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これで75万円弁償せよと言われたら!

 最近の自分は新聞をナナメ読みしてしまうので見落としていたんですが、昨年、船橋市役所で臨戸徴収した市税のうち300万円を紛失する事故があり、このたび職員が地方自治法第243条の2の規定に基づいて利息つきで賠償した、というできごとがあったのだそうです。
毎日新聞産経新聞東京新聞

 船橋市では新しく臨戸徴収マニュアルを決めたそうで、見てみるとまず冒頭に

納税は憲法により国民の義務とされていることから、納税者は定められた期限までに自主納付することが原則である。

(中略)

納税者に対しては、定められた納期限までに自主的に納付するよう促す事が必要であり、徴収を目的とする臨戸は、自主納付との公平を図るため、納税者が特に外出困難な方であって、やむを得ない場合を除き、原則行わないものとする。

極めて当たり前すぎることが書いてあります。

 税金は役所が取りに来てくれるのではなく、自分で銀行やコンビニへ払いに行くか給料天引きされるもの……さもなくば、滞納になって鬼の行政権力によって(利息つきで)差し押さえられるんじゃなかったんですか。

 ニュース記事をよく読むと、

市によると、納税課の職員五人が昨年四月、六十代の男性方を訪れ、本年度の固定資産税など計二千百四十一万三千七百円を現金で徴収。会計課の金庫に保管し、翌日朝に確認すると三百万円がなかった。(東京新聞)

 職員総勢5人で「臨戸徴収」に出かけたのは滞納の催促でも差し押さえでもなんでもなく「本年度」の税金で、詳しい人に話を聞けば「納税者に呼びつけられた格好で、現地では威圧されて職員はすっかり萎縮していた」のだとか。

 地方自治法では、こうしたとき職員に賠償責任があるかどうか首長が監査委員に監査請求することになっていて、東京新聞によると監査結果は

自分が何を数えたかなど多くが不明で、公務員としての責任、自覚が感じられない

と批判しているそうですが、気の毒としか言いようがないです。

 いや、「公務員としての責任・自覚」、言い換えれば「公務員としてのプライド」を散々奪ってきたのって、われわれ市民であり国民じゃありませんか。

 自分の勝手な推測ですが、この税金泥棒だの、これだけ払ってるんだから少しはサービスしろだの、●●課(←まったく関係ない部署)のあいつの態度が気に食わないだの、何べん数えれば気が済むだの、このバカアホマヌケカスだの、何だかんだと言われては弁解しながらのやりとりだったんじゃないでしょうか。

 しかも、現金をドサドサ積まれたあと、実は納付済みの分があってその金額を返したり、右へ左へ(手品でやってそうな)やり取りがあったのだとか。

 それで間違えずに持って帰ってこれたら、むしろスーパーマンだと思います。


 これまで、「高額納税者に呼びつけられれば市役所から受け取りに出向いていた」というのがおかしかったのであって、これが300万円の紛失をきっかけに改まったと思えば、60万市民が平等に1人5円の「授業料」を分かち合ってもよいのでは、と私は思いました。


 公務員は「公僕」かもしれませんが、「奴隷」じゃないんです。
author by よんなん
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