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女性の管理職比率が低いなんて当たり前


 サラリーマンの私でも思い当たるふしがあるなぁと考える次第です。

 我が子の誕生に際して育児休職を取ろうとしたら「男性社員にとって育児休職は一般職のための制度だ」「お前は奥さんのヒモになるのか」とアドバイスをくれた先輩がいました。

 あと数か月で平成が終わるという時代に何を言っているのかと思いましたが、現実として社内でそれなりに会社の意思決定に携われる地位にいらっしゃるのは、専業主婦(夫)のパートナーをお持ちか、DINKSか、はたまた独身の方々がほとんどのように感じます。

 総合職というのはいずれは会社の意思決定に携わる立場での活躍を期待して社内で切磋琢磨させている一面が少なからずあるのでしょうから、「育児休職を……」と言い出したら「その立場からしばらく降りる(けど社員は続ける)」と宣言するも同義であって、上記のようなアドバイスが矢のように飛んでくるのもむべなるかなでありましょう。
(私の勤務先には一般職と総合職の転換制度がない)

 例外的に、家庭を持ち、育児も担い、それでなお社内でそれなりの立場にいらっしゃる方もいますが、スーパーマンの領域の方だと思っています。


 私のような凡人にとって、仕事を手際よく終えて家庭と育児の時間を創出することなど机上の空論であって、実際には残った仕事を周囲の方にお願いして帰宅するか、保育園の送迎は配偶者まかせにして残業に精を出すしかありません。

 保育園の迎えがあるならそれを前提にしたスケジュール管理を云々……だなんて、会社経営に一定の影響がある事柄に携わるには、担当者個人の工夫では限度があります。

 一定の重要度がある案件はスピードも求められますし(案件が降ってきてから締切までのスパンがそもそも短い)、それでいて担当者+課長補佐+課長クラスで内容を詰めたものが部長への説明段階でひっくり返り、翌日の部長スケジュールは朝イチしか空いていないので、再び担当間や補佐や課長クラスと打ち合わせをしてやり直す締切は実質今日中(=終わるまで帰れません)、みたいな場面などざらです。

 運よくその日の晩に部長が残っていて再度説明を入れられたらいいですが、そうでなければ翌朝早く出社して部長をつかまえなくてはいけないので、保育園の送りどころか家で子供と朝食など済ませている場合ではありません。

 当然、そうした業務からは外してもらうよう願い出ることになります。

 また「立場が人を作る」という言葉もあるように、勤務地さえいとわなければ(私の勤務先のようないわゆる大企業なら)多様な業務経験を積むことも可能です。


 やれ「保育園の迎えがあるから残れません」だの「配偶者も正社員をしながら子育てをしているので、遠隔地での勤務はできません」だの言っている人が、人生の時間を仕事に全振りできる人と比べたら、会社員としての経験値に差がつく一方なのは明らかです。

 世の人は、子育ての経験が業務に活かせることも云々……などと言ってくれますが、子供の機嫌を取ってオムツを替えて食事を与えて風呂に入れてハミガキさせて一緒に寝て休日にはレジャーに連れて行く経験が、きょうあすの仕事に具体的にどう活きるのですか。

 だいたい、子育て経験が業務に活きるのなら、(少なくとも私の勤務先では)育児休職期間中に昇給がストップするのはなぜですか。……子育て経験がサラリーマンの業務経験として評価されていない証左じゃありませんか。

 それをも仕事に活かせてしまう人、あるいはそのブランクがあってもなお会社から求められる才能をお持ちの方、というのはやはりスーパーマンの領域かと思います。


 女性の管理職比率が低い? (現実として女親が子育ての過半を担っている世の中では)当たり前だと思いますね。
author by よんなん
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