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市川エフエム放送の自己破産申請に対する私見(2)

(続きです)

 法人としての市川エフエム放送が赤字経営続きだったところへ、さらに数千万円規模の損害賠償請求を受けて立ち行かなくなったようだ、ということはなんとなく分かりました。

 毎週楽しみに聴いていたリスナーとして気になるのは、「放送局が今後どうなるのか」です。


 市川エフエム放送という株式会社は自己破産を申請したので、これが認められて破産の手続きが進めばこの法人は消滅へ向かうことになります。

 それでいて、12月3日付の読売新聞千葉面「市川エフエムが自己破産申請」の記事によれば、

同社は総務省関東総合通信局に11月30日付で放送休止届を提出し、今月1日以降、番組の放送を取りやめている。廃止するかどうかは未定という。

>廃止するかどうかは未定
>廃止するかどうかは未定
>廃止するかどうかは未定

とあります。

 放送局(無線局)免許を持った法人が消滅へ向かうのに、放送局を廃止するかは未定、ということは、事業を承継する法人(または個人……ですが個人の可能性は限りなく低い)が現れることに含みを持たせていることが考えられます。

 コミュニティ放送の事業者が途中から変わった事例には、エフエムわいわいが「株式会社エフエムわいわい」から「NPO法人エフエムわいわい」(株式会社とNPO法人は同名でも別法人)に移行した例、エフエムせたがやの運営主体「株式会社エフエム世田谷」が「株式会社世田谷サービス公社」に吸収された例があり、当初の事業者が消滅することがすなわち放送局の廃止を直接は意味しないことになります。


 破産の手続きを進めて債権者に配当を支払うには、市川エフエム放送が換金できる資産はすべて売却して現金化することになりますが、換金できる資産といっても、スタジオで使われなくなったミキサーやマイク、アンテナ、オフィス家具や何か……中古品として売却するにしても「がらくたの類」しかないのではないでしょうか。(推測)

 放送局事業を譲渡できるならば、債権者へいくらかそれなりに配当を支払えるに違いないです。


 放送局事業の譲渡に目途がついているのか、そうでないのかは不明ですが、もし目途がついているなら突然の放送休止を経ずにスムーズに譲渡されているのではないかと推察します。


 そうすると、放送局の存続を目指すなら、既存の法人で引き受けてくれるところを探すか、新しく立ち上げなければいけないことになります。

 新しく立ち上げるなら出資者を募ることになりますが、現在の市川エフエム放送には、市川市をはじめ、市内の都市ガス会社、信用金庫、大学、食品メーカー、青年会議所、新聞販売店、ケーブルテレビ会社など、市内の名だたる主要な企業や法人などが出資していました。

 現在の出資者にしてみれば、現在の法人が破産して出資した資本金すら返ってくるめどもないのに、同じ(黒字運営は難しい)ビジネスをやるのでまた出資してくださいと言われても即座にOKとはおそらく言わないでしょう。

 では、市内の主要企業を抜きにして放送局事業の譲受に必要な金額の出資は集まるでしょうか……。


 ここで思うのは、(鉄道が趣味なので引き合いに出しますが)北海道でいま言われている「マイレール意識」のような、「マイ放送局意識」なんじゃないのかなぁということです。

 自治体や市内主要企業などの誰かがお金を出してくれるというのではなく、聴いたり参加して楽しんでいる自分たちでお金を出すこと「も」必要なのではないかと思うのです。


 リスナーや市民スタッフの中には、可処分所得がそれなりにある人もいるかもしれません。

 開局当時は学生だったスタッフには、社会人になるとともに聴く側にまわったものの現在はそれなりの企業に勤めたり事業に成功して可処分所得が比較的ある人も、なかにはいるでしょう。たぶん。

 5万円を200人から集めれば1,000万円にはなります。


 確かに一つだけ言えることは、破産手続きが終了して現在の市川エフエム放送が放送局の免許とともに消滅する前に放送局事業を承継する法人を立ち上げるか、既存の法人で引き受けるところを見つけなければ、放送局の存続はほぼないということです。
(いったん放送局が廃止されて再度ゼロから放送局を始めるには、法人を立ち上げるほかに放送局の免許を新しく受ける労力が必要になります)


 仮にそうするとして、具体的に誰が中心になって動くのか……ということでしょうが、どうでしょう。

 少なくとも私は会社勤めですっかり忙殺されている身で、法人立ち上げなどに奔走することはできそうにありません。

#出身大学のサークルOBOG会の仕事も全然できてなくてごめんなさい……。

(続くかも)
author by よんなん
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