実家周辺の現在
2011.03.24 Thursday | よんなん的日常
いまや立派な被災地として報道されている浦安市内にかかりつけの心療内科があり、きょうはもともと診察日だったので行ってきました。
液状化の原理は、カップに米や豆を入れた後、カップをトントンと叩いてやると全体のカサが減る(米や豆が沈んで空気が浮き出る)のと同じで、砂でできた土地を地震が揺らすと、砂が沈んで水が浮き出るんですね。
#浦安の埋立地は、遠浅の海の砂を掘り起こして埋め立てたものです。
マンションや鉄道の高架橋のような大規模構造物は、その砂の下にある岩盤まで基礎を打って建てているので、写真の新浦安駅ビルように地面が沈んでも建物はそのままで段差ができています。
一方、戸建て住宅は岩盤に届くような深い基礎を打たないので、明暗が分かれました。
幸い、実家は現在のところ素人の見た目や、DIY工具の水平器で分かるレベルの傾きは出ておらず、家族はそのまま暮らしています。
(詳細は専門家の診断を受ける必要があると思いますが)
建築工学には詳しくないのですが、実家を建てた父親が「基礎は6メートルまで打った」「費用は100万円くらい」と言っている話を合わせると、どうやら「柱状改良杭工法」という方法がとられた様子です。
岩盤まで届かなくても、直径50cmくらいの穴をおよそ2メートルおきに何本も掘ってセメントを流し込んで固めて杭状にしておくと、地震で揺らしても杭との摩擦で砂が動かない、という理屈です。
写真は実家の近所で、もはやどれがまっすぐでどれが傾いているのか分かりませんが、真ん中の三角屋根のお宅で、建物の右側が沈んで左側が浮いています。
実家周辺は30年ほど前に旧財閥系の大手不動産業者が開発した建売住宅団地で、歩いて見た範囲では傾いているのはその後に建て替えられた家が目立つ印象でした。
建て替えたところはおおむね、庭をなくして建物を広くしていますから、元あった家の下には杭があっても、庭や犬走りだった部分に(お金をかけて)杭を打たなかったお宅は、そこが泥と化して沈んで傾いてしまったのでしょう。(推測)
もちろん、建て替えてもまっすぐ残って(?)いる家もあります。そういうお宅は、地面にもお金をかけたのでしょう。
……ということで、合ってますでしょうか? >建築方面の方
傾いた家は、ジャッキアップして元に戻すとか。
杭を打つのにお金をかけるか、傾いてもお金をかければ元に戻るなら何十年〜何百年に1回あるか分からない頻度の液状化が起こればそれはそのときと考えるか、判断は人それぞれかと思いますけれども。
さて、道路に杭をバカスカ打ってしまっては水道管やガス管を簡単に埋設できませんから、今回は見事に液状化して上下水道・都市ガスの供給に支障が出てしまいました。
あちこちで地面を掘り返してガス・水道の復旧工事をしていて、液状化で吹き出た泥を片付けた後の砂埃と合わせて、市内全体が埃だらけです。
車が走れば目に見える量の埃が舞い、バスも高級車も泥だらけで走っている光景なんて、ずいぶん久しぶりに見た気がします。
たぶん、4年ほど前に行ったギリシャの街並み以来じゃなかろうか……。
きょう、花粉が積もるほど飛散してニュースになりましたけど、「花粉が積もったのが見える」なんて、日本の町はどれだけきれいなのかということです。
話をライフラインに戻すと、電柱は傾きつつも、震災直後でもどうにか電気だけは通じていました。……きょうの時点で、実家では下水道と都市ガスが復旧していて、かなり状況は改善されたようです。
それまで計画停電が実施されたわが新居とは逆に、ガスが復旧するまで“オール電化生活”を余儀なくされたという話で、リビングの食卓には所狭しとホットプレートや卓上IH調理器が鎮座していました。
#2011/3/25追記:3月25日に上水道も復旧しました。
水道というのは、上水道よりも下水道のほうが重要ですね。
上水道は、止まっても水を買ってくるなり給水車から汲んでくればよいものの、下水道は庭に撒いて捨てる以外にありません。……それも 庭 が あ れ ば できることです。
マンション住まいの私の主治医の先生のお宅も診療所もまだ復旧しないようで「下水道が復旧したんですか、それはうらやましい限りです、だいぶ違いますね」というお話です。
写真は、新浦安駅近くのマンションの中庭にあった仮設トイレ。
下水道が通じない限り、用を足しにここまで来なきゃなわけです。
……家の建物には目に見える被害もなく、物が倒れたり落ちたりということもなく、家族にはケガもなく、本当に何よりではありましたが、このレベルでも実態として両親は少々疲れて参っている様子ではありました。
家が傾いて疎開をされている方や、東北地方でもっと過酷な避難所暮らしをされている方々は、なおのことだと思います。
浦安市内では、市立小中学校の建物は現在避難所として開放しておらず、避難所に指定されている公民館は(埋立地ではない)元町地区の2つだけ(3月24日現在)で、家に住めなくなった人たちの大半は自発的に知り合いや家族の単身赴任先を頼るなどして疎開暮らしをしているようです。
参考:浦安市公式サイト内「市内の被害状況」
液状化の原理は、カップに米や豆を入れた後、カップをトントンと叩いてやると全体のカサが減る(米や豆が沈んで空気が浮き出る)のと同じで、砂でできた土地を地震が揺らすと、砂が沈んで水が浮き出るんですね。
#浦安の埋立地は、遠浅の海の砂を掘り起こして埋め立てたものです。
マンションや鉄道の高架橋のような大規模構造物は、その砂の下にある岩盤まで基礎を打って建てているので、写真の新浦安駅ビルように地面が沈んでも建物はそのままで段差ができています。
一方、戸建て住宅は岩盤に届くような深い基礎を打たないので、明暗が分かれました。
幸い、実家は現在のところ素人の見た目や、DIY工具の水平器で分かるレベルの傾きは出ておらず、家族はそのまま暮らしています。
(詳細は専門家の診断を受ける必要があると思いますが)
建築工学には詳しくないのですが、実家を建てた父親が「基礎は6メートルまで打った」「費用は100万円くらい」と言っている話を合わせると、どうやら「柱状改良杭工法」という方法がとられた様子です。
岩盤まで届かなくても、直径50cmくらいの穴をおよそ2メートルおきに何本も掘ってセメントを流し込んで固めて杭状にしておくと、地震で揺らしても杭との摩擦で砂が動かない、という理屈です。
写真は実家の近所で、もはやどれがまっすぐでどれが傾いているのか分かりませんが、真ん中の三角屋根のお宅で、建物の右側が沈んで左側が浮いています。
実家周辺は30年ほど前に旧財閥系の大手不動産業者が開発した建売住宅団地で、歩いて見た範囲では傾いているのはその後に建て替えられた家が目立つ印象でした。
建て替えたところはおおむね、庭をなくして建物を広くしていますから、元あった家の下には杭があっても、庭や犬走りだった部分に(お金をかけて)杭を打たなかったお宅は、そこが泥と化して沈んで傾いてしまったのでしょう。(推測)
もちろん、建て替えてもまっすぐ残って(?)いる家もあります。そういうお宅は、地面にもお金をかけたのでしょう。
……ということで、合ってますでしょうか? >建築方面の方
傾いた家は、ジャッキアップして元に戻すとか。
杭を打つのにお金をかけるか、傾いてもお金をかければ元に戻るなら何十年〜何百年に1回あるか分からない頻度の液状化が起こればそれはそのときと考えるか、判断は人それぞれかと思いますけれども。
さて、道路に杭をバカスカ打ってしまっては水道管やガス管を簡単に埋設できませんから、今回は見事に液状化して上下水道・都市ガスの供給に支障が出てしまいました。
あちこちで地面を掘り返してガス・水道の復旧工事をしていて、液状化で吹き出た泥を片付けた後の砂埃と合わせて、市内全体が埃だらけです。
車が走れば目に見える量の埃が舞い、バスも高級車も泥だらけで走っている光景なんて、ずいぶん久しぶりに見た気がします。
たぶん、4年ほど前に行ったギリシャの街並み以来じゃなかろうか……。
きょう、花粉が積もるほど飛散してニュースになりましたけど、「花粉が積もったのが見える」なんて、日本の町はどれだけきれいなのかということです。
話をライフラインに戻すと、電柱は傾きつつも、震災直後でもどうにか電気だけは通じていました。……きょうの時点で、実家では下水道と都市ガスが復旧していて、かなり状況は改善されたようです。
それまで計画停電が実施されたわが新居とは逆に、ガスが復旧するまで“オール電化生活”を余儀なくされたという話で、リビングの食卓には所狭しとホットプレートや卓上IH調理器が鎮座していました。
#2011/3/25追記:3月25日に上水道も復旧しました。
水道というのは、上水道よりも下水道のほうが重要ですね。
上水道は、止まっても水を買ってくるなり給水車から汲んでくればよいものの、下水道は庭に撒いて捨てる以外にありません。……それも 庭 が あ れ ば できることです。
マンション住まいの私の主治医の先生のお宅も診療所もまだ復旧しないようで「下水道が復旧したんですか、それはうらやましい限りです、だいぶ違いますね」というお話です。
写真は、新浦安駅近くのマンションの中庭にあった仮設トイレ。
下水道が通じない限り、用を足しにここまで来なきゃなわけです。
……家の建物には目に見える被害もなく、物が倒れたり落ちたりということもなく、家族にはケガもなく、本当に何よりではありましたが、このレベルでも実態として両親は少々疲れて参っている様子ではありました。
家が傾いて疎開をされている方や、東北地方でもっと過酷な避難所暮らしをされている方々は、なおのことだと思います。
浦安市内では、市立小中学校の建物は現在避難所として開放しておらず、避難所に指定されている公民館は(埋立地ではない)元町地区の2つだけ(3月24日現在)で、家に住めなくなった人たちの大半は自発的に知り合いや家族の単身赴任先を頼るなどして疎開暮らしをしているようです。
参考:浦安市公式サイト内「市内の被害状況」