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新幹線大爆破

 いつか見ようと思っていた作品で、火曜日のTSUTAYA200円の日に借りてきました。

 あまりの衝撃的な内容に当時の国鉄が撮影に協力しなかった、とか、同じストーリーがアメリカの『スピード』という作品に真似されたほど、とか、そんな評判を耳にしていたので、ずいぶん期待していたわけです。


 DVDには予告編も入っているので、こちらを見てみると…

 新幹線ひかり号(こだま号かもしれませんが…)が走ってくる映像に、

「世界事故史上最大」
「空前の大惨事へ!」
「ひかりは今 巨大な棺桶と 化した」

と、衝撃的なテロップが現れて、(棺桶ですよ、棺桶!)

 ドカーンという火花とともに「新幹線大爆破」というタイトルで、期待は最高潮です。


 ところが、本編を見終わると、実際の新幹線の爆破シーンは、国鉄や警察が想像する悪夢…というだけで、結局は新幹線は無事に止まっておしまいなんですね。

 「西部警察」の第86話「バスジャック」も、同じように速度計式の爆弾がバスに仕掛けられる、という話ですけど、こちらは最後に乗客を救出したのちに犯人もろとも爆発していたので、せっかく国鉄の協力を得ないで作ったからには同じようにやるんだろうと思っていたんです。

 速度計のコードを切断していよいよ止まるぞというときに、別の場所に別の爆弾らしきものが見つかった……というあたりで、これはきっと乗客が全員降りてから爆破シーンがあるに違いない、、、と妄想は膨らむばかりでしたが、その後まもなく主犯の高倉健が警官隊に狙撃されて映画そのものが終わってしまうのです。

 この2つ目のモノが何だったのかも結局は分からずじまいで、こんな終わり方ありかよ! 予告編があれじゃ羊頭狗肉もいいところだよ! というのが率直な感想でした。

 高倉健が「タケダシュンスケ」という別人のパスポートで海外へ逃亡するはずなのに、空港カウンターに「サクマゴロウ」という名前で現れて警察の張り込みから逃れたのもどういうわけなんだか……このもやもや感と言ったら!!


 冒頭で、北海道の貨物列車が爆破されるシーンがありますけど、これは模型でもなく実物が火を噴いていて、こちらのほうが圧巻です。

 あれはどうやって撮影したんだろうなぁ、と、むしろこっちが気になります。

 SLの貨物列車なら国鉄の協力が得られなくても私鉄で撮影すればよい話で、当時なら夕張鉄道か大夕張鉄道か、はたまた道外の私鉄でも構わないはずですが、スタントマンでSLの運転免許を持った人などいないでしょうし、最終的には爆発する建物に突っ込んでゆくので、よく鉄道会社(と実際に運転する社員)が引き受けたなぁ、と感心してしまいます。

 ……劇中では運転士が二人とも飛び降りてしまうものの、撮影用列車までが無人列車だったはずがなく、おそらくは、爆発する先頭は無人でも後ろから別の機関車で押していた、とは推測しますが、これはたいしたもんです。


 はっきりいって、見どころはここだけだと思います。

 しいて言えば、新幹線が名古屋駅を通過するシーンはよく作ったなぁと思う程度です。……電車の動きがぎこちないのは、合成だからなんでしょう。

 名古屋駅を通過する実物の列車は「のぞみ号」まで存在しませんでしたし、国鉄が協力しなかった以上、撮影用の特別に通過する列車が走ったはずもなく、おそらくは停車する列車を敷地外から撮影してフィルムをうまく切り貼りしたに違いありません。

 同様のシーンは新大阪駅通過場面でも出てきますが、名古屋駅はホームにいる人の動きが妙なので、明らかに合成(or フィルムの早回し)だと分かるんですよね。
author by よんなん
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