最高裁裁判官の国民審査
2009.08.30 Sunday | よんなん的戯言
たまにはこんなマジメそうな話でも。
衆議院議員総選挙と同時に「最高裁判所裁判官国民審査」がありますよね。
おととい、期日前投票で投票(?)してきました。
結論から言って、現行の制度で意味があるのかな、と正直に思います。
確かに、「三権」のうち「司法」を主権者である国民が監視する唯一の手段で、「国民主権」「三権分立」を下支えする重要な制度、、、とは、小学校の社会科で習った記憶があります。
が、実際に裁判官の顔と名前と経歴を知っていて投票したのは一回しかありません。
……たまたま、審査に付されていた裁判官のひとりが近所に住んでいたんですね。(ぇ
#もちろん、その人以外についてはさっぱり分からないまま投票
不信任の人に「×」をつけるだけで、それ以外の記入はすべて無効票、という投票制度ですから、積極的に投票を呼びかける主張としてはネガティブキャンペーンしかありません。
今回の例ではせいぜい、新聞に意見広告を出していた「一人一票実現国民会議」が、一票の格差をめぐる裁判に関わった二名の裁判官を具体的に挙げて不信任を呼びかけていた程度でしょうか。
もし、これが本当に不信任になりそうなほどの世論の動きになるなら、国民審査を待たずして指名・任命権者である内閣の責任が追及されるか、あるいは訴追請求が出るなどして弾劾裁判が実施される……のが現実的でしょう。
今回、私の手元にあった投票の参考になりそうな資料は、選挙公報と一緒に新聞折込に入っていた「審査公報」と、8月26日付の読売新聞に載っていた9人の裁判官へのアンケートと、上記の意見広告くらいです。
意見広告を鵜呑みにするのでなければ、ほとんど判断しようがないですよ。。。。
「審査公報」は、「関与した主要な裁判」に連なる文字列を見ても分からないものがほとんどです。
たとえば…
「平成二一年一月二二日 第一小法廷判決
継続的な金銭消費貸借取引における過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、同取引が終了した時点から進行する(全員一致)。」
これは5分くらい考えてようやく、サラ金の「グレーゾーン金利」をめぐるトラブルでサラ金側が時効を主張して持ち込まれた裁判で、消費者有利の判断をしたんだろうな……と、なんとなく分かりますが、、、、
「平成一九年六月一三日 大法廷判決
平成一七年九月に施行された衆議院議員総選挙における小選挙区選挙の区割り及び選挙運動に関する公職選挙法等の規定は、憲法一四条等の規定に違反するとはいえない(多数意見)。」
この文字列だけで「一票の格差」を容認する判決だと分かる人ってどれだけいるんですかね??
#自分も、意見広告がなければ気がつかなかったはず
平易な文面で書いてあるのはせいぜい「裁判官としての心構え」ですが、選挙公報同様に裁判官が自らPRする文面ですから、それを見て積極的に不信任にしようと思う判断材料にはなりにくいです。
新聞の記事も、まさか社論に反する主義主張を持っているからといって特定の裁判官を罷免するよう主張して読者を誘導したのでは「裁判官の独立」に関わる問題になりますから、当たり障りのない内容になるのは当然の帰結のような気もします。
じゃぁどうすれば望ましいシステムになるのか、というと特に妙案はないです。。。
不信任ではなく、信任したい裁判官に積極的に印をしたり名前を書く仕組みだと、意味もなく信任票が過半数に達しない裁判官が続出して最高裁が機能しなくなるか、かつてあった国会議員の「全国区」と同じでただの人気投票になってしまうでしょうし。
そしたら現行の制度がベターなんじゃん、、、、と考えがスタート地点に戻ってしまいながらも、モヤモヤしながら投票しているわけです。。。
衆議院議員総選挙と同時に「最高裁判所裁判官国民審査」がありますよね。
おととい、期日前投票で投票(?)してきました。
結論から言って、現行の制度で意味があるのかな、と正直に思います。
確かに、「三権」のうち「司法」を主権者である国民が監視する唯一の手段で、「国民主権」「三権分立」を下支えする重要な制度、、、とは、小学校の社会科で習った記憶があります。
が、実際に裁判官の顔と名前と経歴を知っていて投票したのは一回しかありません。
……たまたま、審査に付されていた裁判官のひとりが近所に住んでいたんですね。(ぇ
#もちろん、その人以外についてはさっぱり分からないまま投票
不信任の人に「×」をつけるだけで、それ以外の記入はすべて無効票、という投票制度ですから、積極的に投票を呼びかける主張としてはネガティブキャンペーンしかありません。
今回の例ではせいぜい、新聞に意見広告を出していた「一人一票実現国民会議」が、一票の格差をめぐる裁判に関わった二名の裁判官を具体的に挙げて不信任を呼びかけていた程度でしょうか。
もし、これが本当に不信任になりそうなほどの世論の動きになるなら、国民審査を待たずして指名・任命権者である内閣の責任が追及されるか、あるいは訴追請求が出るなどして弾劾裁判が実施される……のが現実的でしょう。
今回、私の手元にあった投票の参考になりそうな資料は、選挙公報と一緒に新聞折込に入っていた「審査公報」と、8月26日付の読売新聞に載っていた9人の裁判官へのアンケートと、上記の意見広告くらいです。
意見広告を鵜呑みにするのでなければ、ほとんど判断しようがないですよ。。。。
「審査公報」は、「関与した主要な裁判」に連なる文字列を見ても分からないものがほとんどです。
たとえば…
「平成二一年一月二二日 第一小法廷判決
継続的な金銭消費貸借取引における過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、同取引が終了した時点から進行する(全員一致)。」
これは5分くらい考えてようやく、サラ金の「グレーゾーン金利」をめぐるトラブルでサラ金側が時効を主張して持ち込まれた裁判で、消費者有利の判断をしたんだろうな……と、なんとなく分かりますが、、、、
「平成一九年六月一三日 大法廷判決
平成一七年九月に施行された衆議院議員総選挙における小選挙区選挙の区割り及び選挙運動に関する公職選挙法等の規定は、憲法一四条等の規定に違反するとはいえない(多数意見)。」
この文字列だけで「一票の格差」を容認する判決だと分かる人ってどれだけいるんですかね??
#自分も、意見広告がなければ気がつかなかったはず
平易な文面で書いてあるのはせいぜい「裁判官としての心構え」ですが、選挙公報同様に裁判官が自らPRする文面ですから、それを見て積極的に不信任にしようと思う判断材料にはなりにくいです。
新聞の記事も、まさか社論に反する主義主張を持っているからといって特定の裁判官を罷免するよう主張して読者を誘導したのでは「裁判官の独立」に関わる問題になりますから、当たり障りのない内容になるのは当然の帰結のような気もします。
じゃぁどうすれば望ましいシステムになるのか、というと特に妙案はないです。。。
不信任ではなく、信任したい裁判官に積極的に印をしたり名前を書く仕組みだと、意味もなく信任票が過半数に達しない裁判官が続出して最高裁が機能しなくなるか、かつてあった国会議員の「全国区」と同じでただの人気投票になってしまうでしょうし。
そしたら現行の制度がベターなんじゃん、、、、と考えがスタート地点に戻ってしまいながらも、モヤモヤしながら投票しているわけです。。。