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NTTドコモの企画部門が月・火休みに

 めずらしく、ニュース評論にかこつけた自己主張などを。

 ドコモ、休日を「土・日」から「月・火」に変更 7月から東電管内で(MSN産経ニュース)

 コールセンターやドコモショップといった、そもそも年中無休で営業している現場第一線は除外だそうですから、ホワイトカラーの企画部門で、ということなのでしょうね。

 世間には異論が多々あることを承知していますが、自分は「週末分散」論者です。

 世の中の大多数がいっせいに土日と祝日に休んでいることによる弊害と、平日に休みをずらすメリットはとても大きいと思うんです。


 まず、通勤ラッシュ・待機児童問題について。

 すでに鉄道各社は「時差通勤」という、曜日ではなく時間で混雑を平準化させようといろいろキャンペーンをやってますが、他社に先駆けて平日に休んで土日出勤を始めれば、社員は5日中2日はすいている電車で通勤できることになります。……まぁ、社員が通勤地獄で苦しもうと何だろうと経営者は知ったことではないのかもしれませんけれども。

 ……いずれ後追いする企業が増えて土日も朝の電車が混むようになったとしても、5日間に集中していた需要が7日間に平準化されれば、単純計算で30%近く混雑が緩和されることになり、これは劇的な効果です。

#月〜金の輸送量を100×5日として日〜土に均すと71.4となる


 同様に、夫婦共働きで子供を保育園に預けようという需要は、当然ながら平日の5日間に集中しているわけです。これを土日も含めて平準化できれば、保育所で受け入れられる児童の数は、これも単純計算で4割(!)増えます。

#仮に保育所の1日当たり定員を1000人、月〜金のみ定員いっぱいの子を預かっているとして、同じく日〜土に均すと714人となり、新しく286人の子を受け入れることができる

 おまけに夫婦で休日の曜日が違えば、そもそも子を保育所へ預ける日が週3日でよいことになり、さらに保育所の定員に余裕が生まれます。

 ……まぁ、土日も保育所を開けることになれば、当然先生を増やして交代で休日を取ってもらうことになりますから、小学校にあがる前の子にとって「曜日ごとに先生が変わる」というのが理解できるのかどうかは、家族も子も持たない現在の自分には分かりませんが。。。


 そのほか、週末が分散すると休日も充実すると自分は考えています。

 観光産業、とくに宿泊施設は「年100日の黒字と265日の赤字」(←リンク先はPDFファイル)という、星野リゾートの星野佳路社長の言葉に象徴されます。

 カレンダー上の休日はどこへ行っても混んでいてサービス水準が平日に比べて著しく低くなっているのに、料金(特に宿泊料金)は高く設定されています。

 旅行のパンフレットなどもらってくると、平日と休日の値段の差、特に大型連休中の価格設定を見るや、バカバカしくて旅行に行く気がしなくなるというものです。

 いろんな人から「家庭、特に学校にあがった子を持つようになると、そういう考えは変わるよ」と言われるのですが、、、

 一人旅ですらこの価格差がバカバカしいのに、家族旅行となれば価格差×人数分ですよ? ……おまけにどこへ行っても混んでいて夫婦は渋滞中に狭いクルマのなかでイライラし始め(夫婦揃って延々と平然としていられるほうがどうかしていると思う)、子供は渋滞はおろか現地でも行列に退屈してぐずり始めるし、誰がカレンダー上の休日、特に連休に旅行なんか行って楽しいんだろうね? と自分は思うのです。。。

 少なくとも自分には、国内家族旅行で楽しかった思い出など一つもありません……いや、「一つもない」は語弊で、小学5年の夏休みに飛行機で連れて行ってもらった沖縄と、新幹線の指定席で行く父親の実家は楽しかったな、、、って、レジャーに出かけているのに、楽しかった思い出が数えるほどしかない、という時点でおかしいんです。


 一方、週末が分散すると友人知人と休みが合わなくなる「デメリット」もあるでしょう。……土日の結婚式に呼ばれたのに、自分は平日が休みだ、なんてこともあるかもしれません。

 そうなると、こんどは必然的に有給休暇取得率の劇的な向上が見込まれます。

 読まなくていい空気を読んで有給休暇を取得できない、だとか「そもそも平日にプライベートな用事がない」結果が現状の低い消化率だと思うのですが、「結婚式だから」「家族サービスだから」といって申し込めば消化率はかなり上がるのではないでしょうか。

 ……自分の勤務先は有給休暇の消化率が高い(年度中に使い切ってしまい「次の4月までカゼも引けない」という人すらいる)のですが、一因には、土日休みとは限らない職場で上記の事由で有給休暇を取得するケースが多いからではないかと推察しています。

 逆に、どうしても大安に結婚式をやりたい人が土日で大安の日を探せば21日に1回しかありませんが、世間の休みに曜日が関係なくなれば6日に1回チャンスが巡ってきて式場の予約も取りやすくなるでしょう。


 これまでtwitter上で「週末分散」「時差勤務」「時差昼休み」を主張すると、会社や職場や人によって執務時間が違うと連絡が滞って業務の執行に支障が出る……という反論を多く頂戴し、こうした意見を持つ人が多いことは承知しています。

 ですが、業務の効率性のみをとにかく追求するのはどちらかといえば経営者の理屈であって、これからライフ・ワークバランスを追求していくべき勤労者が自ら主張するのは少々間違っているのでは、と考えています。……もちろん、会社が傾けば社員の立場も危ういわけで、労働者といえども経営者の感覚を持つことは当然必要ですが。

 そもそも、デスクワーク職場で残業がない職場なんかないと思うんですけれども、残業を終えて何時に帰るかは、現状でも人それぞれですよね?


 休日は土日祝日、昼休みは12〜13時、始終業は9時5時、プライベートな時間がいつどこへ行っても混んでいるような生活スタイルで一生満足できちゃう人は、それはそれでいいと思います。自分は否定しません。

 一方、始終業を1〜2時間早くすれば電車はガラガラだし、昼休みを15分早くするだけで外食はどこへ行ってもすいていて、休日を平日にすれば安い料金で満足度の高いサービスが受けられるのになぁ……という世間とズレた人もここにいます。


 存在自体が迷惑という人でもない限り、ある程度は世間とズレた人も許容される、多様性のある社会が健全というものではないかなぁと思っています。
author by よんなん
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