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大人の社会科見学 船橋市議会

IMGP2502.jpg 自宅警備ばかりしていても仕方がないので、市議会の傍聴へ行くことにしました。

 知人でもある日色健人議員は10日の本会議で質問予定、とのことでしたが、あいにく先約ありで、「そしたら予算委員会が一問一答形式で面白いかも」というアドバイスで今日から始まった予算特別委員会へ。

 本会議は録画中継で見るとおり、議員が半ば演説のように延々と質問をして、それから答弁、というスタイルですが、予算委員会は質問→答弁→質問→答弁という丁々発止のやりとり(のはず)です。

 本会議の傍聴はいつ行っても入れるんですが、予算特別委員会の傍聴は開会時と休憩時しか出入りできないそうです。

 今日は10時の開会で、昼ごはんを食べてゆっくり家を出たら13時の午後の開会に間に合わず、13:40ごろに受付。事務局の職員の方に次の休憩までお待ちください、と案内されて待ちます。

 実際に入れたのは14:50で、事務局の方も「普段ですと1時間ほどで休憩なのですが…」とおっしゃっていましたが、配布された「審査順序」に記されていた「順序1」の「総務費」に災害対策費が含まれていて、折も折で質問が多く出たようです。


 14:50の再開後は「審査順序」の「順序2」で「労働費、農林水産業費、商工費、消防費、中央卸売市場事業会計」。

 委員は好き勝手に発言できるわけではなく、委員長が指名した会派の順序にしたがって、各会派を代表する委員が会派人数に応じて割り振られた順序1〜7の総持ち時間を適宜使って発言します。

 たとえば民主党は3人しかいないので総持ち時間は31分で、委員長が「民主党の発言を許します」と言っても「民主党は順序5、6、7、に質問時間を使いたいので、順序2、3、4では質問を致しません」という旨を発言したり。

 そういう観点では、公明党(84分)や共産党(69分)はじっくり質問ができます。

 ただ、残念ながら質問の中身は、それって予算委員会で聞くこと? 普段の政務調査で分かるんじゃない? という話が多かったのが残念でした。

 たとえば、とある会派のとある委員の質問は……

問「船橋市内の畜産農家は何軒か?」
答「16軒。うち14軒が酪農、2軒は畜鶏」
問「撤退が起きる理由は?」
答「ニオイが原因」

そんなの、議員バッジをつけて市役所4階の農水産課へ行けば教えてくれるでしょうに。


 そういう観点では、共産党の石川委員は、イエスかノーか、やるかやらないのか、その点について市長はどうお考えですか、という質問のしかたで、その回答を議事録に引き出す(←重要)という手法は、さすが8期目のベテランだけあると感心しました。

 全体的にはそういう質問をできる議員が少なく、傍聴者を6人に限定して、おまけに会議中の出入りを禁じてまで静粛性を確保するべき委員会には思えなかったのは残念です。

#委員や、議員傍聴人、市役所の担当者は出入りできる

 本会議は、行けばいつでも入れますし、生中継・録画中継もしている一方で、委員会は議事録が文字で公開されるのみであるばかりか、傍聴者による撮影・録音も許可なくすることは禁止で、傍聴中にtwitterでつぶやいただけで新聞記事になって当人が陳謝する世界です。
議員がツイッター中継 船橋市議会 2010/3/24千葉日報ウェブ)
船橋市議・日色健人氏による船橋市議会の予算特別委員会ツイッター実況まとめ


 公開性の点のほかに、効率性の点でもどうかと思う部分がありました。


 国会の予算委員会なら、総理やその他の大臣の叩けば出るようなホコリをバンバンたたく舞台ですが、市長や副市長に、そんな話題性のあるスキャンダルがそうそうあるはずもなく、文字通りの予算を審議する会議になります。

 質問を受けて立つ市当局側は、市長、副市長、そのほか担当部局の職員がおよそ30人。

 ある程度テーマを分けて質疑が行われるとはいえ、大半の時間は、彼ら個々の所管には関係のない質疑です。総勢14人で来ていたヒマ……もとい熱心な消防局の職員をはじめ、これだけの職員を長時間拘束してやるような会議か、というのは考える必要がありそうです。


 どうでもいい質問をする議員の質問に答えるのに職員を待機させるのもばかばかしいですし、逆に、本格的な質問をする議員は事前に質問通告をする(そうでないと、担当者がいきなり聞かれても答えられず議論が進まない)ので、それはそれで事前に用意した質問と答えを台本のように読み上げ、それをまた議会事務局が議事録として文字に起こす二度手間で、およそ21世紀の時代にはそぐわないと思います。


 個人的には

1)9つもある会派を再編→3〜4つくらいの大会派にして、公明党や共産党のようなまとまった質問時間を確保する→ある程度の規模の会派内で政策勉強をして質問を練る
2)事前に質問通告をしたものは文書で回答して、それを正式な議事録とする
3)質問に対する回答は「宿題」があってもよいことにする(複数日開催にする)

が、さしあたってパッと思いつく、ヒョーロンカ的な改善案でしょうか。


 会派再編なんて、口で言うほど簡単じゃないのに。

 制限時間がある口頭での質問と回答を経ないで、文書でのやり取りを正式な議事録にしたら、「質問主意書」状態になってそれを濫用する議員も出るだろうし……。

 事前の質問通告は国会でも同じで、そんなものないほうが国会中継は面白いんですけれども、じゃぁ議会がいつも「朝まで生テレビ」状態でいいのか、というとそれはそれでもろ手を挙げて賛成するには微妙な話です。
author by よんなん
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