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今年の大河ドラマ

 昨晩放送された「功名が辻」第一回を見ました。

 ここ数年、大河ドラマなんか見ていなかったのですけど、予告編で仲間由紀恵さんがしゃもじを持って何か言っているシーンを見て、面白そうだな、と思ったのでした。

……私にとって大河ドラマは、歴史ドラマを装ったNHK的コメディですので。


 さて、第一回を見て、私なりの視点で3点。

1.織田信長=西部警察

 1996年の「秀吉」で信長を演じていたのは、渡哲也。
 今回は、舘ひろし。

 ともに、西部警察で団長役をやってるんですね。
 団長も織田信長も、リーダーとしてのカリスマ性が命のキャラですから、共通点はあるのだろうなぁ、という気がします。


2.若い主役にくっつく2人の大物家来

 上川隆也演じる山内一豊に、「だんなさまぁ〜」と付き従っているのは、武田鉄矢と前田吟。
 しかも、この時点の一豊は浪人です。何でもありの戦国の世に、よくもまぁ主人を見限りもせず、それに演技とはいえ大先輩の二人が若手に従っているのが面白いです。

 この構図、1997年の朝ドラ「あぐり」での、田中美里演じる望月あぐりを、「あぐりお嬢さま」と呼んで世話している山本晋也と刈谷俊介に似ている、と思いました。
 ここでのヒロインはデビュー2年目でドラマ初主演という新人も同然。役柄も、工務店を継ぐ気がない長男へ嫁いできた、破産した弁護士一家の娘、という、普通ならやはり工務店の従業員である二人からは見放されてもおかしくない立場です。

……話はそれますが、長男なのに趣味にうつつを抜かして家業を継ぐ気がないといえば、私もそうです。
 趣味が嵩じて転勤ばっかりの会社に入ってしまって、祖父や父が築いてきた家をどうするか、というのは、そろそろ真剣に考えないといけないんじゃないの、と、これを書きながらちょっと憂鬱になりました。


3.カリスマ的リーダーと個性的サラリーマン

 自分がサラリーマンだからなのでしょうけど、こういうドラマで見る武士って、サラリーマンと重なって見えます。

 第一回目は、山内一豊が織田信長と出会う過程で、木下藤吉郎や桶狭間の合戦シーンを通じて織田信長がいかに人々を魅了している存在であるかが強調されます。

 それと、何でもありの世の中、四の五の言ってないで勝ち馬を探して乗れ、という意味の木下藤吉郎のセリフも、サラリーマンかく生きるべし、みたいなものを示唆しているかのように受け取れます。


 まぁ、若いうちはそんなのを見て自分も妙な夢を描いていればよいのでしょうけれど、40歳とか50歳になってそんな姿とはかけ離れるに従って、ドラマの中にだけ自分のなしえなかった夢を追い求めるような中年親父になりそうです。

 現在進行中の作品で、織田信長の周囲の家来を描いたものに、週刊「モーニング」連載中の『へうげもの』が思い浮かびます。
 あれも、古田左介の立ち回りが、なんだかサラリーマン的に見えるんですよねぇ。


 久々に、続きが見たいドラマのような気がしました。

 こういう作品が作れるのなら、NHKもまだまだいけるじゃない、なんて、ただの視聴者のくせに思ったり。
author by よんなん
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