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『スターバックス大解剖』

 久々にこんな本を読みました。

 amazon.co.jpでの書評はこてんぱん気味ですけれど。

 書店で見かけて、あ、これ、友人が勤め始めた出版社のだ、と印象に残っていたものです。

 スターバックスの店頭にも並んでいるうえ、奥付に「編集協力 スターバックスコーヒージャパン株式会社」と書いてあるとおり、ヨイショ本なのは明らかですから、内容はある程度割り引いて受け取る必要がありそうです。
(というか、この出版社、企画宣伝もの以外の本って作ってるんですか?)

 とはいえ、スターバックスってすごいなぁと思うのは、従業員のモチベーションというか、思い入れというか、なんというかそういうものです。

 前も触れましたけど、スターバックスってチェーン店のくせにモスバーガー以上に店員さんが気さくに話し掛けてくれるなど、型にはまらない応対でなおかつ好印象なのが特徴だと思っています。

 応対に厳密なマニュアルがなくて各人の工夫に任されているのは、私の勤務先もそうなんですけど。

 しかし、スターバックスはアルバイトだって多いはずなのに、このモチベーションの高さはなんだろう、と思うわけです。

 たとえば22ページから第一線の従業員が17人紹介されているなかに、ミルクの泡で絵を描く技術を独学で修得してサービスとして提供している人とか、駅構内のテイクアウト専門店で100通り以上のおすすめカスタマイズを提案できる人なども出てきます。

 その意欲ってどこから出てくるんですか。

 スターバックスの従業員って全国に何千人、何万人といるに違いなく、私の勤務先でも数万人の社員から探せば個性的かつ高レベルな技術を磨いている人だってこの本に登場する数くらいは出てくるだろう、とは思うものの、少数派に違いないです。

 スターバックスのそれは従業員満足度も高いから、というのは明らかだと思うんですが、その魅力って何なんだろうなぁ、と。


 私の勤務先だって、賃金や福利厚生の待遇だったら、スターバックスなんかに負けちゃいないとは思うんですけど。


 勤務先の場合、各職場の規模が大きすぎて個々の従業員に会社側の目が行き届かず、やる気のある社員もそうでない社員も一緒くたに扱われがち(=頑張るだけ損)、というのはあるかもしれません。

 また、労働組合も、管理者が業務に立ち会ったり従業員に評価で差をつけることは好ましくないという雰囲気ですし。


 それと、お客さまもスターバックスのような店舗と違って、「本当は使いたくないのだけど、仕方なく利用している」という方がいらっしゃることも、勤務先の特徴かもしれません。

 ニワトリと卵の関係かもしれませんが、お客さま(たいていは代金を支払う意思のない方)からいただいた言葉によっては、何のために働いているのかなぁ、と落ち込む機会も少なくないです。
(ごくまれにおほめの言葉をいただくこともありますが)


 さらに、地域によっては生活スタイルが変わって、社員でもプライベートでは勤務先のサービスを一切利用しない(利用する機会がない)人が目立ちますし。

 さすがにスターバックスには、スターバックスのコーヒーを飲みもしないでフラペチーノを売っている従業員はいないでしょう。


 このあたりが、私の勤務先で顧客満足度も上げるために従業員満足度を上げるヒントなのかな、と思ったりするのです。

 ……スターバックスの本を読んだはずなのに、どうして勤務先の事業のことを考えちゃうんですかね。
author by よんなん
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