歌舞伎初体験
2011.06.03 Friday | よんなん的日常
実家のご近所の方が急に行けなくなってチケットをいただいたから、と、母親にお伴して新橋演舞場へ行ってきました。
チケット代がタダだったので、イヤホンガイド(650円+デポジット1000円)を借り、筋書き本(1200円)を買いました。
歌舞伎って確か中学だか高校の頃に芸術鑑賞で見たよなー、背景に松の絵しかないんだよね……と思ってたら、開演と同時に現れたのはドリフかと思うようなセットですよ!
あぁ、そうだ、背景に松の絵しかないのは、歌舞伎じゃなくて能だった……。
32歳まで、何見て生きてたんですかね。
歌舞伎というと最初から最後まで加藤茶の歌舞伎コント(あんなのとかこんなの)みたいにやっているのかと思っていたのですが、最初の演目「吹雪峠」は本当にドリフというか吉本新喜劇というかそういうのと違いが分からない……。。。
歌舞伎といえば女形ですけど、まるで青島幸男の「いじわるばあさん」のようだ。。。
セットも、吹雪も、効果音も、照明も、現代の舞台となんら変わりがないようにしか見えない無学な自分。
ところでイヤホンガイドは、あったほうが理解はしやすいものの、片耳をふさいでしまうのでセリフがあんまり耳に入らないのが難点です。
幕間に筋書き本をあらかじめ読んでおけば、能と違ってセットもあれば効果音もありますし比較的理解しやすいので、ないほうがむしろいいかもしれません。
最後の演目「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」だけが、雨音を太鼓で表しているだとかセリフもほとんど歌舞伎コント状態だったので、唯一イヤホンガイドありがとうと思った程度でしょうか。
重要無形文化財どころか世界無形遺産にすら登録されている歌舞伎ですが、自分にはさてどうなのかなぁ、と思うところは多々ありました。
「色彩間苅豆」の主人公って、子持ちの人妻とデキた挙句にその旦那を殺し、その娘も食べちゃってるような人ですよ。(娘は逃亡した相手が親の敵だとも知らず、子を身籠ったと後を追ってきて男に殺されてしまう話)
梨園の実生活というと、その辺がとても厳しいようなイメージがあるんですけど、こんな演目ばっかりだと、こないだ六本木で騒ぎを起こした若手歌舞伎俳優もかくありなんという気がしなくもないです。
さて、週刊『モーニング』で連載中の「テラシネマ」で、歌舞伎出身俳優のセリフ覚えが早いのは毎月演目が変わるから、というエピソードがあったばかりですけど、二つ目の演目「夏祭浪花鑑」の最後、やはり主人公が育ての親(しかも舅=義父)をまさに殺そうとしているシーンで、殺されかかっている市川段四郎が
「違う、違う、逆、逆」
と、明らかにセリフじゃない単語を中村吉右衛門に向かって言っているのにはずっこけました。
テレビドラマみたいにNGシーンが放送されないのと違って、生の舞台ならではですね。
しかし3つの演目中、2作品が「クライマックスは殺害シーン」ってのは、どうなんでしょう。
もちろん、殺害シーンもケンカのシーンも独特な立ち回りで見た目は暴力的でも残酷でもなく、これが歌舞伎ならではの表現なんでしょう、。
……とはいえ、草刈り鎌でメッタ切りにされた女がなかなか死なない、とか、そこが見せ所とはイヤホンガイドを聞きながら理解しつつ、焼酎「しろ」のCMを思い出してしまいました。
CMと違って女も主役ですが、延々と続くので「早く死ねよ」と思ってました。(なんて奴)
まぁ、「家のセットは左側が玄関」というのはドリフがそっくり取り入れていますし、マンガ「県立海空高校野球部員山下たろーくん」のピッチャーが投げてからキャッチャーミットに届くまでどうやってセリフがこんなに詰め込めるんだと思うようなコマ割りも、おお、歌舞伎の表現手法だったか、なんて思ったり。
なにはともあれチケットをくれた方には申し訳ないのですが、自分が理解するにはちょっとレベルが高すぎる芸術だったようです。
最後にもう一つ、身近な歌舞伎表現といえば応援団の「勝利の拍手」などに歌舞伎の要素が取り入れられていたりして、「六旗の下に」などのステージでリーダーが体を反らせば客席から拍手がわいたりリーダーの名前や「日本一!」やら「まだまだ!」などの声で飛んできたりするんですけど、歌舞伎は客席から声をかけるのでも
「ほぁりぃむぁいゃぁ!」(=播磨屋)
などとそれっぽく叫ぶのですね。……最初、舞台側で誰かが演出しているのかと思ってましたが、どうも客席から呼んでいるようです。応援団ステージみたいに好き好きに名前を叫べばいいのと違って、なかなかハードルが高いです。
来月の午前の部は「義経千本桜」「勧進帳」「楊貴妃」の3本ですから、もしかしたら自分みたいなのにももう少し分かるかもしれません。
チケット代がタダだったので、イヤホンガイド(650円+デポジット1000円)を借り、筋書き本(1200円)を買いました。
歌舞伎って確か中学だか高校の頃に芸術鑑賞で見たよなー、背景に松の絵しかないんだよね……と思ってたら、開演と同時に現れたのはドリフかと思うようなセットですよ!
あぁ、そうだ、背景に松の絵しかないのは、歌舞伎じゃなくて能だった……。
32歳まで、何見て生きてたんですかね。
歌舞伎というと最初から最後まで加藤茶の歌舞伎コント(あんなのとかこんなの)みたいにやっているのかと思っていたのですが、最初の演目「吹雪峠」は本当にドリフというか吉本新喜劇というかそういうのと違いが分からない……。。。
歌舞伎といえば女形ですけど、まるで青島幸男の「いじわるばあさん」のようだ。。。
セットも、吹雪も、効果音も、照明も、現代の舞台となんら変わりがないようにしか見えない無学な自分。
ところでイヤホンガイドは、あったほうが理解はしやすいものの、片耳をふさいでしまうのでセリフがあんまり耳に入らないのが難点です。
幕間に筋書き本をあらかじめ読んでおけば、能と違ってセットもあれば効果音もありますし比較的理解しやすいので、ないほうがむしろいいかもしれません。
最後の演目「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」だけが、雨音を太鼓で表しているだとかセリフもほとんど歌舞伎コント状態だったので、唯一イヤホンガイドありがとうと思った程度でしょうか。
重要無形文化財どころか世界無形遺産にすら登録されている歌舞伎ですが、自分にはさてどうなのかなぁ、と思うところは多々ありました。
「色彩間苅豆」の主人公って、子持ちの人妻とデキた挙句にその旦那を殺し、その娘も食べちゃってるような人ですよ。(娘は逃亡した相手が親の敵だとも知らず、子を身籠ったと後を追ってきて男に殺されてしまう話)
梨園の実生活というと、その辺がとても厳しいようなイメージがあるんですけど、こんな演目ばっかりだと、こないだ六本木で騒ぎを起こした若手歌舞伎俳優もかくありなんという気がしなくもないです。
さて、週刊『モーニング』で連載中の「テラシネマ」で、歌舞伎出身俳優のセリフ覚えが早いのは毎月演目が変わるから、というエピソードがあったばかりですけど、二つ目の演目「夏祭浪花鑑」の最後、やはり主人公が育ての親(しかも舅=義父)をまさに殺そうとしているシーンで、殺されかかっている市川段四郎が
「違う、違う、逆、逆」
と、明らかにセリフじゃない単語を中村吉右衛門に向かって言っているのにはずっこけました。
テレビドラマみたいにNGシーンが放送されないのと違って、生の舞台ならではですね。
しかし3つの演目中、2作品が「クライマックスは殺害シーン」ってのは、どうなんでしょう。
もちろん、殺害シーンもケンカのシーンも独特な立ち回りで見た目は暴力的でも残酷でもなく、これが歌舞伎ならではの表現なんでしょう、。
……とはいえ、草刈り鎌でメッタ切りにされた女がなかなか死なない、とか、そこが見せ所とはイヤホンガイドを聞きながら理解しつつ、焼酎「しろ」のCMを思い出してしまいました。
CMと違って女も主役ですが、延々と続くので「早く死ねよ」と思ってました。(なんて奴)
まぁ、「家のセットは左側が玄関」というのはドリフがそっくり取り入れていますし、マンガ「県立海空高校野球部員山下たろーくん」のピッチャーが投げてからキャッチャーミットに届くまでどうやってセリフがこんなに詰め込めるんだと思うようなコマ割りも、おお、歌舞伎の表現手法だったか、なんて思ったり。
なにはともあれチケットをくれた方には申し訳ないのですが、自分が理解するにはちょっとレベルが高すぎる芸術だったようです。
最後にもう一つ、身近な歌舞伎表現といえば応援団の「勝利の拍手」などに歌舞伎の要素が取り入れられていたりして、「六旗の下に」などのステージでリーダーが体を反らせば客席から拍手がわいたりリーダーの名前や「日本一!」やら「まだまだ!」などの声で飛んできたりするんですけど、歌舞伎は客席から声をかけるのでも
「ほぁりぃむぁいゃぁ!」(=播磨屋)
などとそれっぽく叫ぶのですね。……最初、舞台側で誰かが演出しているのかと思ってましたが、どうも客席から呼んでいるようです。応援団ステージみたいに好き好きに名前を叫べばいいのと違って、なかなかハードルが高いです。
来月の午前の部は「義経千本桜」「勧進帳」「楊貴妃」の3本ですから、もしかしたら自分みたいなのにももう少し分かるかもしれません。