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10年後、何をしていたいですか?

 勤務先では、年に一度、自分の今後の希望を述べる「自己申告書」を提出して、「個人面談」を受けます。

 予想外の質問が、「どこで勤務したいですか?」という質問。

 いきなり聞かれましても。(去年も聞かれたんでしたっけ?)

 やれ本社だの東京圏の支社だの希望しても面白くないですし。
 かといって、せっかくあちこちへ転勤がある採用枠で入社したのに、ずっと群馬というのもなんだかなと思うわけです。


 「じゃぁ秋田支社に○つけとくか」

 面談を担当する上司がかつていたというエリアの名前が挙がります。

 「いいですねぇ、それ。望むところです」

 ……拍子抜けしたような上司の顔。


 そういえば、先日も

「こんどの研修の修了試験で上位1割に入れなかったら、お前××へ転勤な」
(××は、社内ではおそらく一番さいはての場所にある職場)

「あ、そこ、この会社入る前から一度勤務してみたかったんです」

なんていう会話をしたばかりです。


 「会社入る前から」は事実でして、内定者だった学生の頃、本社の採用担当の方と飲んだとき

「どこか希望する場所はありますか」
「××に、ぜひ」
「××? どこにあるんですか?」

なんていうやりとりをしましたっけ。

 どこ、って、御社の営業エリアじゃないですか、、、とは思ったものの、入社以来東京以外で勤務した経験がないそうなので、さいはての地名を耳にしたことがなくても致し方ないのかもしれません。


 とまぁ、相変わらず後輩から「高橋さん普通じゃないですよ」という、某私大出身者には最高の誉め言葉をもらえそうな面談だったのですが。

 とはいえ、「10年後、何をしていたいですか?」という質問に明確に答えられなかったのは、今後の課題といえましょう。

 希望がかなうかどうかは別として、夢や妄想などのビジョンくらいはちゃんと描いておいたほうがよいのは、どこかの居酒屋チェーン社長の「夢手帳」を引き合いに出すまでもないことです。
author by よんなん
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