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タミフルと社会調査法

 大学で受けた「社会調査法」の講義で、もっと勉強をしたければ医学(疫学)関係の調査法のテキストを薦める、という話があったように記憶しています。

 私はそこまで社会調査法を詳しく勉強しませんでしたが。


 職場の詰所でテレビを断片的に見ていると、これまで厚生労働省が「タミフル服用」と「異常行動」の因果関係が「ない」と断定していたかのような取り上げ方が目立つ気がします。

 社会調査では、インフルエンザの患者で異常行動を起こした人の割合と、そのうちタミフルを服用した人で異常行動を起こした人の割合を比較します。

 で、割合に明らかな差があれば「関連性がある」。それほどでもなければ「関連性があるとはいえない(ないともいえない)」ということになる(はずな)のです。

 おまけに、仮に関連性があっても、因果関係があるとはいえないのもポイントです。
(タミフルを飲んで異常行動を起こした人に、共通して何か別の要因があるかもしれない、という意味)


 つまり、厚生労働省の立場は、タミフルを飲んでもいないのに異常行動を起こした人がいるでしょう、その割合と比較してそれほどでもないという調査結果しかありません、現時点で異常行動がタミフルのせいだと決めつけはできません、ということです。

 それに、インフルエンザはただの風邪ではなく、死亡する危険性も高い病気だということもあるでしょう。

 タミフルを飲んで異常行動を起こす割合と、インフルエンザに罹患しただけで異常行動を起こす割合に明らかな差が(現時点では)認められないのに、それ以前にインフルエンザそのもので死んでしまう人をどうするの、と。

 そう判断する第一線の厚生労働省の職員を、そこまで罵る根拠って何なのかなぁ、と思ってしまうのです。

 もちろん、子を亡くした親が「こんな思いをするのは私たちだけで充分だ」と言いたくなる気持ちは理解できますが。


 インフルエンザの患者が異常行動を起こす可能性がある、とは私もそれほど知りませんでしたし、それが周知されていなかったことは問題かもしれません。

 ただ、厚生労働省が「因果関係がない」と意固地に断定していたかのように取り上げて、その姿勢をあらゆる表現で貶めるテレビ番組を見ていると、少しは「社会調査」が何なのか知ってから番組を作ってほしいもんだと思うのです。

 なにしろ、新聞社やテレビ局だって、「世論調査」という社会調査をしているのですから。

 テレビ局の関係者が血眼になるとかいう視聴率の調査だって、社会調査なんですし。
author by よんなん
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