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おととい来やがれ

 パリに着いたのは21:40。

 オルリー空港から「オルリー・ヴァル」という「ゆりかもめ」のような乗り物に乗ってRER(急行地下鉄)の駅へ出て、RERとメトロを乗り継いで予約しておいたホテルへ着いたのは23時過ぎだったでしょうか。

 平和な地方都市のストラスブールから来てみると、パリは電車も線路も落書きだらけで、おまけに深夜とあってはどうも穏やかではありません。


 さて、フロントにバウチャー(クーポン)を見せてチェックインをお願いするものの、どうも様子が変です。


 フロント係の手元にある書類に私の名前がどうもないようです。

 係の言葉もフランス語なんだか英語なんだか要領を得ず(たぶん、フランスなまりの英語)、深夜のパリへ放り出されそうな勢いです。

 なんとなくの雰囲気で伝わってくる様子では、

「君の予約なんか入ってないよ、(PCのモニターを示して)ほら、部屋も一杯だ。別のホテルを探してあげないこともないけど、その後のことは知らないね」

と言っているかに聞こえます。


 バウチャーには、JTBが委託している外資の旅行会社GTAの緊急連絡先(日本語可)が書いてあるので、そこへ電話しようとするも、「電話代を君が負担するなら使っていいよ。いくらかだって? さあね」という反応。(この英語だけは理解できました)

 たぶん、日本でいうところの「100番電話」みたいなのを使え、ということなんでしょう。フランス語のオペレータを介さなくてはいけないのでしょうし、日本のように通話料もべらぼーに違いありません。

 じゃぁ一旦外に出て公衆電話…といっても、メトロの駅からホテルまでには見かけませんでしたし、仮にあってもフランスの公衆電話はテレホンカード専用(ターミナル駅などにはクレジットカードが使える公衆電話もありますけど)ですから、ムリな話です。


 宿無しで深夜のパリへ放り出されることを考えると、とりあえず今はフロント係の提案に妥協したほうがよさそうです。

 とりあえずお願いして、別のホテルを紹介してもらいます。
 で、交通手段は、さらにメトロで2駅先。

「歩いていくと遠いよ、地下鉄かタクシーで行くんだね」

って、あのう、地下鉄代は? というか、まだ電車走ってるんですか? と聞きたかったものの、私の語学レベルでは要領を得ないことは明らかです。

 どうやら宿泊費だけは、私が持っていたバウチャーに「GTA」のマークが入っていたことから、ホテルと旅行会社のあいだでやり取りして、もう一度支払わされることがないような感じでしたけれど。
(というか、紹介されたホテルが、予約したホテルより高いのか安いのかもよく分からない)

 去り際の

「See you. Good night.」

という言葉に、本当は「おととい来やがれ」くらいに思ってるんだろうな、という印象を持ちつつ、小雨がぱらつくなかを再びメトロの駅へ歩くのでした。
author by よんなん
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