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もったいない本庄

 本庄は群馬じゃなくて、埼玉ですけれど。
 ……伊勢崎の商圏ということで。(こじつけ)

 大学院の修士論文では、研究室が新規開発した電動バスを使って、大学のキャンパスがある本庄でコミュニティバスを走らせる下調べをしました。
 機械工学専攻なのに、まちづくりを少しかじった由縁です。

 しかし、既存の成功例や失敗例など調査の結果、現在の本庄で走らせても乗る人はあまりいないだろうという結論をまとめました。

 ちょうど「本庄早稲田」という、大学名までついた新幹線駅も開業間近で先生方は本庄キャンパスに大きく期待を寄せていたのか、発表会の席はだいぶ紛糾しましたっけね。
(よく無事に修士号を取れて大学院を出られたと思います)


 コミュニティバスが成功するには、市街地が賑わっていることが最低限の条件です。


 まぁ、市街地のにぎわいと交通機関の利便性とは、鶏と卵のような関係かもしれないのですけど。

 仮にそうだとしても、本庄は市役所を市街地の外へ新築移転させてしまいましたし、早稲田大学のキャンパスも市街地から田園地帯を隔てた「大久保山」という山(「早稲田山」と呼ぶ人もいるとか)に造られました。
 ……新幹線駅ができた大久保山周辺の田んぼには「本庄新都心」という、まさしく絵に描いた餅のような構想まであります。

 市街地を賑わせようという意思も熱意もありそうにないところに便利なバスが走ったって、にぎわいなんか生まれるわけないじゃないですか。


 もったいないな、と思います。

 夜8時〜9時ごろの本庄駅を見ていると、 高崎線の通勤特急「あかぎ」が到着すれば上尾や桶川に匹敵する数の人が降りてくるんです。

 どこかの群馬の山の奥のような市町村とは違うんです。
 人はいるんです。それだけでも本庄は恵まれているんです。

 どうして外へ外へと拡散させてしまうのかなぁ、と歯がゆくてなりません。
author by よんなん
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