行き過ぎた区別だと思っている
2020.09.05 Saturday | よんなん的戯言
妻の勤務先で新型ウイルスのクラスターが発生しました。
幸い、妻とは部署も違い、妻が感染することも、濃厚接触者に指定されることもなく、部署の業務はこれまで通りで、妻も引き続き勤務して職責を果たしています。
しかし、市の施設ということもあってか、市が(指定管理者である妻の勤務先とともに)発表をして施設の名前が新聞にも載ったところ、その翌日にさっそく娘が通う保育園から園長先生じきじきに「登園の自粛にご協力をお願いします」と告げられ、以来、娘は保育園に通えずにいます。
文字に起こせば「自粛」に「協力」を「お願い」されているだけなので、よくよく考えてみれば強制ではないのですが、突然「園長先生からお話があります」と言われてそんなことを告げられたら、強制ではない旨を説明でもされない限り、言われた側にとっては事実上「明日から保育園に来ないでください」という通告です。
不幸中の幸いで、妻の職場の事業所内保育室に空きがあり、その翌日から通うことができて、私や妻が仕事を休むあるいは最悪の場合辞めなければいけないという事態に陥らずには済んでいます。
しかし、持ち物は保育園より多く、一時的だと考えているので哺乳瓶などは買い足すことをせずに家で使っているものを持って行ったりしているので、家での授乳などは不便に感じる場面もあります。
あと、事実上の保育園側の要請で登園せずに(登園できずに)いるのに、形式上は保護者側の判断で登園させていない建前なので、保育園の保育料も返ってきません。(市の登園自粛は6月までで、保育料の日割り計算も6月で終わっています→市のウェブサイト)
……とまぁ、考えれば考えるほど、家族が感染したわけでも、濃厚接触者に指定されたわけでも、ましてや娘本人がどうかしたわけでもないのに、単に妻の勤務先の別部署でクラスターが発生したと発表されたというだけで、保育園側の不安にしか基づかない対応……要は受けるいわれのない差別をされたと感じるわけです。
こんなもの、保育園を所管する行政当局に電凸だ、と家庭内で息巻いてはみたものの、妻から「これ以上の精神的な負担には耐えられない」と言われてしまいました。
確かに、保育園は我が家からは遠く、妻の職場の近隣にあるのでどうしても日々の送り迎えで保育園側と接するのは妻ですから、保護者会くらいでしか園に足を運ぶことがない夫が息巻いて余計なことを言ったら何されるか分からない、という不安も残念ながら理解できます。
どう見ても、子どもが「お前の母ちゃんコロナだろ! 学校来るなよ! うつるだろ!」といじめるのと同じ構図で「先生に言ったら余計にひどい目に遭う」というやつです。……しかも大人の世界だから余計に陰湿なことが起こるかもしれません。
(冒頭の園長先生の「お願い」一つとっても、すでに保護者が自発的に協力したことに仕立て上げられています)
もちろん、こんな差別まがいのこと……いや差別そのものを許すつもりは毛頭ないので、時期は今でないにしても、何らかの形で行動を起こすつもりです。
それにしても、自分でも悔しいのは、4月に藤田医科大学病院で医師の感染が発表された際に看護師の子が同様の扱いを受けていたニュース(NHK・日テレ)を知っていながら、そこから学ばずに適切な対応をとれなかったことです。
NHKはハッキリ「拒否」と書いていますが、日テレは保育園が求めたのは「自粛」であると報じています。
>「保育園のほうから『自粛していただくようにお願いします』とメールがきました」
まさに今回、娘が通う保育園が妻に言ったのと同じ言い回しです。
3月には、日本赤十字社が「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!〜負のスパイラルを断ち切るために〜」というリーフレットを作っています。
未知の感染症への不安が差別を生み、差別への怖れが受診の抑制を生み、感染の拡大を生むというスパイラルの図は、私も見たことがあります。
不安だからと言って(根拠もなく)誰かを偏見の目で見て遠ざけることは、まさか自分はするまい、と思っていても、他人からされたときに毅然と拒否することを家庭内で意思統一しておくことができていなかったのです。
一度こうなってしまった以上、いきなり現状を変更して元の保育園へ戻れるよう行動を起こすのは家族にも負担が大きく、上記のように(負担はありますが)いまのところどうにかなっているのも事実ではあるので、保健所のクラスター収束宣言をもって娘も元の保育園へ復帰と想定されることもあり、落ち着いたころに何らかの意思表示をしたいと考えています。
少なくともこのまま黙っていたのでは、こんなことがまかり通る世の中を娘の世代へ引き継ぐことを私も黙認したことになってしまいます。
幸い、妻とは部署も違い、妻が感染することも、濃厚接触者に指定されることもなく、部署の業務はこれまで通りで、妻も引き続き勤務して職責を果たしています。
しかし、市の施設ということもあってか、市が(指定管理者である妻の勤務先とともに)発表をして施設の名前が新聞にも載ったところ、その翌日にさっそく娘が通う保育園から園長先生じきじきに「登園の自粛にご協力をお願いします」と告げられ、以来、娘は保育園に通えずにいます。
文字に起こせば「自粛」に「協力」を「お願い」されているだけなので、よくよく考えてみれば強制ではないのですが、突然「園長先生からお話があります」と言われてそんなことを告げられたら、強制ではない旨を説明でもされない限り、言われた側にとっては事実上「明日から保育園に来ないでください」という通告です。
不幸中の幸いで、妻の職場の事業所内保育室に空きがあり、その翌日から通うことができて、私や妻が仕事を休むあるいは最悪の場合辞めなければいけないという事態に陥らずには済んでいます。
しかし、持ち物は保育園より多く、一時的だと考えているので哺乳瓶などは買い足すことをせずに家で使っているものを持って行ったりしているので、家での授乳などは不便に感じる場面もあります。
あと、事実上の保育園側の要請で登園せずに(登園できずに)いるのに、形式上は保護者側の判断で登園させていない建前なので、保育園の保育料も返ってきません。(市の登園自粛は6月までで、保育料の日割り計算も6月で終わっています→市のウェブサイト)
……とまぁ、考えれば考えるほど、家族が感染したわけでも、濃厚接触者に指定されたわけでも、ましてや娘本人がどうかしたわけでもないのに、単に妻の勤務先の別部署でクラスターが発生したと発表されたというだけで、保育園側の不安にしか基づかない対応……要は受けるいわれのない差別をされたと感じるわけです。
こんなもの、保育園を所管する行政当局に電凸だ、と家庭内で息巻いてはみたものの、妻から「これ以上の精神的な負担には耐えられない」と言われてしまいました。
確かに、保育園は我が家からは遠く、妻の職場の近隣にあるのでどうしても日々の送り迎えで保育園側と接するのは妻ですから、保護者会くらいでしか園に足を運ぶことがない夫が息巻いて余計なことを言ったら何されるか分からない、という不安も残念ながら理解できます。
どう見ても、子どもが「お前の母ちゃんコロナだろ! 学校来るなよ! うつるだろ!」といじめるのと同じ構図で「先生に言ったら余計にひどい目に遭う」というやつです。……しかも大人の世界だから余計に陰湿なことが起こるかもしれません。
(冒頭の園長先生の「お願い」一つとっても、すでに保護者が自発的に協力したことに仕立て上げられています)
もちろん、こんな差別まがいのこと……いや差別そのものを許すつもりは毛頭ないので、時期は今でないにしても、何らかの形で行動を起こすつもりです。
それにしても、自分でも悔しいのは、4月に藤田医科大学病院で医師の感染が発表された際に看護師の子が同様の扱いを受けていたニュース(NHK・日テレ)を知っていながら、そこから学ばずに適切な対応をとれなかったことです。
NHKはハッキリ「拒否」と書いていますが、日テレは保育園が求めたのは「自粛」であると報じています。
>「保育園のほうから『自粛していただくようにお願いします』とメールがきました」
まさに今回、娘が通う保育園が妻に言ったのと同じ言い回しです。
3月には、日本赤十字社が「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!〜負のスパイラルを断ち切るために〜」というリーフレットを作っています。
未知の感染症への不安が差別を生み、差別への怖れが受診の抑制を生み、感染の拡大を生むというスパイラルの図は、私も見たことがあります。
不安だからと言って(根拠もなく)誰かを偏見の目で見て遠ざけることは、まさか自分はするまい、と思っていても、他人からされたときに毅然と拒否することを家庭内で意思統一しておくことができていなかったのです。
一度こうなってしまった以上、いきなり現状を変更して元の保育園へ戻れるよう行動を起こすのは家族にも負担が大きく、上記のように(負担はありますが)いまのところどうにかなっているのも事実ではあるので、保健所のクラスター収束宣言をもって娘も元の保育園へ復帰と想定されることもあり、落ち着いたころに何らかの意思表示をしたいと考えています。
少なくともこのまま黙っていたのでは、こんなことがまかり通る世の中を娘の世代へ引き継ぐことを私も黙認したことになってしまいます。