「オール電化」なんてブッ飛ばせ!!
2010.10.30 Saturday | よんなん的戯言
群馬在勤時の寮は光熱費定額で、具体的な料金の中身を意識せずに使っていました。
今般、新居で電気・ガス・水道を契約して自分の財布から支払うようになって、さっそく「光熱費の事業仕分け」が始まりました。
まず、東京電力に支払う電力料金。
電力料金は「三段階料金制度」で、使えば使うほど単価が上がります。
この仕組みそのものは以前から知っていて、要は省エネしなさいってことね、程度にしか思っていなかったんですが、東京電力公式ページによると「3段階」の設定根拠は違いました。
・第1段階=「健康で文化的な最低限度の生活」水準を想定した比較的低い料金
・第2段階=標準的な家庭の使用量をふまえた平均的な料金
・第3段階=やや割高な料金
「オール電化」なんかやったら、「第3段階料金」に突入するのは明らかじゃないですか。
プラグインハイブリッド車なんぞ買ってきて、家庭用コンセントで充電しちゃった日には、目も当てられない電気代の請求書が来ることになります。
一方の都市ガスは、4段階で「使えば使うほど単価は下がるが基本料金は上がる」という設定になっています。(京葉ガスの料金表)
電力のブレーカーと違って、都市ガスはガスメーターで管を若干太く細くしたところで流量に差を出しにくいですから、毎月の使用料で決めざるを得ないだけ(推測)で、たくさん使う人が「基本料金」を高く支払う考え方は電力と同じです。
ですが、使えば使うほど「単価」が下がるのは、電気代とまったく逆です。
この時点で、まず「ガスでもできることは極力ガスでやる」と決め、電気ポットはもちろんのこと電気炊飯器まで押入れへ追いやり、ごはんは現在ガスコンロで炊いています。
(↑これがまたおいしいんですよ)
ガスコンロは、前に東京ガスのCMで妻夫木聡と織田信長(ピエール瀧)がやっていた「ピピッとコンロ」を入れたので、米を研いで水を入れてスイッチを入れれば火加減は自動的にやってくれて、およそ30分後に炊き上がります。
#この地域の都市ガスは京葉ガスですが、東京ガスは各都市ガス会社にもガスを供給している……と、以前、日経流通新聞(日経MJ)で読みました
さて、台所で煮炊きをしたり、風呂の湯を沸かしたり、冬の暖房など、「燃料を燃やして発生するエネルギーを『熱』としてそのまま利用する」だけなら、当然ながら燃料を家で燃やせば熱効率100%です。
#煮炊きのとき、ガスの火が大きいと熱が鍋の外にも行く、という損失はありますが
一方、自動車や鉄道のディーゼルカーのように「燃料を燃やして発生するエネルギーを『動力』として利用する」なら、その都度エンジンで燃やして発生するピストン運動をそのまま動力源にするのではなく、火力発電所のでっかいタービンを回して電力にしたものを充電するか、自動車や列車に「エンジンで動く発電機」を積んで発電しながらモーターで動かしたほうが効率的です。
#エンジンそのものを常に「経済速度」で回し続けられるので効率がよくなる、という理屈
このせいで、市中では「電気=エコ」と思い込んでいる人が多いんじゃないかと思います。
ついでに「電気自動車」からはCO2が出なくても、火力発電所からきちんとCO2が出ていますから。……それもゼロだと勘違いしつつ、なおかつ原子力発電所には疑問を持つような人がいるとしたら、政治的に妙な考え方をしている勢力から影響を受けているんでしょうね。
これは私のヘリクツではなく、大学院で自動車工学の研究室にいた頃の、
「これまで自動車工学の研究対象だった『タンク to ホイール』(=自動車の燃料タンクからタイヤまで)の効率だけではなく、これからは『ウェル(=well) to ホイール』(=油田井戸からタイヤまで)の効率とCO2排出量も考えなければならない」
という教授の考え方の受け売りです。
話は戻って、発電所で化石燃料を燃やしてタービンを回す、という時点で熱効率は100%ではありません。
そして、エアコンで暖房するに至っては、再び電力を熱に変換するのですから、余計にムダ=電気代のムダ遣いです。(エアコン暖房が電熱ヒーターより高効率なのは事実ですが)
化石燃料を家で直接燃やす以上にエコな暖房は、「グリーン電力」ないし原子力発電所からの電力で動かすエアコンか、薪ストーブくらいですかね。
さて我が新居では、築年数の古いマンションだとたいていの物件にある「ガスのコンセント」がご多聞に漏れずありました。
が、リフォーム時に京葉ガスさんを呼んだところ、コンクリートに埋まったン十年物のガス管から微量ではある(=中毒や引火の心配はない)もののガス漏れが検出されて、直すにはコンクリートから掘り起こして……ということで泣く泣く用途廃止としました。
一方、バランス釜だった給湯器をベランダへ出すのにガスの配管を新しく引き回したので、和室に新しくガスのコンセントを作ってもらえました。(→冒頭の写真)
現在の新居でガスストーブが使えるのは和室1か所だけですが、京葉ガスには「まる割プラン」という割引があり、
・ガス給湯器
・ガスコンロ
・ガス暖房機
の3つがそろえば毎月のガス代が5%引きで、我が新居にも適用してもらっています。
……本当は、ガス給湯器(10万円ちょい)に2〜3万円足して「エコジョーズ」にすれば、購入時点で政府からの補助金があったうえに、ガス料金もさらに3%引き(=合計8%引き)だったんですよね。
給湯器なんて1回つけたら10年くらい壊れない代物なので、工務店さんと自分の勉強不足を反省しています。。。orz
自分の引きこもり部屋は、ガスのコンセントが用途廃止になってしまったので、石油ストーブを買いました。
これはこれで、灯油代は(ガソリン価格同様の変動はありますけれども)どれだけ使っても単価が変わらないうえ、灯油のポリタンクを2つ買って片方を備蓄用にしたので、万が一の災害で電気・ガスが止まっても暖を取ることが可能になりました。
#その前にマンションが倒壊しちゃったら意味ないんだけど
ガスストーブも石油ストーブも、ファンヒーターではなく赤外線方式を選びました。輻射熱で直接体が温められるほか、ヤカンを載せるだけで加湿器が要らなくなります。……ここでも加湿器にかかる電気代不要というおまけがついてきます。
というか、ガスも灯油も、エアコンと違って燃やした時点で水蒸気が出ます。
#ヤカンをストーブに載せる使い方は、地震などでストーブが倒れると熱湯が散乱して大ヤケドの危険があるので、あくまで自己責任となる点にご注意ください
そして最後にアマチュア野球応援マニアによる、どうでもよい話として、社会人野球チームを持っている都市ガス・石油会社は数あれど、電力会社は送電ネットワークとしては本土から切り離されている(はずの)沖縄電力を唯一の以外として、どこも野球チームを持っていないことを挙げておきます。
そんなけしからんインフラ業界の商品、誰が喜んで使うか!!
今般、新居で電気・ガス・水道を契約して自分の財布から支払うようになって、さっそく「光熱費の事業仕分け」が始まりました。
まず、東京電力に支払う電力料金。
電力料金は「三段階料金制度」で、使えば使うほど単価が上がります。
この仕組みそのものは以前から知っていて、要は省エネしなさいってことね、程度にしか思っていなかったんですが、東京電力公式ページによると「3段階」の設定根拠は違いました。
・第1段階=「健康で文化的な最低限度の生活」水準を想定した比較的低い料金
・第2段階=標準的な家庭の使用量をふまえた平均的な料金
・第3段階=やや割高な料金
「オール電化」なんかやったら、「第3段階料金」に突入するのは明らかじゃないですか。
プラグインハイブリッド車なんぞ買ってきて、家庭用コンセントで充電しちゃった日には、目も当てられない電気代の請求書が来ることになります。
一方の都市ガスは、4段階で「使えば使うほど単価は下がるが基本料金は上がる」という設定になっています。(京葉ガスの料金表)
電力のブレーカーと違って、都市ガスはガスメーターで管を若干太く細くしたところで流量に差を出しにくいですから、毎月の使用料で決めざるを得ないだけ(推測)で、たくさん使う人が「基本料金」を高く支払う考え方は電力と同じです。
ですが、使えば使うほど「単価」が下がるのは、電気代とまったく逆です。
この時点で、まず「ガスでもできることは極力ガスでやる」と決め、電気ポットはもちろんのこと電気炊飯器まで押入れへ追いやり、ごはんは現在ガスコンロで炊いています。
(↑これがまたおいしいんですよ)
ガスコンロは、前に東京ガスのCMで妻夫木聡と織田信長(ピエール瀧)がやっていた「ピピッとコンロ」を入れたので、米を研いで水を入れてスイッチを入れれば火加減は自動的にやってくれて、およそ30分後に炊き上がります。
#この地域の都市ガスは京葉ガスですが、東京ガスは各都市ガス会社にもガスを供給している……と、以前、日経流通新聞(日経MJ)で読みました
さて、台所で煮炊きをしたり、風呂の湯を沸かしたり、冬の暖房など、「燃料を燃やして発生するエネルギーを『熱』としてそのまま利用する」だけなら、当然ながら燃料を家で燃やせば熱効率100%です。
#煮炊きのとき、ガスの火が大きいと熱が鍋の外にも行く、という損失はありますが
一方、自動車や鉄道のディーゼルカーのように「燃料を燃やして発生するエネルギーを『動力』として利用する」なら、その都度エンジンで燃やして発生するピストン運動をそのまま動力源にするのではなく、火力発電所のでっかいタービンを回して電力にしたものを充電するか、自動車や列車に「エンジンで動く発電機」を積んで発電しながらモーターで動かしたほうが効率的です。
#エンジンそのものを常に「経済速度」で回し続けられるので効率がよくなる、という理屈
このせいで、市中では「電気=エコ」と思い込んでいる人が多いんじゃないかと思います。
ついでに「電気自動車」からはCO2が出なくても、火力発電所からきちんとCO2が出ていますから。……それもゼロだと勘違いしつつ、なおかつ原子力発電所には疑問を持つような人がいるとしたら、政治的に妙な考え方をしている勢力から影響を受けているんでしょうね。
これは私のヘリクツではなく、大学院で自動車工学の研究室にいた頃の、
「これまで自動車工学の研究対象だった『タンク to ホイール』(=自動車の燃料タンクからタイヤまで)の効率だけではなく、これからは『ウェル(=well) to ホイール』(=油田井戸からタイヤまで)の効率とCO2排出量も考えなければならない」
という教授の考え方の受け売りです。
話は戻って、発電所で化石燃料を燃やしてタービンを回す、という時点で熱効率は100%ではありません。
そして、エアコンで暖房するに至っては、再び電力を熱に変換するのですから、余計にムダ=電気代のムダ遣いです。(エアコン暖房が電熱ヒーターより高効率なのは事実ですが)
化石燃料を家で直接燃やす以上にエコな暖房は、「グリーン電力」ないし原子力発電所からの電力で動かすエアコンか、薪ストーブくらいですかね。
さて我が新居では、築年数の古いマンションだとたいていの物件にある「ガスのコンセント」がご多聞に漏れずありました。
が、リフォーム時に京葉ガスさんを呼んだところ、コンクリートに埋まったン十年物のガス管から微量ではある(=中毒や引火の心配はない)もののガス漏れが検出されて、直すにはコンクリートから掘り起こして……ということで泣く泣く用途廃止としました。
一方、バランス釜だった給湯器をベランダへ出すのにガスの配管を新しく引き回したので、和室に新しくガスのコンセントを作ってもらえました。(→冒頭の写真)
現在の新居でガスストーブが使えるのは和室1か所だけですが、京葉ガスには「まる割プラン」という割引があり、
・ガス給湯器
・ガスコンロ
・ガス暖房機
の3つがそろえば毎月のガス代が5%引きで、我が新居にも適用してもらっています。
……本当は、ガス給湯器(10万円ちょい)に2〜3万円足して「エコジョーズ」にすれば、購入時点で政府からの補助金があったうえに、ガス料金もさらに3%引き(=合計8%引き)だったんですよね。
給湯器なんて1回つけたら10年くらい壊れない代物なので、工務店さんと自分の勉強不足を反省しています。。。orz
自分の引きこもり部屋は、ガスのコンセントが用途廃止になってしまったので、石油ストーブを買いました。
これはこれで、灯油代は(ガソリン価格同様の変動はありますけれども)どれだけ使っても単価が変わらないうえ、灯油のポリタンクを2つ買って片方を備蓄用にしたので、万が一の災害で電気・ガスが止まっても暖を取ることが可能になりました。
#その前にマンションが倒壊しちゃったら意味ないんだけど
ガスストーブも石油ストーブも、ファンヒーターではなく赤外線方式を選びました。輻射熱で直接体が温められるほか、ヤカンを載せるだけで加湿器が要らなくなります。……ここでも加湿器にかかる電気代不要というおまけがついてきます。
というか、ガスも灯油も、エアコンと違って燃やした時点で水蒸気が出ます。
#ヤカンをストーブに載せる使い方は、地震などでストーブが倒れると熱湯が散乱して大ヤケドの危険があるので、あくまで自己責任となる点にご注意ください
そして最後にアマチュア野球応援マニアによる、どうでもよい話として、社会人野球チームを持っている都市ガス・石油会社は数あれど、電力会社は送電ネットワークとしては本土から切り離されている(はずの)沖縄電力を唯一の以外として、どこも野球チームを持っていないことを挙げておきます。
そんなけしからんインフラ業界の商品、誰が喜んで使うか!!