※おことわり
私は防災の専門家ではありません。ここでは、素人の私が素人なりに調べて作ったことについて書いています。
参考にしていただくのは大変嬉しいことではあるものの、その際はご自身の責任でお願いいたします。
ここで作ったもので完成、というのではなく、できるだけよいものにしていきたいと考えておりますので、ご意見・ご感想などメールや掲示板にてお寄せください。
リュック災害時に避難するときにとりあえず持ってゆく「防災リュック」の必要性は言わずもがなでしょう。
しかし、防災リュックが家にある人がどれだけいるでしょう。家にあっても物置にしまいこんでいる人が多いはずです。我が家もそうです。
意外にも防災リュックは簡単に作れるらしいということで、作ってみることにしました。
防災の日などにテレビで「リュックは余っているものでよい」と報じていました。幼稚園や小学校の頃に遠足や合宿へ行くのに使っていたものでも充分のようです。
僕の場合、高校生の頃〜大学2年冬ごろまで使っていて、チャックの部分がすこし破けてしまったものが押入れに押し込んでありました。もともと東急ハンズで8000円くらい出して買ったもので、背中にはサスペンションがついていて、胸や腰の部分にベルトもついている、結構本格的なものです。毎日使っているとどんどん破けていってしまいそうなので、使わないで押入れにしまってありましたが、非常時に使う程度なら問題ないでしょう。
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押入れから引っ張り出したリュック。 本棚の中身を気にしてはいけない。 | 少し破けているが、この程度なら問題なしと判断。 |
★耐火性でなくて大丈夫?
実は我が家には役所から配布された「防災袋」というリュックがあります。物置を探してみたら一番手前に置いてありました。
我が家にあった「防災袋」。耐火性である。
「浦安町」という表記に年季を感じる。見るからに耐火性です。確かに、震災のときに恐いのは火災です。火の粉が降る中を逃げるとなると、化学繊維でできたリュックなどすぐに燃えてしまいそうです。
しかし、耐火性のリュックなどどこにでも売っているものではありません。ここでは、耐火性リュックを調達するのに手間取る前に、とりあえず簡単に手に入るものでリュックを作ってみることにします。
これは我が家の特殊事情ですが、我が家は1980年代にできた新興住宅街にあります。狭隘な路地に木造住宅が密集した旧市街地とは異なり、震災による大火災は比較的起こりにくいといえます。こうした状況から耐火リュック調達の前にまず最低限のものを詰めたリュックを作るほうが先と考えました。おそらく、鉄筋コンクリート建ての集合住宅にお住まいの方などにも同じことが言えるのではないでしょうか。
水入れ物が決まれば、次は当然、中身ですね。防災袋の中身でどれだけ暮らすつもりかを考える必要がありそうです。
★行政の支援は3日後
阪神大震災で、震災発生から救援物資の配給まで最悪の場合3日かかることがほぼ明らかになりました。つまり、3日間は自力で生き延びなければならないことになります。★消耗品は日常使えるものでそろえる
防災袋の中身は、定期的に入れ替えなければいけません。食品・飲料は消費期限がありますし、乾電池は放っておいても切れます。
期限が近づいたら日常の中で使ってしまえるものでそろえたいものです。たとえば乾電池を使用する製品は単3電池で動くものでそろえておき、電池の使用期限が近づいたらウオークマンなどで使ってしまうことにします。水は飲み、食べ物は食べてしまいましょう。ここでは、災害発生から3日間をしのぐために、「とりあえず持ち出す」防災リュックをつくることを目標にします。
被災者支援や復旧が始まってから必要になるものは、別に揃えて家に置いておきましょう。(もちろん、家は倒壊の危険があるので、屋外にガレージや物置がある人はその方がよいにこしたことはありません)
人が摂取しなければならない水分は一日1〜2リットル。水として飲む以外にも食品に含まれる水分もありますから、3リットル用意しました。大きめのペットボトルでもよいのですが、今売られている製品は大半が2リットル単位です。それに一度キャップを開けてしまうと、停電なら冷蔵庫にはしまえません。そこで500ml×6本にしました。
水道水には塩素が入っているので、空気が入らないようにペットボトルに汲んでおけば腐らない、という話もありますが、消費期限が明確な市販の天然水にしました。
購入したミネラルウォーター。
賞味期限は約1年後。★お茶はダメ?
ここではあえて水にしました。同じ飲料でもお茶やジュース類を避けたのには、いくつか理由があります。
・お茶は利尿作用がある。(水が止まれば水洗トイレは使えないのに、やたらトイレに行くのもどうかと)
・薬を飲む必要が生じたときは、できるだけ水で飲んだほうがいい。
・ジュースは飲むとよけいに喉が渇く、と小学校のときに先生に言われた記憶がある。
食料品
私はよく旅行をするので、貧乏旅行時の食事を参考にひとまず揃えてみました。
旅行中の食事を少し豪華にしてみた…… 1日3食。でも、全部カロリーメイト・ブロック(笑)。さすがにおなかがすきそうなので、ゼリー状の補助食品も加えてみました。まぁだいたいこんなもんですかねぇ。……と、一度は思ったのですが、それはいくらなんでも根拠に乏しいので、調べてみました。
この3日分(のつもり)の食事の総カロリーは4680kcal(水は0kcal)。それに対して、20代男性のエネルギー所要量は2550kcal/日。……実は2日分にもならないことが判明しました。そのうち、生命維持に必要な最低限の基礎代謝量は1533kcal/日なので、死んでしまうということはなさそうですが、ずっと避難先の体育館で寝ているというのでもなければ早晩におなかがすくでしょう。。。
とはいえ、まさかこれ以上カロリーメイトを食べつづけるのもどうかと思いますし、もう少し工夫する必要がありそうです。。。それに、カロリーメイトって、食べると喉が渇くんですよねぇ。。。。。。
ちなみに、ゼリー状の補助食品はコンビニやキヨスクへ行くと冷蔵庫に並べで売られていますが、常温保存が可能です。賞味期限は、カロリーメイト・ゼリーが約半年、ウイダーが約1年先です。
懐中電灯
停電時に長時間つけていられるよう、単1電池で点くものを勧めている場合がほとんどです。笛
しかし、日常生活で単1電池を使う製品はほとんど見なくなりました。普段使わない電池では、定期的に電池を入れ替えることがおろそかになりそうです。
そこで、ここでは単3電池2本で点くものを用意しました。100円ショップで購入。
電器屋へ行くと、ハロゲンランプなどでかなり明るくなるものも1000円以下で売っています。
100円ショップでも懐中電灯を売っている。
これは単3電池2本で点くタイプ。
ラジオどこかに閉じ込められたとき、大声で助けを呼びつづけられるものではありません。物語を例に出すのも変ですが、映画『タイタニック』で最後のほうに笛を吹いて助けを呼ぶシーンもありますね。
これも100円ショップで購入。
でも、少し大きめの店へ行かないとないかも。
費用ラジオは少し迷いました。携帯ラジオを1台持っていますが、防災袋用にもう1つ買うには高すぎます。100円ショップでも一応売っていますが、地域によってはNHK第一くらいしかまともに受信できないと覚悟したほうがよいでしょう。苦肉の策に、以前家で使っていたお風呂ラジオを入れることにしました。AM、FMのほか、テレビ音声も3チャンネルまで受信できます。
お風呂ラジオの利点はいくつかあります。防滴なので震災時に雨が降っていても外で使えます。スピーカーも内蔵しています。携帯ラジオや100円ショップのラジオが単4電池用なのに対し、これは単3電池で鳴ります。ただ、携帯用ラジオに比べれば重くてかさばるのが難点です。
確か献血センターの景品でもらったもの。
時計は要らない、というのが正直な気持ち。★ラジオはAMだけではなく、FMも聴けるものを
災害放送といえばNHKかもしれませんが、NHKが優れているのは発生直後の速報性(余震・津波情報など)です。地域ごとの支援・復旧情報はコミュニティFMのほうが頼りになります。コミュニティFMは2003年9月末時点で全国に166局ある、自治体単位の放送局です。局によっては役所に臨時スタジオがあって、災害時は役所から直接放送する局もあります。なので、ラジオはAMだけではなくFMも聴けるものを用意しましょう。
コミュニティFM局がない地域でも、有珠山噴火時のFMレイクトピア(北海道虻田町)のような、臨時に放送局が立ち上げられた例もあります。
リュック | \0.- | @0 |
水 | \554.- | @88+TAX |
食料品 | \2,430.- | (略) |
懐中電灯 | \105.- | @100+TAX |
笛 | \105.- | @100+TAX |
ラジオ | \0.- | @0 |
合計 | \3,194.- |