(+水が蒸発した)ところへやれポンプだ放水車だ海水だなんだと水を入れてやるわけですが、どうやらどこかから漏れているぞ、と。

 でも、ここで水を止めてしまったら同じことの繰り返しです。

 また、水に晒し続けておかないとさらに温度が上がって被覆管が熱で融けてしまう(もしかしたらすでに融けてしまった)かもしれない、これはとにかく困るから冷却最優先で漏れるのはあとでどうにかするしかない、というのが現時点なんでしょうね、きっと。


 点検中で止まっていた4号機の燃料貯蔵プールもほぼ同様、という理解でいいんでしょうか。>原発屋さん


 それでもでもやっぱり、一番いいのは、湯になった水をパイプで外へ引き出してパイプ越しに(←重要)熱を大気や海中に逃がして、また内部へ戻して燃料(というか、被覆管)を冷やしてやることです。やっと分かりました。 

 とはいえ、循環システムを復旧させるのには、しばらく時間がかかるんだろうな。

 それまでは漏れ出しも続きますよ……と。

 なので、できるだけ回収してタンクへ溜める一方、大気や海中に漏れ出た放射性物質は計測して監視しましょう、政府や東京電力はその情報の出し方が下手だ、ということで「今北産業」的にはいいんでしょうか。(なげーよ)

 でも結局、出てきた数字をどう評価するのか(食べるなとか、飲むなとか、逃げろとか)は、おとなしく専門の先生が言うことを聞くしか、自分にはできません。


 あー疲れた……みんな分かって騒いでいるんだとしたら、すごいなぁ。
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ひざかけ持参

 前職場以降の職場での私を知る方は、ひざ掛けを職場に常備していたのをご存知かと思いますけれども。

 火曜から毎日通い始めた船橋市立中央図書館は、どうやら節電で暖房が入っていないようで、火・水は何も持たずに行ったら2時間いただけですっかり冷えてしまいました。


 月末館内整理日で休館だった昨日をはさんで今日はひざ掛け持参です。

 (なぜか手元にある)キャセイ航空の機内ブランケットは薄くて軽いのに暖かくてよいです。


 さて、きょう図書館で読んだのは、住まいの本。

 「モダンリビング」という雑誌や、「東京人」のリノベーション特集

 新居のリフォームはリノベーションと呼べるほどのものではなかったですが、水まわりほぼ全取替えのためにキッチン・バスルームのショールーム通いをしたのには骨が折れました。

 ……楽しかったですけど、床の張替えと水まわり交換だけであれだけの労力でしたから、間取り変更を伴うレベルになると自分だけではたぶん無理です。

 建築家に依頼する、相談する、という方法もあるのか、とはじめて知りました。(ぇ

 『東京R不動産2』に出てきた物件「剥き出しのポテンシャル」も、建築家に依頼した作品だったなんて。(同じ部屋が『モダンリビング』でも紹介されてた)


 売主・買主・仲介不動産屋のほかに、センスのある建築士さんが一枚かんでいたんですね。

 読み返したら「楽しみながら、建築家と家を作っていった」とちゃんと書いてありました。


 先のことは分かりませんが、誰かが運よく後継者を見つけて実家を引き続き住居兼診療所として使うとなれば、いずれは家族構成の変化に合わせてリノベーションすることになるんだろうなぁ。

 あるいは、自分が新潟赴任を命じられれば、祖母が最期まで暮らしていた父親の実家を再生してみたいなぁ、なんて思ったり。


 ところで、建築家ってどうやって探せばいいんでしょうね?

 姉歯さんみたいな建築士では困りますし、かといって、自分の身の回りで大学の建築学科を出ている人は官庁やインフラ会社に勤めていて個人の住宅を手がけてくれそうにないですし、去年に旅先で知り合った方は事務所が岡山です。

 まぁ、捕らぬ狸の皮算用とはまさにこういうことをいうわけですが、そんな妄想をしながら図書館へ通っています。
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食らえ!福島の野菜祭 〜風評被害に負けないで〜

IMGP2566.jpg 表題の会に招かれて京成線沿線の都内某所へ行ってきました。

 会場は、私の勤務先と同業のM社の方の社宅!(写真の左から2棟目)

 築20年ほどで、家賃をうかがったら私の勤務先の社宅の家賃と比べておおむね築年数に反比例するようなイメージです。

 アンティークな社宅がほとんどを占める私の勤務先とは違って、築20年台でもM社さんでは古いほうの部類に入るのかどうか、勤務先の社宅では標準的な設備のことを話したら、「バランスガマ……?」という反応でしたよ!

 ……って、自分もバランス釜を(見たことはあるけど)実際に使ったことはないんですが。


 そんなM社さんですが、社宅はマイホームを購入するまでの一時的な住まい、という位置づけで積極的に増やしているわけではなさそうで、入居も順番待ちなら住み続けられる期間にも限りがあるのだそうです。

 ……まぁ、引越しが必要な転勤が考えられない会社だから、社員が「家を買うと転勤」という都市伝説にガクブルせず安心してマイホームが買える、というあたりも、私の勤務先とは違いますね。


 さて、表題の会、きのう自分も買い物へ行って野菜売り場を見てみたら、そもそも福島産の野菜が並んでいなくて、主催者夫妻はいったいどうやって入手するのだろう……と思っていたら、やはり入手できなかったとか。

 そんなわけで趣旨はすっかり変わって、ただ昼からぐだぐだ飲み続けるという会に。
(いちおう、茨城県産の食材を中心に揃えたそうですが)


 21時ごろにおいとまするまで、9時間くらいやってました。

 家に帰り、22時過ぎに床に就いてからは3時間くらい悶絶して4回くらい吐きました……。

 これは絶対に食材のせいじゃない、飲みすぎのせいだ、と自分に言い聞かせるのに必死でしたが、特に確たる根拠はありません……。。。

 ただ、吐くほど飲んだのは、12月以降ホームパーティー的なことを主催・お呼ばれ合わせて4回やって、2回目です。


 飲み屋と違って時間制限がないので、飲みすぎには気をつけないといけませんね……。
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実家周辺の現在

IMGP2539.jpg いまや立派な被災地として報道されている浦安市内にかかりつけの心療内科があり、きょうはもともと診察日だったので行ってきました。

 液状化の原理は、カップに米や豆を入れた後、カップをトントンと叩いてやると全体のカサが減る(米や豆が沈んで空気が浮き出る)のと同じで、砂でできた土地を地震が揺らすと、砂が沈んで水が浮き出るんですね。

#浦安の埋立地は、遠浅の海の砂を掘り起こして埋め立てたものです。

 マンションや鉄道の高架橋のような大規模構造物は、その砂の下にある岩盤まで基礎を打って建てているので、写真の新浦安駅ビルように地面が沈んでも建物はそのままで段差ができています。

IMGP2551.jpg 一方、戸建て住宅は岩盤に届くような深い基礎を打たないので、明暗が分かれました。

 幸い、実家は現在のところ素人の見た目や、DIY工具の水平器で分かるレベルの傾きは出ておらず、家族はそのまま暮らしています。
(詳細は専門家の診断を受ける必要があると思いますが)

 建築工学には詳しくないのですが、実家を建てた父親が「基礎は6メートルまで打った」「費用は100万円くらい」と言っている話を合わせると、どうやら「柱状改良杭工法」という方法がとられた様子です。

 岩盤まで届かなくても、直径50cmくらいの穴をおよそ2メートルおきに何本も掘ってセメントを流し込んで固めて杭状にしておくと、地震で揺らしても杭との摩擦で砂が動かない、という理屈です。

 写真は実家の近所で、もはやどれがまっすぐでどれが傾いているのか分かりませんが、真ん中の三角屋根のお宅で、建物の右側が沈んで左側が浮いています。

 実家周辺は30年ほど前に旧財閥系の大手不動産業者が開発した建売住宅団地で、歩いて見た範囲では傾いているのはその後に建て替えられた家が目立つ印象でした。

 建て替えたところはおおむね、庭をなくして建物を広くしていますから、元あった家の下には杭があっても、庭や犬走りだった部分に(お金をかけて)杭を打たなかったお宅は、そこが泥と化して沈んで傾いてしまったのでしょう。(推測)

 もちろん、建て替えてもまっすぐ残って(?)いる家もあります。そういうお宅は、地面にもお金をかけたのでしょう。

……ということで、合ってますでしょうか? >建築方面の方


 傾いた家は、ジャッキアップして元に戻すとか。

 杭を打つのにお金をかけるか、傾いてもお金をかければ元に戻るなら何十年〜何百年に1回あるか分からない頻度の液状化が起こればそれはそのときと考えるか、判断は人それぞれかと思いますけれども。


IMGP2545.jpg さて、道路に杭をバカスカ打ってしまっては水道管やガス管を簡単に埋設できませんから、今回は見事に液状化して上下水道・都市ガスの供給に支障が出てしまいました。

 あちこちで地面を掘り返してガス・水道の復旧工事をしていて、液状化で吹き出た泥を片付けた後の砂埃と合わせて、市内全体が埃だらけです。

 車が走れば目に見える量の埃が舞い、バスも高級車も泥だらけで走っている光景なんて、ずいぶん久しぶりに見た気がします。

 たぶん、4年ほど前に行ったギリシャの街並み以来じゃなかろうか……。


 きょう、花粉が積もるほど飛散してニュースになりましたけど、「花粉が積もったのが見える」なんて、日本の町はどれだけきれいなのかということです。


 話をライフラインに戻すと、電柱は傾きつつも、震災直後でもどうにか電気だけは通じていました。……きょうの時点で、実家では下水道と都市ガスが復旧していて、かなり状況は改善されたようです。


 それまで計画停電が実施されたわが新居とは逆に、ガスが復旧するまで“オール電化生活”を余儀なくされたという話で、リビングの食卓には所狭しとホットプレートや卓上IH調理器が鎮座していました。

#2011/3/25追記:3月25日に上水道も復旧しました。


IMGP2544.jpg 水道というのは、上水道よりも下水道のほうが重要ですね。

 上水道は、止まっても水を買ってくるなり給水車から汲んでくればよいものの、下水道は庭に撒いて捨てる以外にありません。……それも 庭 が あ れ ば できることです。

 マンション住まいの私の主治医の先生のお宅も診療所もまだ復旧しないようで「下水道が復旧したんですか、それはうらやましい限りです、だいぶ違いますね」というお話です。


 写真は、新浦安駅近くのマンションの中庭にあった仮設トイレ。

 下水道が通じない限り、用を足しにここまで来なきゃなわけです。


 ……家の建物には目に見える被害もなく、物が倒れたり落ちたりということもなく、家族にはケガもなく、本当に何よりではありましたが、このレベルでも実態として両親は少々疲れて参っている様子ではありました。

 家が傾いて疎開をされている方や、東北地方でもっと過酷な避難所暮らしをされている方々は、なおのことだと思います。


 浦安市内では、市立小中学校の建物は現在避難所として開放しておらず、避難所に指定されている公民館は(埋立地ではない)元町地区の2つだけ(3月24日現在)で、家に住めなくなった人たちの大半は自発的に知り合いや家族の単身赴任先を頼るなどして疎開暮らしをしているようです。


参考:浦安市公式サイト内「市内の被害状況
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大人の社会科見学 船橋市議会

IMGP2502.jpg 自宅警備ばかりしていても仕方がないので、市議会の傍聴へ行くことにしました。

 知人でもある日色健人議員は10日の本会議で質問予定、とのことでしたが、あいにく先約ありで、「そしたら予算委員会が一問一答形式で面白いかも」というアドバイスで今日から始まった予算特別委員会へ。

 本会議は録画中継で見るとおり、議員が半ば演説のように延々と質問をして、それから答弁、というスタイルですが、予算委員会は質問→答弁→質問→答弁という丁々発止のやりとり(のはず)です。

 本会議の傍聴はいつ行っても入れるんですが、予算特別委員会の傍聴は開会時と休憩時しか出入りできないそうです。

 今日は10時の開会で、昼ごはんを食べてゆっくり家を出たら13時の午後の開会に間に合わず、13:40ごろに受付。事務局の職員の方に次の休憩までお待ちください、と案内されて待ちます。

 実際に入れたのは14:50で、事務局の方も「普段ですと1時間ほどで休憩なのですが…」とおっしゃっていましたが、配布された「審査順序」に記されていた「順序1」の「総務費」に災害対策費が含まれていて、折も折で質問が多く出たようです。


 14:50の再開後は「審査順序」の「順序2」で「労働費、農林水産業費、商工費、消防費、中央卸売市場事業会計」。

 委員は好き勝手に発言できるわけではなく、委員長が指名した会派の順序にしたがって、各会派を代表する委員が会派人数に応じて割り振られた順序1〜7の総持ち時間を適宜使って発言します。

 たとえば民主党は3人しかいないので総持ち時間は31分で、委員長が「民主党の発言を許します」と言っても「民主党は順序5、6、7、に質問時間を使いたいので、順序2、3、4では質問を致しません」という旨を発言したり。

 そういう観点では、公明党(84分)や共産党(69分)はじっくり質問ができます。

 ただ、残念ながら質問の中身は、それって予算委員会で聞くこと? 普段の政務調査で分かるんじゃない? という話が多かったのが残念でした。

 たとえば、とある会派のとある委員の質問は……

問「船橋市内の畜産農家は何軒か?」
答「16軒。うち14軒が酪農、2軒は畜鶏」
問「撤退が起きる理由は?」
答「ニオイが原因」

そんなの、議員バッジをつけて市役所4階の農水産課へ行けば教えてくれるでしょうに。


 そういう観点では、共産党の石川委員は、イエスかノーか、やるかやらないのか、その点について市長はどうお考えですか、という質問のしかたで、その回答を議事録に引き出す(←重要)という手法は、さすが8期目のベテランだけあると感心しました。

 全体的にはそういう質問をできる議員が少なく、傍聴者を6人に限定して、おまけに会議中の出入りを禁じてまで静粛性を確保するべき委員会には思えなかったのは残念です。

#委員や、議員傍聴人、市役所の担当者は出入りできる

 本会議は、行けばいつでも入れますし、生中継・録画中継もしている一方で、委員会は議事録が文字で公開されるのみであるばかりか、傍聴者による撮影・録音も許可なくすることは禁止で、傍聴中にtwitterでつぶやいただけで新聞記事になって当人が陳謝する世界です。
議員がツイッター中継 船橋市議会 2010/3/24千葉日報ウェブ)
船橋市議・日色健人氏による船橋市議会の予算特別委員会ツイッター実況まとめ


 公開性の点のほかに、効率性の点でもどうかと思う部分がありました。


 国会の予算委員会なら、総理やその他の大臣の叩けば出るようなホコリをバンバンたたく舞台ですが、市長や副市長に、そんな話題性のあるスキャンダルがそうそうあるはずもなく、文字通りの予算を審議する会議になります。

 質問を受けて立つ市当局側は、市長、副市長、そのほか担当部局の職員がおよそ30人。

 ある程度テーマを分けて質疑が行われるとはいえ、大半の時間は、彼ら個々の所管には関係のない質疑です。総勢14人で来ていたヒマ……もとい熱心な消防局の職員をはじめ、これだけの職員を長時間拘束してやるような会議か、というのは考える必要がありそうです。


 どうでもいい質問をする議員の質問に答えるのに職員を待機させるのもばかばかしいですし、逆に、本格的な質問をする議員は事前に質問通告をする(そうでないと、担当者がいきなり聞かれても答えられず議論が進まない)ので、それはそれで事前に用意した質問と答えを台本のように読み上げ、それをまた議会事務局が議事録として文字に起こす二度手間で、およそ21世紀の時代にはそぐわないと思います。


 個人的には

1)9つもある会派を再編→3〜4つくらいの大会派にして、公明党や共産党のようなまとまった質問時間を確保する→ある程度の規模の会派内で政策勉強をして質問を練る
2)事前に質問通告をしたものは文書で回答して、それを正式な議事録とする
3)質問に対する回答は「宿題」があってもよいことにする(複数日開催にする)

が、さしあたってパッと思いつく、ヒョーロンカ的な改善案でしょうか。


 会派再編なんて、口で言うほど簡単じゃないのに。

 制限時間がある口頭での質問と回答を経ないで、文書でのやり取りを正式な議事録にしたら、「質問主意書」状態になってそれを濫用する議員も出るだろうし……。

 事前の質問通告は国会でも同じで、そんなものないほうが国会中継は面白いんですけれども、じゃぁ議会がいつも「朝まで生テレビ」状態でいいのか、というとそれはそれでもろ手を挙げて賛成するには微妙な話です。
author by よんなん
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地震六日目 自宅警備は続く

 本当なら、リハビリを兼ねて図書館通いを今週から本格的に始めるはずだったんですが、その矢先の大地震でした。


 なにその小学生みたいな「今やるつもりだったのに」的言い訳。


 きのうあたりから、簿記2級の勉強を再開しようと問題集とテキストを広げたんですけど、問題は何を問うているのか理解できず、テキストの解説も日本語が読めない体たらくで(←本当に!)、どうしようもありません。

 何もしないよりは、と、問題集の答えを見ながら、事実上の「書き取り練習」を2問だけ。

 特にきょうは寒い上に風も強くて、外出をする気にもなりません。


 マイミクさんのつぶやきに「ニュースを見続けないこと」という、災害時のストレス対処法があり、ニュースも消したら、あとはtwitterに向かうネット住民しかすることがありません。


 百歩譲って何かしらポジティブに考えるとすれば、夕方、浦安の実家から家族が風呂と洗濯機を使いにやってきたので、あぁ、自宅警備をしていた甲斐があったのかな、と思える程度でしょうか。
author by よんなん
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地震三日目 実は千葉県も被災地

IMGP2494.jpg きのうの朝刊では休みだった地域面が、きょうの朝刊に掲載されました。

浦安の医院 泥に埋まる
 東京湾を埋め立てて造成された浦安市の中町、新町地区では、地面の液状化による被害が相次いだ。
 同市美浜の産婦人科医院では、泥水が入り口のガラスを割って流れ込み、1階診療室の医療機器などは厚さ20センチ以上の泥で埋まった。女性看護師(57)は「患者さんを連れて外に逃げることで精いっぱい。機器を2階に上げる余裕もなかった」。

 ありゃ、実家のすぐ近くの産婦人科院じゃないですか。

 もしかして、実家も??

 きのう母親からの電話を「あーはいはい」と聞き流して切ってしまいましたが、泥をかき出しに帰らなくてはいけないのでは??

 それに、実家の診療所は、更新時期が来ている機器をどうにかこうにか使い続けて診療を続けているはずで、この産婦人科院と同じような被害なら跡継ぎを確保して機器を更新するか診療所をたたむか、という話に直結してしまいます。

 話題に触れなかったのは、心配させないためだったのでは?


 ……5分くらい思案して、googleマップのストリートビューで産婦人科院を見てみました。

 やっぱり。

 この産婦人科院だけ、あの界隈で(なぜか)地面を掘る形で「半地下」にあたるような場所に1階があります。

 地面が液状化すれば、泥が流れ込んでくるのは当たり前です。


 あの界隈は、道路・歩道から階段を数段上がるようにして玄関がある診療所や薬局がほとんどで、実家もそうです。

 幼い頃から、どうしてそういう構造なのかずっと不思議でしたが、やっと分かりました。

 「建物は、専門家の人に診てもらうまで分からないが、さしあたって被害はない」という母親の言葉を信じることにします。
author by よんなん
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地震二日目 生活基盤の二重系

IMGP2467.jpg 夕方から飲み会の約束(@末広町)がありましたが、電車は一部区間で運転が始まったものの、運行本数は少なめで「通常通り」ではありません。

 東京メトロの運行情報を見ていると、銀座線に

【運転見合わせ】
8時38分頃、上野駅で混雑のため、全線で運転を見合わせています。

という表示が出た時間もありました。……電車が走り始めたからといって出かけると、こんどは「混雑」の一員となって電車を止めるのに加担してしまうわけです。

 それに、大きな余震があったりすれば、県境(というか、江戸川)を越える自分は帰宅困難者(しかも酔っ払い)になってしまいます。……だいいち、気の置けない友人どうしといえど、楽しく飲める気分でもありません。


 電車に乗るような外出は控えることにして欠席する旨のメールを送り、17時ごろ、ひとまず生鮮品を買い出しに地震後はじめて家を出ました。

#すぐに返事があって、飲み会を中止するメールのあて先から自分が漏れてたんだって! ……やっぱりみんな冷静ではなかったということですね。

 地震後、電気・ガス・水道も止まることなく、マンションの大規模修繕工事に至っては当日中に工事を再開するほど、特に大きな被害がなかった新居界隈でしたが、1か所だけ外壁のタイルが剥がれ落ちた建物がありました。(写真で布カバーがしてある部分)


 まず現金を引き出しに立ち寄ったセブンイレブンでは、弁当が全部品切れ。

 隣の「ジェーソン」というディスカウントストアでは、品薄ではあったものの、オレンジジュース(1000ml96円)を無事入手。

 次いで寄った「ローソンストア100」「ジャパンミート」「ちばコープ」も、同様に野菜ジュースなどを無事に入手できました。

 ジャパンミートだけは「品薄」の「し」の字も感じさせず、すごいです。


 驚いたのは、近所のガソリンスタンドが2軒とも店を閉じていることでした。

 設備が損傷したのか、品切れなのかは分かりません。


 新居は、暖房を3種類用意してありまして、

・エアコン
・ガスストーブ(乾電池着火)
・石油ストーブ(乾電池着火)

一応、電気が止まってもガスストーブ、都市ガスが止まっても石油ストーブがあるんですが、ガソリンスタンドが店を閉じているとなると、もし電気・ガスが止まればいまポリタンクに残っている灯油でおしまいです。

 まぁ、それでもフル稼働させて1週間くらいは持ちそうですが。

 灯油はシーズンを越せないので、あまり大量な買い置きも現実的ではなく、どれだけ備えておくかは悩ましいところです。


 で、帰宅をして手を洗おうとしたら蛇口から水が出ません。

 ありゃ、地震当日じゃなくてこの期に及んで断水ですか。……千葉県水道局のwebサイトには「船橋市の一部」で断水している旨が出ていますが、船橋市のwebサイトは水について何も触れていません。

 飲み物は買い置きのPETボトルや缶の「お茶」や「スポーツドリンク」があります。上水道が止まってもトイレなどちょっとした水なら浴槽の水があります。

 しかし、「飲み水」は加湿をかねてストーブに載せているヤカンの中身と、2リットルPETボトルの使いかけと、防災リュックに入れてある500mlPETボトル4本しかないです。

 高崎の寮にいた頃はリュックのほかに「防災ストック箱」を作ってあったんですが、寮を引き払うときに食べ・飲み尽くしてしまい、新居に移ってからはそこまで気が回るような状況じゃなかったんですよね……。それができるようなら仕事休んでません。

 幸い、水道はすぐに復旧したので、空きペットボトルや紙パックに水を入れておきました。


 20時半ごろには母親から電話がありました。

 家族の無事を知らせる内容、というよりは「ちょっと聞いてちょうだいよ」的な話で、地震当日の話はそれはいかがなものかなぁ、と思う部分もありましたが、聞き役に徹して切りました。

 浦安は液状化がひどいそうで「一度見にいらっしゃい」って、用もないのに「震災見物」なんて誰が行くもんですか。
author by よんなん
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地震当日

 昼寝をしていて、目覚まし時計が14:45にピピピピ…と鳴ったのを止めて、もう一度寝ようとしたときでした。

 細かい揺れがユラユラユラユラ……

 あー、これは震源遠いなぁー、と思っているうちに、身に覚えのない揺れの大きさになり、反射的に大型家電を押さえつけに飛び起きました。
(転倒防止の器具で壁に貼り付けてはあるんですが)

 現在マンションは大規模修繕工事中で、ベランダの外の足場からも作業員の方の「揺れてる…」「大きいよ…」という言葉が断片的に耳に入ります。


 新居は堅牢な鉄筋コンクリート建築ですが、「旧耐震基準」時代のものです。

 阪神大震災では「昭和55年以降の新耐震基準適合のマンションで倒壊した建物はなかった」、という知識が頭をかすめ、不安なまま家電を押さえつけます。

#このマンションの耐震性は管理会社が2年おきの検査で非公式な「太鼓判」のようなものを押しているそうですが、正式な耐震診断は管理組合が「仮に現行基準を満たさない数字が出れば住民が不安になるだけ」と言って受けていない

 マンション本体もさることながら、足場もあるのです。


 幸い、特にそのような衝撃や音は感じられないまま揺れが収まり、ラジオをつけ、PCからはYahoo!地震情報へアクセス。

 いちかわエフエムは、スタッフが情報を収集中、との男性パーソナリティによるアナウンスが繰り返されてヒーリングミュージックに切り替わっていました。


 とりあえず家の中を見て回ると、扇風機や折り畳みイスのような自立しているものが倒れ、引っ越したときのまま積み上げていたダンボール箱が崩れたほかは、特に大きな被害はありません。

 机やテーブルに積み上げた本や書類は雪崩を起こしていましたが。orz

 タンスや冷蔵庫などは壁側に傾けて自立させた上で転倒防止器具で壁に貼り付け、スチールラックは突っ張り棒タイプの支柱で固定してあったのが功を奏したようです。


 あとは、洗面所が水びたしでした。

 漏水なら水がどこかから出続けているはずですが、そのような様子はなく、どうやら隣の浴室から浴槽の水が波うってあふれてきたようです。

 ……半分しか入ってなかったのに、フタもしてあったのに、それだけ揺れたということか、と思い知らされました。

 Yahoo!地震情報での速報値では、千葉県北西部は震度6弱でした。


 すごいと思ったのは、これだけの地震直後でも、インターネット回線が生きていて、Yahoo!やtwitterが何のストレスもなくつながるということです。

 自分が使っている「ついっぷる」は自動的にリロードするので、タイムライン上に続々とフォロワーの皆さんの新しいツイートが続々と現れ続けます。


 きょうは昼寝から起きたら確定申告をしに船橋駅前へ行く予定でしたが、

・情報を収集しているうちに15時半近くなってしまったこと
 (自転車で行くとドアツードアで30分ほどかかる)
・東京湾にも津波注意報(予報値1.5m)が出ていること
・船橋駅前の受付は15日までやっていること
 (還付申告なので最悪その後に税務署へ直接持って行ってもいい)

といったことから、やめて家にいることにしました。


 これだけ大きい地震ならガスメーターが自動停止したはず、とガスストーブをためしに点火してみるとやはり点きません。

 去年、ガス栓を開いたときに京葉ガスの人に教わった復帰方法をさっそく実践するとは……と、玄関を出て階段の踊り場にあるガスメーターのボタンを押します。

 ここで、お隣さんも出てきてお互いに声をかけ合います。「あら、今日はお休みだったんですか?」……すいません、ずっと休みなんです。。

 お隣さんのガスメーターも復帰。
 

 そんなことをしていると、NHKが津波に飲み込まれる仙台市内の様子を中継しているまさにそのとき、外からザーという水が激しく流れるような音が聞こえます。

 何かと思えば、マンション外壁の高圧洗浄を再開したようです。

 余震も起きているのに、今日は工事中止じゃないのですか。……って、じゃぁ、明日ならいいのか、週明けならいいのか、なぜ今日だけ中止なのか、本震より大きい余震が来るのか、と自問すると自分には分かりません。

 工事会社もプロですから、プロなりの判断なのでしょう。


 自分は自分なりに判断して家に待機することにしました。

 勤務先には地震マニュアルがあって「非常参集」の決まりもありますが、残念ながら休職中の身です。ダテに仕事にドクターストップがかかってるわけじゃありません。

 ……仮に徒歩圏の事業所へ自発的にかけつけても、自分が何をすればいいのか分からない、指示を待つだけの人間はただの足手まといです。


 ただ、上司には無事で自宅で待機している旨を知らせなければいけません。

 とはいえ、災害時は優先されるべき通話があるはずなので、電話の使用は控えてひとまずPCからメールで送ります。……メールの送受信だって通信回線使ってんだろうが、というのはとりあえずさておき。

 これが17:15。地震発生から2時間半が経過していました。

 PHSのメールには、友人や家族からメールが続々と届きますが、同様の理由でひとまず放置です。

 ……が、その1時間後、上司からPHSへ「被害はありませんか? 連絡をください」とメールが届きます。orz

 メールが届かないのか、上司が外出中などPCメールを見る環境にないのか分からないので、ここではじめて上司の携帯へ電話をかけましたが、やはりつながりません。

 次善の策で、上司と家族へはPHSからのメールで無事でいる旨を返事しました。……上司への携帯メールは届いたようで、直後にPCメールの開封通知と上司からの返信がPCに届きました。


 仙台に赴任している早大鉄研の同期や後輩の安否が気にかかるばかりですが、被災地への通話は当然混み合います。それに、もし通じたとしても、自分と同業の彼らは業務に奔走しているに違いなく、「便りのないのがよい便り」と信じることにします。

#どちらも、そのあと無事が分かりました


 日が暮れてきましたが、ひとまず地震で破損しなかった安全な建物で雨・風を防げて電気・ガス・水道も通じている環境にいる以上、あとは「待機」する以外にすることはありません。

 変に動いて「二次被害」を惹き起こしては周りが迷惑です。


 当日、自分で自分に言い聞かせるようにツイートした内容について、タカハシは何様のつもりか、と気分を害している人がいるようだよ、と耳にしました。

 気分を害した方にはお詫びをいたしますが、何らかの指図をするような意図も権限も私にはありませんので、その旨、釈明をしておきます。


 まずは、休めるうちに休んでおこう、と、21時半過ぎに床に就きました。
(2時ごろに目を覚ましたあとはほどんど眠れませんでしたが)
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変わらないのはあんたらだ

IMGP2333.jpg 京成電車に乗りました。

 新居最寄りの京成中山駅から目的地の海神駅まで普通電車で3駅なんですけど、東中山で特急と「シティライナー」の2本を通過待ちして7分くらい停まってました。

 で、通過待ちの間に目に入ったのが、春闘の「激看板」(?)。

政治じゃなにも変わらない 世の中変えるは労働者 未来につなごう 11春闘
電車支部工務分会

 朝ラッシュで電車にすし詰めになっている乗客もこの真っ赤な看板を見るんでしょうけど、この看板を見て奮起する人が果たしているのかどうか。

 実際に汗をかいて働く人が世の中を変えるのだ、というのはそのとおりだと思いますけれども、それは政治家だろうが実業家だろうがサラリーマンだろうが同じことです。

IMGP2335.jpg 一部のマニアに大人気な「京成パンダ」でありますが、中吊り広告の告知はweb連載中のマンガ「パンダのソナタ」だそうですよ。

 コミケへ行くと一部同人誌ですでに(勝手に)漫画化されている京成パンダですが、公式マンガも存在するという事実!

 しかも、第2話「3年P組金パン先生」では、

「腐ってゆくパンダ」
「荒れ狂うパンダ」

って、何でもありなキャラという時点で発想が同人作家と同じ!!

IMGP2334.jpg Suicaのペンギンは、広告代理店(電通)の中で喧々諤々やって「あのペンギンはこんなことしない!」とか、いろいろな規制(?)の末にあれだけのバリエーションがある、と何かで読んだことがあるのとは対照的です。

 そういえば、「ドアにご注意」のキャラってJR東日本は特に設定がないですよね。
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